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9章
採取
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温泉大陸から少し離れた小島リデンプ島。
巨木の多い島で、蔦を巨木の上から垂らし罠を張ると討伐リストにある魔獣ライノピポカを後ろから追い立てるルーファスとグリムレイン。
「アカリ、そっちに行った!」
「エデン無茶はするな!」
巨木の上で三つ編みに冒険者スタイルの朱里がポーションホルダーから痺れポーションを手に持ち、ライノピポカが下を通るのを待つ。
「ピューイ!」
朱里がありったけのポーションを上から投げ落とし、エデンが朱里の周りで飛び回ると、朱里がえへへと笑う。
「エデン、合図ありがとうね」
巨木にルーファスとグリムレインが飛び乗ると、まだ走り続けているライノピポカを目で追う。
ライノピポカはサイとカバの中間という感じの魔獣で角に蓄えた魔力の結晶を採取するのが今回の目的で、冒険者ギルドの討伐リストに一応あったので討伐も兼ねている。
「ハガネ!罠の準備は大丈夫か!」
遠くから「任せとけー」と、ハガネの声が響く。
アルビーに乗ってリュエールとシュトラールが「がんばれー!」と騒いでいる。
朱里が手を振って双子も上から手を振り返す。
ライノピポカがハガネが張った蔦を絡み合わせた罠に突進していくと、罠に絡みズシンと音を立て倒れハガネが巨木から降りると、朱里達に両手で丸を作って合図を送る。
「ブモモモーッ!!!」
「へっ!うわわっ!」
ハガネがライノピポカの上に乗った途端、ライノピポカが咆哮を上げて起き上がると、ハガネの懐から黒い塊が飛び出し、ライノピポカの角を根元から蹴り上げる。
「アッパー!!!」
「ササマキ!!危ねぇ!」
ササマキがライノピポカの角を蹴り上げた反動で空中に飛ぶとハガネがササマキをキャッチする。
蔦を掴んでハガネが体を反転させてライノピポカを見れば、鼻先から血を飛び散らせて倒れ込む。
「あれ?角は何処だ?」
「ハガネ!上!上ー!!」
くるくると円を描く様に角が空中に飛び、グリムレインとルーファスが巨木に足を掛け反動をつけて飛ぶと、アルビーの上からリュエールが飛び出し、空中で角をキャッチすると「シュー!パス!」と、シュトラールに投げつけ、シュトラールがキャッチして「取ったー!」と角を両手で掲げる。
リュエールとルーファスが途中で獣化し、リュエールの首を咥えるとグリムレインの背中に飛び乗る。
「リューちゃん大丈夫ー?」
「平気ー!」
「リュー、無茶をするな」
「ちゃんと父上とグリムレインが来てるのを見て行動したよ」
リュエールが得意そうに尻尾を振り、ルーファスが「昔からリューはやんちゃが過ぎる」とリュエールの顔を舐めてリュエールが「くすぐったいー」と笑い転げ、それを巨木の上から朱里が見て「ワンコ可愛いっ」と騒ぎ、ルーファスとリュエールに「犬じゃない!」と声を揃えて抗議された。
地面に降りると朱里が冒険者カードをタップして「レベルアーップ!」とCランクからC+ランクになったとピョンピョン跳ねる。
「良かったなアカリ」
「母上いいなぁー僕もぼうけんしゃになりたい」
「母上オレもカードほしいー」
「2人はあと7年後に冒険者ギルドで冒険者試験を受けるんだな」
ルーファスがリュエールとシュトラールの頭を撫でながら、周りの状況判断と行動力のあるリュエールは意外と冒険者向きかもしれないと思いつつも、シュトラールもリュエールの投げつけた角をよく瞬時にキャッチ出来たものだと将来有望だと思う。
リュエールは16代目が嫌だと言わなければ16代目になるだろうから心配はないのだが、シュトラールは将来何になるのかが気になる所ではある。
のんびりした所もある子なのでたまに心配にもなったりする。
「嫁よ。ライノピポカはどうする?」
「こいつの肉意外とまろやかで角煮とかすると美味いんだぜ」
「ぜひ、持ち帰りましょう!」
朱里が「お肉お肉!」と騒いだ後で、ライノピポカの大きさに少し考えこむ。
ライノピポカの体長は4メートルで体重は400キロ程の巨体。
