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7章
式典への入場
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ありすとリロノスの愛の巣という名の家から、白い着物に赤い帯、襟首に黒い狼の模様の上に金糸で【刻狼】の文字が入った物に袖を通し、髪には赤い飾り紐に白い猫の形の髪飾りを付け、薄化粧に目元に赤いアイシャドウを小さく入れた朱里が黒い【刻狼亭】の着物を着たルーファスと出てくる。
ちなみに魔国では女性が目元に赤いシャドウをしている場合は既婚者だとありすが言っていたので朱里もそれに倣ってアイシャドウを入れている。
「式典、緊張してきました」
「大丈夫だ。式典は大方お偉いさんの話を聞いてるだけだ。オレ達はあくまで招待客だからな、飲み物でも飲んで適当に時間をつぶせばいい」
「ルーファスの側から離れませんからね?一人にしないでくださいね?」
「わかった。アカリもウロウロしてオレから離れないようにな?」
「離れたら腕輪で連絡します!」
「ん。そうしてくれ」
ルーファスと朱里が手を繋ぎながら、大きな通りまで歩いて行くと豪華な魔獣の引く馬車が停まる。
中からリロノスとありすが白い衣装を着て正式な【魔王】と【聖女】という出で立ちで乗って、従者としてマデリーヌが赤い騎士服で朱里に手を貸しながら馬車に乗せて御者席へ座り、ルーファスは馬車に手をかけるとそのまま乗り込んで朱里の隣りを陣取る。
「ありすさん、体調は大丈夫ですか?」
「大丈夫っしょ。ミントタブレットも飲んだし、ここで下手は打てないっしょ」
朱里とありすがお互いに手を繋ぎながら「頑張ろう」と気合を入れると、お互いの旦那様に「ほどほどに」と、注意を受ける。
「シノノメは【聖女】らしく、大人しくね」
「わかったっしょ」
「アカリはオレとシノノメから離れないこと」
「わかってます。見知らぬ土地で迷子は嫌ですから」
ルーファスが自分の着物の懐から耳飾りを出すと朱里の耳に魔力を通しながら付ける。
真珠に似た耳飾りは朱里の姿を少し変化させる。
「アカリっちは大人になると可愛い系から綺麗系になるのズルいっしょ!」
「ううっ、自分じゃどんな姿になってるかわからないんですよ?」
ありすにズルいと、言われてもこれは朱里の10年後の姿なのでどういわれても仕方がない。
鏡などを通すと16歳の朱里のままだが、人の目には10年後の朱里が見える耳飾りで、今回、朱里が正式に招待された時に交流がある魔国では替え玉を使うわけにもいかず、ルーファスが死蔵品の中から探し当てたのがこの10年後の姿を映し出す「無意味で無駄なアイテム」と、言われてホコリを被っていたアイテムである。
朱里をあまり人前に出したくはないルーファスではあるが、朱里自身がありすに会いたいと駄々をこねた事もあって、替え玉を押し通すことが出来なかったのもある。
「ルーファス、背は、身長はどうなっていますか?」
ルーファスにズイっと朱里が顔を近づけて期待の目を向ける。
「んっ、綺麗だぞ」
「いえ、背です!背丈はどうなってますか?」
「大丈夫だ。可愛いから」
「・・・ありすさん!私の背はどうなってますか?」
ルーファスではらちが明かないと、ありすに朱里がシフトチェンジすると、ありすはありすで少し目をそらす。
「多分、伸びているんじゃないかな?とは思うけど、それよりも別の場所がまだ育ってるのがうちは気になるっしょ!何なんっしょ!うらやまけしからんっしょ!」
ビシッと、ありすが朱里を指さすと朱里が「どこを指さしてるのー!」と騒いで自分の手で自分の体を隠そうときゃーきゃー騒いで御者席からマデリーヌに「大丈夫ですか?」と声をかけられて慌てて静かになったぐらいだった。
「ううっ・・・私の身長・・・」
朱里がしゅんと、しょげている間に馬車は港町へ到着する。
馬車の中にも聞こえる人々のざわめく声にリロノスが胃に手を当てながら深呼吸をすると「出るぞ」と、マデリーヌに声を掛け、マデリーヌが馬車の扉を開けると、ザッと音がし、騎士団服を着た隊員達が馬車の前で道を作って整列している。
「さぁ、シノノメ行こう」
「頑張るし!」
ありすの手を取ってリロノスが馬車を降りると、ファンファーレの様な音が鳴り響く。
「リロノス・ディア・ロードミリオン魔王閣下のご来場」
拡声器の様な魔法が響き渡り、リロノスの入場を知らせる声が響く。
「【聖女】アリス・シノノメ様だわ」
「聖女様ー!!」
ワッと【聖女】を称える様に声が一斉に溢れる。
人々の歓声にリロノスとありすが笑顔で答えながら馬車の前で手を伸ばす。
