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8章
家族の1枚目
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リロノスから2年10ヶ月分のスマートフォンの画像と朱里の付けた育児日記を読みながら産院で産後の体力回復を行っている。
「マジでうち、2年以上も・・・うわぁー・・・」
(カメラはどこ?ドッキリなやつどこだし?!)
スマートフォンの中の画像や動画はちゃんとした成長記録で、疑うのも難しい。
何より、リロノスの雰囲気や朱里の雰囲気が大人びて変わっていた。
髪の伸びた朱里に、朱里の産んだ子供達も大きくなっていた。
「うちのスマホ復活おめでとー!通話出来ないけど!」
ノリツッコミをしながらありすが、育児日記を読みながらスマートフォンと日付を見比べながら、鼻水をすする。
(うち、こんなの知らないし・・・)
自分の知らないところで時間が流れ、自分だけが取り残されている感じがする。
仕方がない事だと理解は出来ても、納得はしていない。
リリスを育ててくれて有り難うと、朱里やリロノスに言うべきなのに、どこかポッカリ穴が開いている。
ただ、嬉しい事もある。
リリスが自分と違って、片親状態でも親が常に一緒に居て育っている事。
ありすには両親が揃っていた記憶は少ないし、こんな風に温かい家庭の中に受け入れてもらった事もない。
子育てで一番不安だったのは、自分が子供にどう接していいか分からなくなること。
ありすは親から愛情を注いでもらった記憶が無い。
でも、リロノスのリリスへの愛情の掛け方を見て、自分一人で育てようとして不安になっていたことにも気づく。
(うちだけが親になるわけじゃないのに、肝心なところ忘れてたし)
「この写真はヤバいっしょ・・・リリちゃんマジ可愛い!」
スマートフォンを見ながらありすが「ヤバいヤバい」と何回目かのヤバいを口にする。
「うちの娘マジ天使!悪魔みたいな角あるけど!」
(リロっちの美人成分出まくりでマジ可愛いっしょー!)
荒んだ気持ちも段々と写真をスライドさせ自分の記憶の様に見直して胸に焼き付けていくと、胸が温かくなる。
リロノスがリリスをよく温泉大陸以外の土地へピクニックや魔物討伐に連れて行って2人だけの写真がある事が嬉しくなる。
『この日はリリスちゃんはお出掛け。詳しい事はリロノスさんに教えてもらってね。スマホの写真で思い出すんじゃないかな?』
育児日記に内容が書いていない日は、朱里が上記の様な事を書いているので、ありすもスマートフォンの画像を見ながら、何があったかを聞くのが楽しみになっている。
(何でリロっちはリリちゃん連れて魔物討伐してるし?!なぜに?!なにゆえ?!)
スマートフォンの自撮り写真がだんだん上手くなっているリロノスにありすが「リロっちマジいいパパだし」と笑みが漏れる。
育児日記に細かい事は書いてはあるが、朱里に教えてもらえないリロノスとリリスだけの話が教えて欲しい。
リロノスとリリスの二人だけの事が知りたい。
(うちもこれからは、この幸せ親子の一員になるし!)
ウキウキとする気持ちにリリスと上手くやっていけるかの不安も少しある。
「きっとうちなら大丈夫。だって、うちはお母さんなんだから」
ありすが産院から退院し、自分達の家に戻ると朱里が「宅配ピザです!」と退院祝いに双子を連れて駆けつけてきた。
少しだけ大人びている朱里に違和感もあるが、双子の息子を前にお母さんをしている姿を見ると納得もする。
ありすの知らない時間で朱里がお母さんになっていたのだと。
「アカリっち、宅配ピザとか女神っしょ!」
「ありすさんに食べてほしくて朝から焼いてました!」
「アカリっちがうちを好きすぎて困るー!」
きゃーと、声を上げながらありすと朱里が抱き合って声を上げてはしゃぐと子供達がポカンとした顔で2人を見上げる。
「ははうえー?」
「ははうえー?」
「はわっ、リューちゃんシューちゃん、そんな目で見ないでー」
朱里がきゃーと、両手で顔を覆うと、双子も同じ様に顔を隠して「きゃー」と声を上げている。
「・・・ありす、ちゃん・・・」
「ん?リリちゃん、おいでおいでー。うちとキャーしよ!」
もじもじと手を後ろに回してリリスがありすの所に行くかどうか迷っていると、ありすがリリスに抱きついて「きゃー」と、声を上げると、リリスも小さな声で「きゃ・・・」と声を出す。
(なんだろ?うちのリリちゃん、恥ずかしがり屋の天使なん?!)
「アリス、リリス。ピザが冷めてしまうよ?」
リロノスが笑いながら、ありすとリリスを見るとありすが「うちのスマホ!」と騒ぐ。
「リロっち!うちのスマホで記念の1枚目撮るし!」
リロノスがスマートフォンを持ってくると、ありすがリロノスに耳打ちする。
リロノスが頷き、リリスを椅子に座らせて、リロノスがリリスの左側からリリスの頬にキスをして、リリスの右からありすがリリスの頬にキスをして、スマートフォンに1枚写真を撮る。
これがありすの家族写真1枚目。
後にありすが【風雷商】に2年前に開発を頼み中断していたプリンターを開発するのに少々の年数を要したが、完成した最初にプリントアウトされて、ありすの家のリビングに飾られたのもこの写真だった。
「マジでうち、2年以上も・・・うわぁー・・・」
(カメラはどこ?ドッキリなやつどこだし?!)
