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6章
冬の雛
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「アパー!アパパー!」
温泉鳥のササマキちゃんがもっふりとした雛らしい毛玉で屋敷内を走り回っている。
初めて会った時は手の平に乗るサイズだったのが、ほんの少し大きくなって両手サイズになっているけど、まだ雛らしいモフモフさで羽根というより、モコ毛。
ハガネが半冬眠状態にしびれを切らしたのか、【刻狼亭】のハガネが作ったササマキちゃんハウスから、このお屋敷に忍び込み、お屋敷の結界を蹴破って入って来た時は、ルーファスも小さな侵入者に気付かずに戦闘態勢で殺気立って飛び出したのだけど・・・。
まぁ侵入者が見つからずに焦って私に「逃げろ」って騒いだ時は驚きました。
ハガネを叩き起こして私を守らせようとしたら・・・ハガネの部屋の前で騒ぐ、侵入者を発見したわけです。
ルーファスの脱力と、自分の作った結界が温泉鳥の雛に破られた事にショックも受けていて、数日程、結界を新しく練り直す為に籠りたいと、【刻狼亭】から私の護衛の為に従業員の人が3名泊まりに来ています。
「アパーッ!パッパッ!」
パンを咥えてはハガネの部屋に持っていき、ハガネの口にパンを押し込んでいるササマキちゃんの姿はとても可愛いのだけれど・・・ハガネがむせ返りながら起きるのを繰り返しているのには同情しかありません。
うん。ササマキちゃん、程々にするのですよ?
「健気ですよね。ササマキ」
栗毛のくせっ毛を一つ縛りにした製薬担当の副責任者のテッチ・ワールミーがツリ目の緑目を細めながら、ササマキちゃんが走り回る姿を目で追っている。
「愛だよねー。ハガネに過去に『番』の人が居なきゃササマキちゃんが『番』かと思うくらいです」
私の言葉にテッチがお腹を抱えて笑っているけど、割りと私は本気なのですけどね?
テッチと一緒にサロンルームの大きなテーブルを使い乾燥させたハーブ同士を混ぜ合わせてハーブティーをブレンドしながら30cm程のガラス瓶に詰めていき、幾つかのブレンドティーを作成中です。
ルーファスに新しく作る【刻狼亭】は私のお店にしなさいと言われたので試験がてらにハーブティーとか色々作って納得がいけばお店に出せないかな?と、テッチに協力してもらって作っている最中なのです。
色々やりたいこともあるのだけど、私にも未知なものは手が出せないので、わかる範囲ではこのぐらいが精々。
「ササマキー!ササマキどこだー!アカリ、ササマキを知らないか?」
ルーファスが床を見ながらサロンルームに顔を出すと、ルーファスの後ろを「アパパー!」と、言いながらササマキちゃんが爆走して走り去る。
ルーファスがすかさずササマキちゃんを追って走り出す。
「ササマキ!今度こそお前に破れない結界のはずだ!」
遠くでルーファスの声がして「パーッ!」と、ササマキちゃんの元気な声がしている。
中々にササマキちゃんは結界を蹴破るプロの様で、パリンパリンと割られてルーファスがかなり苦労しているみたい。
「若旦那も手を焼いているみたいですね」
「そうみたい。蹴破られないだけなら出来るんだけど、小さい結界しか作れないから、お屋敷を包み込むとなると、もっと魔法を組み替える必要があるみたいで・・・あっ、破られた・・・あらら」
パシュンと、音がしてお屋敷の結界が破られた音がする。
これはまたルーファスが籠りきりで練り直しなんだろうなぁ・・・。
ハーッ・・・と、ため息をつきながらルーファスがサロンルームに戻ってきて、吸い寄せられるように私の頭に顔を埋めて抱きしめてくる。
「また蹴破られた・・・これはオレの結界ではなくササマキ自身の能力なのか?と、疑いたくなるくらいだ」
「小さな動物には結界効かないのかもしれないですよ?元気出して」
「あ、若旦那。ササマキ以外の温泉鳥でも同様の結界破りが出来るのか試してみるのはどうですか?」
「ああ、試してみる価値はあるな」
ルーファスが私の頬にキスをしてから、善は急げとばかりにお屋敷を出ていく。
ルーファスが出掛けて直ぐ、遠くで「ギャイーン!!!」と声が上がったので、今日も襲撃者がルーファスのストレス発散の犠牲になったようです。
今日のはササマキちゃんに結界を破られたストレスも追加されているはずなので、少し心配ですね。
ササマキちゃん対策の結界を練り直し中なので、このお屋敷、今現在は結界が張られていなくて、屋敷の表に1人従業員が立っていて、裏手にも1人従業員が立っている状態です。
テッチは戦闘要員ではないけれど、私よりかは戦えるのですよ。
薬品を使っての戦闘専門なので、そうなったら薬物耐性の無い私は巻き込まれたら寝込むことは確実です。
なるべく戦闘にならない事を祈るばかりですね。
温泉鳥のササマキちゃんがもっふりとした雛らしい毛玉で屋敷内を走り回っている。
初めて会った時は手の平に乗るサイズだったのが、ほんの少し大きくなって両手サイズになっているけど、まだ雛らしいモフモフさで羽根というより、モコ毛。
ハガネが半冬眠状態にしびれを切らしたのか、【刻狼亭】のハガネが作ったササマキちゃんハウスから、このお屋敷に忍び込み、お屋敷の結界を蹴破って入って来た時は、ルーファスも小さな侵入者に気付かずに戦闘態勢で殺気立って飛び出したのだけど・・・。
まぁ侵入者が見つからずに焦って私に「逃げろ」って騒いだ時は驚きました。
ハガネを叩き起こして私を守らせようとしたら・・・ハガネの部屋の前で騒ぐ、侵入者を発見したわけです。
ルーファスの脱力と、自分の作った結界が温泉鳥の雛に破られた事にショックも受けていて、数日程、結界を新しく練り直す為に籠りたいと、【刻狼亭】から私の護衛の為に従業員の人が3名泊まりに来ています。
「アパーッ!パッパッ!」
パンを咥えてはハガネの部屋に持っていき、ハガネの口にパンを押し込んでいるササマキちゃんの姿はとても可愛いのだけれど・・・ハガネがむせ返りながら起きるのを繰り返しているのには同情しかありません。
うん。ササマキちゃん、程々にするのですよ?