リロノスは朱里の手を取り、馬車から降ろし、ありすはルーファスの手を取り馬車から降ろす。
魔国と温泉大陸の友好関係を示す行為としての演出ではあるが、ありすと朱里がお互いの旦那様と手を繋ぎながら、ありすと朱里も手を繋いで仲良く歩き始める。
ちなみに魔国では女性が目元に赤いシャドウをしている場合は既婚者だとありすが言っていたので朱里もそれに倣ってアイシャドウを入れている。
「式典、緊張してきました」
「大丈夫だ。式典は大方お偉いさんの話を聞いてるだけだ。オレ達はあくまで招待客だからな、飲み物でも飲んで適当に時間をつぶせばいい」
「ルーファスの側から離れませんからね?一人にしないでくださいね?」
「わかった。アカリもウロウロしてオレから離れないようにな?」
「離れたら腕輪で連絡します!」
「ん。そうしてくれ」
ルーファスと朱里が手を繋ぎながら、大きな通りまで歩いて行くと豪華な魔獣の引く馬車が停まる。
中からリロノスとありすが白い衣装を着て正式な【魔王】と【聖女】という出で立ちで乗って、従者としてマデリーヌが赤い騎士服で朱里に手を貸しながら馬車に乗せて御者席へ座り、ルーファスは馬車に手をかけるとそのまま乗り込んで朱里の隣りを陣取る。
「ありすさん、体調は大丈夫ですか?」
「大丈夫っしょ。ミントタブレットも飲んだし、ここで下手は打てないっしょ」
朱里とありすがお互いに手を繋ぎながら「頑張ろう」と気合を入れると、お互いの旦那様に「ほどほどに」と、注意を受ける。
「シノノメは【聖女】らしく、大人しくね」
「わかったっしょ」
「アカリはオレとシノノメから離れないこと」
「わかってます。見知らぬ土地で迷子は嫌ですから」
ルーファスが自分の着物の懐から耳飾りを出すと朱里の耳に魔力を通しながら付ける。
真珠に似た耳飾りは朱里の姿を少し変化させる。
「アカリっちは大人になると可愛い系から綺麗系になるのズルいっしょ!」
「ううっ、自分じゃどんな姿になってるかわからないんですよ?」
ありすにズルいと、言われてもこれは朱里の10年後の姿なのでどういわれても仕方がない。
鏡などを通すと16歳の朱里のままだが、人の目には10年後の朱里が見える耳飾りで、今回、朱里が正式に招待された時に交流がある魔国では替え玉を使うわけにもいかず、ルーファスが死蔵品の中から探し当てたのがこの10年後の姿を映し出す「無意味で無駄なアイテム」と、言われてホコリを被っていたアイテムである。
朱里をあまり人前に出したくはないルーファスではあるが、朱里自身がありすに会いたいと駄々をこねた事もあって、替え玉を押し通すことが出来なかったのもある。
「ルーファス、背は、身長はどうなっていますか?」
ルーファスにズイっと朱里が顔を近づけて期待の目を向ける。
「んっ、綺麗だぞ」
「いえ、背です!背丈はどうなってますか?」
「大丈夫だ。可愛いから」
「・・・ありすさん!私の背はどうなってますか?」
ルーファスではらちが明かないと、ありすに朱里がシフトチェンジすると、ありすはありすで少し目をそらす。
「多分、伸びているんじゃないかな?とは思うけど、それよりも別の場所がまだ育ってるのがうちは気になるっしょ!何なんっしょ!うらやまけしからんっしょ!」
ビシッと、ありすが朱里を指さすと朱里が「どこを指さしてるのー!」と騒いで自分の手で自分の体を隠そうときゃーきゃー騒いで御者席からマデリーヌに「大丈夫ですか?」と声をかけられて慌てて静かになったぐらいだった。
「ううっ・・・私の身長・・・」
朱里がしゅんと、しょげている間に馬車は港町へ到着する。
馬車の中にも聞こえる人々のざわめく声にリロノスが胃に手を当てながら深呼吸をすると「出るぞ」と、マデリーヌに声を掛け、マデリーヌが馬車の扉を開けると、ザッと音がし、騎士団服を着た隊員達が馬車の前で道を作って整列している。
「さぁ、シノノメ行こう」
「頑張るし!」
ありすの手を取ってリロノスが馬車を降りると、ファンファーレの様な音が鳴り響く。
「リロノス・ディア・ロードミリオン魔王閣下のご来場」
拡声器の様な魔法が響き渡り、リロノスの入場を知らせる声が響く。
「【聖女】アリス・シノノメ様だわ」
「聖女様ー!!」
ワッと【聖女】を称える様に声が一斉に溢れる。
人々の歓声にリロノスとありすが笑顔で答えながら馬車の前で手を伸ばす。
リロノスは朱里の手を取り、馬車から降ろし、ありすはルーファスの手を取り馬車から降ろす。
魔国と温泉大陸の友好関係を示す行為としての演出ではあるが、ありすと朱里がお互いの旦那様と手を繋ぎながら、ありすと朱里も手を繋いで仲良く歩き始める。
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