しかも、肉と言っても形のあるものをどう解体するのか・・・。
「えーと、解体魔法なんて便利なものは・・・?」
「そんなもんはねぇな。まぁグリムレインが冷凍させた刃でスパスパっと切ってくれりゃあ、直ぐに片付くだろ」
「我を肉屋にする気か?」
「ちゃんと美味い角煮とワイン煮とか作ってやるから」
「ピューイ」
「うむ。エデンが楽しみにしているなら我も頑張ろう」
肉の解体が始まると朱里はサッサッとアルビーの所へ逃げ込みアルビーとエデンに肉の臭み消しのハーブを教えてもらいながら採取し、双子達はルーファスに解体作業を見学させられ、ルーファスに部位の説明を受けさせられリュエールは「うぇー・・・」となっていたが、逆にシュトラールは興味深々で聞きかじっていた。
肉処理されたライノピポカを氷で固め、グリムレインの背中に朱里とハガネとエデンが乗り、アルビーの上に獣化したルーファスと双子が乗って温泉大陸へ帰る。
冒険者ギルドで討伐証拠のライノピポカの尻尾を提出し、ルーファスとハガネと朱里が冒険者カードにポイントを貰い、報酬も受け取るとホクホクで戻り、グリムレインは肉を店の氷室倉庫へ詰め込むために先に戻り、ルーファスはライノピポカの角を【刻狼亭】へ持ち帰る為に出掛けて行き、ハガネと朱里と双子とアルビーとエデンは歩いて『女将亭』へ帰っていく。
「エデン、楽しかったね」
「ピューイ」
アルビーがエデンを頭に乗せながら沢山喋っている。
グリムレインもそうだが、ドラゴン達はエデンをとても大事にしている。
まだ朱里とは喋る事は出来ないが、ドラゴン達同士では話が出来るらしく、今回のライノピポカの討伐というより、角を採取する事になったのもエデンが古代書を見て、絵に書いてある鉱物はライノピポカの角だと教えてくれたからだった。
解呪の方なので知らないよりは良いだろうと、朱里に一緒に冒険に行こうと約束したことも合わせて、今回決行することになったのである。
ついでに双子に狩りを教える為のモノでもある。
古代書の草についてはアルビーが似た様な草を自分が作った花図鑑と照らし合わせながら探している最中である。
エデンも草の方には覚えが無いらしく、アルビー任せになっている。
巨木の多い島で、蔦を巨木の上から垂らし罠を張ると討伐リストにある魔獣ライノピポカを後ろから追い立てるルーファスとグリムレイン。
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巨木の上で三つ編みに冒険者スタイルの朱里がポーションホルダーから痺れポーションを手に持ち、ライノピポカが下を通るのを待つ。
「ピューイ!」
朱里がありったけのポーションを上から投げ落とし、エデンが朱里の周りで飛び回ると、朱里がえへへと笑う。
「エデン、合図ありがとうね」
巨木にルーファスとグリムレインが飛び乗ると、まだ走り続けているライノピポカを目で追う。
ライノピポカはサイとカバの中間という感じの魔獣で角に蓄えた魔力の結晶を採取するのが今回の目的で、冒険者ギルドの討伐リストに一応あったので討伐も兼ねている。
「ハガネ!罠の準備は大丈夫か!」
遠くから「任せとけー」と、ハガネの声が響く。
アルビーに乗ってリュエールとシュトラールが「がんばれー!」と騒いでいる。
朱里が手を振って双子も上から手を振り返す。
ライノピポカがハガネが張った蔦を絡み合わせた罠に突進していくと、罠に絡みズシンと音を立て倒れハガネが巨木から降りると、朱里達に両手で丸を作って合図を送る。
「ブモモモーッ!!!」
「へっ!うわわっ!」
ハガネがライノピポカの上に乗った途端、ライノピポカが咆哮を上げて起き上がると、ハガネの懐から黒い塊が飛び出し、ライノピポカの角を根元から蹴り上げる。
「アッパー!!!」
「ササマキ!!危ねぇ!」
ササマキがライノピポカの角を蹴り上げた反動で空中に飛ぶとハガネがササマキをキャッチする。
蔦を掴んでハガネが体を反転させてライノピポカを見れば、鼻先から血を飛び散らせて倒れ込む。
「あれ?角は何処だ?」
「ハガネ!上!上ー!!」