スマートフォンの中の画像や動画はちゃんとした成長記録で、疑うのも難しい。
何より、リロノスの雰囲気や朱里の雰囲気が大人びて変わっていた。
髪の伸びた朱里に、朱里の産んだ子供達も大きくなっていた。
「うちのスマホ復活おめでとー!通話出来ないけど!」
ノリツッコミをしながらありすが、育児日記を読みながらスマートフォンと日付を見比べながら、鼻水をすする。
(うち、こんなの知らないし・・・)
自分の知らないところで時間が流れ、自分だけが取り残されている感じがする。
仕方がない事だと理解は出来ても、納得はしていない。
リリスを育ててくれて有り難うと、朱里やリロノスに言うべきなのに、どこかポッカリ穴が開いている。
ただ、嬉しい事もある。
リリスが自分と違って、片親状態でも親が常に一緒に居て育っている事。
ありすには両親が揃っていた記憶は少ないし、こんな風に温かい家庭の中に受け入れてもらった事もない。
子育てで一番不安だったのは、自分が子供にどう接していいか分からなくなること。
ありすは親から愛情を注いでもらった記憶が無い。
でも、リロノスのリリスへの愛情の掛け方を見て、自分一人で育てようとして不安になっていたことにも気づく。
(うちだけが親になるわけじゃないのに、肝心なところ忘れてたし)
「この写真はヤバいっしょ・・・リリちゃんマジ可愛い!」
スマートフォンを見ながらありすが「ヤバいヤバい」と何回目かのヤバいを口にする。
「うちの娘マジ天使!悪魔みたいな角あるけど!」
(リロっちの美人成分出まくりでマジ可愛いっしょー!)
荒んだ気持ちも段々と写真をスライドさせ自分の記憶の様に見直して胸に焼き付けていくと、胸が温かくなる。
リロノスがリリスをよく温泉大陸以外の土地へピクニックや魔物討伐に連れて行って2人だけの写真がある事が嬉しくなる。
『この日はリリスちゃんはお出掛け。詳しい事はリロノスさんに教えてもらってね。スマホの写真で思い出すんじゃないかな?』
育児日記に内容が書いていない日は、朱里が上記の様な事を書いているので、ありすもスマートフォンの画像を見ながら、何があったかを聞くのが楽しみになっている。
(何でリロっちはリリちゃん連れて魔物討伐してるし?!なぜに?!なにゆえ?!)
スマートフォンの自撮り写真がだんだん上手くなっているリロノスにありすが「リロっちマジいいパパだし」と笑みが漏れる。
育児日記に細かい事は書いてはあるが、朱里に教えてもらえないリロノスとリリスだけの話が教えて欲しい。
リロノスとリリスの二人だけの事が知りたい。
(うちもこれからは、この幸せ親子の一員になるし!)
ウキウキとする気持ちにリリスと上手くやっていけるかの不安も少しある。
「きっとうちなら大丈夫。だって、うちはお母さんなんだから」
ありすが産院から退院し、自分達の家に戻ると朱里が「宅配ピザです!」と退院祝いに双子を連れて駆けつけてきた。
少しだけ大人びている朱里に違和感もあるが、双子の息子を前にお母さんをしている姿を見ると納得もする。
ありすの知らない時間で朱里がお母さんになっていたのだと。
「アカリっち、宅配ピザとか女神っしょ!」
「ありすさんに食べてほしくて朝から焼いてました!」
「アカリっちがうちを好きすぎて困るー!」
きゃーと、声を上げながらありすと朱里が抱き合って声を上げてはしゃぐと子供達がポカンとした顔で2人を見上げる。
「ははうえー?」
「ははうえー?」
「はわっ、リューちゃんシューちゃん、そんな目で見ないでー」
朱里がきゃーと、両手で顔を覆うと、双子も同じ様に顔を隠して「きゃー」と声を上げている。
「・・・ありす、ちゃん・・・」
「ん?リリちゃん、おいでおいでー。うちとキャーしよ!」
もじもじと手を後ろに回してリリスがありすの所に行くかどうか迷っていると、ありすがリリスに抱きついて「きゃー」と、声を上げると、リリスも小さな声で「きゃ・・・」と声を出す。
(なんだろ?うちのリリちゃん、恥ずかしがり屋の天使なん?!)
「アリス、リリス。ピザが冷めてしまうよ?」
リロノスが笑いながら、ありすとリリスを見るとありすが「うちのスマホ!」と騒ぐ。
「リロっち!うちのスマホで記念の1枚目撮るし!」
リロノスがスマートフォンを持ってくると、ありすがリロノスに耳打ちする。
リロノスが頷き、リリスを椅子に座らせて、リロノスがリリスの左側からリリスの頬にキスをして、リリスの右からありすがリリスの頬にキスをして、スマートフォンに1枚写真を撮る。
これがありすの家族写真1枚目。
後にありすが【風雷商】に2年前に開発を頼み中断していたプリンターを開発するのに少々の年数を要したが、完成した最初にプリントアウトされて、ありすの家のリビングに飾られたのもこの写真だった。
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