「健気ですよね。ササマキ」
栗毛のくせっ毛を一つ縛りにした製薬担当の副責任者のテッチ・ワールミーがツリ目の緑目を細めながら、ササマキちゃんが走り回る姿を目で追っている。
「愛だよねー。ハガネに過去に『番』の人が居なきゃササマキちゃんが『番』かと思うくらいです」
私の言葉にテッチがお腹を抱えて笑っているけど、割りと私は本気なのですけどね?
テッチと一緒にサロンルームの大きなテーブルを使い乾燥させたハーブ同士を混ぜ合わせてハーブティーをブレンドしながら30cm程のガラス瓶に詰めていき、幾つかのブレンドティーを作成中です。
ルーファスに新しく作る【刻狼亭】は私のお店にしなさいと言われたので試験がてらにハーブティーとか色々作って納得がいけばお店に出せないかな?と、テッチに協力してもらって作っている最中なのです。
色々やりたいこともあるのだけど、私にも未知なものは手が出せないので、わかる範囲ではこのぐらいが精々。
「ササマキー!ササマキどこだー!アカリ、ササマキを知らないか?」
ルーファスが床を見ながらサロンルームに顔を出すと、ルーファスの後ろを「アパパー!」と、言いながらササマキちゃんが爆走して走り去る。
ルーファスがすかさずササマキちゃんを追って走り出す。
「ササマキ!今度こそお前に破れない結界のはずだ!」
遠くでルーファスの声がして「パーッ!」と、ササマキちゃんの元気な声がしている。
中々にササマキちゃんは結界を蹴破るプロの様で、パリンパリンと割られてルーファスがかなり苦労しているみたい。
「若旦那も手を焼いているみたいですね」
「そうみたい。蹴破られないだけなら出来るんだけど、小さい結界しか作れないから、お屋敷を包み込むとなると、もっと魔法を組み替える必要があるみたいで・・・あっ、破られた・・・あらら」
パシュンと、音がしてお屋敷の結界が破られた音がする。
これはまたルーファスが籠りきりで練り直しなんだろうなぁ・・・。
ハーッ・・・と、ため息をつきながらルーファスがサロンルームに戻ってきて、吸い寄せられるように私の頭に顔を埋めて抱きしめてくる。
「また蹴破られた・・・これはオレの結界ではなくササマキ自身の能力なのか?と、疑いたくなるくらいだ」
「小さな動物には結界効かないのかもしれないですよ?元気出して」
「あ、若旦那。ササマキ以外の温泉鳥でも同様の結界破りが出来るのか試してみるのはどうですか?」
「ああ、試してみる価値はあるな」
ルーファスが私の頬にキスをしてから、善は急げとばかりにお屋敷を出ていく。
ルーファスが出掛けて直ぐ、遠くで「ギャイーン!!!」と声が上がったので、今日も襲撃者がルーファスのストレス発散の犠牲になったようです。
今日のはササマキちゃんに結界を破られたストレスも追加されているはずなので、少し心配ですね。
ササマキちゃん対策の結界を練り直し中なので、このお屋敷、今現在は結界が張られていなくて、屋敷の表に1人従業員が立っていて、裏手にも1人従業員が立っている状態です。
テッチは戦闘要員ではないけれど、私よりかは戦えるのですよ。
薬品を使っての戦闘専門なので、そうなったら薬物耐性の無い私は巻き込まれたら寝込むことは確実です。
なるべく戦闘にならない事を祈るばかりですね。
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