くるくると円を描く様に角が空中に飛び、グリムレインとルーファスが巨木に足を掛け反動をつけて飛ぶと、アルビーの上からリュエールが飛び出し、空中で角をキャッチすると「シュー!パス!」と、シュトラールに投げつけ、シュトラールがキャッチして「取ったー!」と角を両手で掲げる。
リュエールとルーファスが途中で獣化し、リュエールの首を咥えるとグリムレインの背中に飛び乗る。
「リューちゃん大丈夫ー?」
「平気ー!」
「リュー、無茶をするな」
「ちゃんと父上とグリムレインが来てるのを見て行動したよ」
リュエールが得意そうに尻尾を振り、ルーファスが「昔からリューはやんちゃが過ぎる」とリュエールの顔を舐めてリュエールが「くすぐったいー」と笑い転げ、それを巨木の上から朱里が見て「ワンコ可愛いっ」と騒ぎ、ルーファスとリュエールに「犬じゃない!」と声を揃えて抗議された。
地面に降りると朱里が冒険者カードをタップして「レベルアーップ!」とCランクからC+ランクになったとピョンピョン跳ねる。
「良かったなアカリ」
「母上いいなぁー僕もぼうけんしゃになりたい」
「母上オレもカードほしいー」
「2人はあと7年後に冒険者ギルドで冒険者試験を受けるんだな」
ルーファスがリュエールとシュトラールの頭を撫でながら、周りの状況判断と行動力のあるリュエールは意外と冒険者向きかもしれないと思いつつも、シュトラールもリュエールの投げつけた角をよく瞬時にキャッチ出来たものだと将来有望だと思う。
リュエールは16代目が嫌だと言わなければ16代目になるだろうから心配はないのだが、シュトラールは将来何になるのかが気になる所ではある。
のんびりした所もある子なのでたまに心配にもなったりする。
「嫁よ。ライノピポカはどうする?」
「こいつの肉意外とまろやかで角煮とかすると美味いんだぜ」
「ぜひ、持ち帰りましょう!」
朱里が「お肉お肉!」と騒いだ後で、ライノピポカの大きさに少し考えこむ。
ライノピポカの体長は4メートルで体重は400キロ程の巨体。
しかも、肉と言っても形のあるものをどう解体するのか・・・。
「えーと、解体魔法なんて便利なものは・・・?」
「そんなもんはねぇな。まぁグリムレインが冷凍させた刃でスパスパっと切ってくれりゃあ、直ぐに片付くだろ」
「我を肉屋にする気か?」
「ちゃんと美味い角煮とワイン煮とか作ってやるから」
「ピューイ」
「うむ。エデンが楽しみにしているなら我も頑張ろう」
肉の解体が始まると朱里はサッサッとアルビーの所へ逃げ込みアルビーとエデンに肉の臭み消しのハーブを教えてもらいながら採取し、双子達はルーファスに解体作業を見学させられ、ルーファスに部位の説明を受けさせられリュエールは「うぇー・・・」となっていたが、逆にシュトラールは興味深々で聞きかじっていた。
肉処理されたライノピポカを氷で固め、グリムレインの背中に朱里とハガネとエデンが乗り、アルビーの上に獣化したルーファスと双子が乗って温泉大陸へ帰る。
冒険者ギルドで討伐証拠のライノピポカの尻尾を提出し、ルーファスとハガネと朱里が冒険者カードにポイントを貰い、報酬も受け取るとホクホクで戻り、グリムレインは肉を店の氷室倉庫へ詰め込むために先に戻り、ルーファスはライノピポカの角を【刻狼亭】へ持ち帰る為に出掛けて行き、ハガネと朱里と双子とアルビーとエデンは歩いて『女将亭』へ帰っていく。
「エデン、楽しかったね」
「ピューイ」
アルビーがエデンを頭に乗せながら沢山喋っている。
グリムレインもそうだが、ドラゴン達はエデンをとても大事にしている。
まだ朱里とは喋る事は出来ないが、ドラゴン達同士では話が出来るらしく、今回のライノピポカの討伐というより、角を採取する事になったのもエデンが古代書を見て、絵に書いてある鉱物はライノピポカの角だと教えてくれたからだった。
解呪の方なので知らないよりは良いだろうと、朱里に一緒に冒険に行こうと約束したことも合わせて、今回決行することになったのである。
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古代書の草についてはアルビーが似た様な草を自分が作った花図鑑と照らし合わせながら探している最中である。
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