黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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5章

家出と小鳥 ※R18

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 応接間からルーファスに連れ出され、自分の部屋のソファの上で毛布にモコモコに包まりながら朱里がプリプリとまだ怒っていた。

 「番って1人に1人って聞いたけど、愛人みたいなのはありなの?」
「それは人それぞれだが、番が居るのに愛人を持つ奴はただの色狂いだろ?」
「いろぐるい?」

「・・・あー、そういえばアカリは変な所でこういう言葉は知らない子だったな」

 よしよしと朱里の頭を撫でながらルーファスが毛布ごと朱里を抱きしめる。
ニュアンス的に何となくわかる様な判らないような言葉に朱里が首をひねる。

「まぁ、要はスケベな奴って事だ」
「じゃあ、リロノスさんはスケベな人?」
「それはどうだろうな?あいつの番への想いはそれ程軽くはないだろう?」
「でも、ありすさん以外の人と子供作ろうとしてる!」

 許すまじ!と、朱里が怒るのをルーファスが駄々っ子を落ち着かせるように手でポンポンを叩く。

 「アカリ、怒るのも最もだが、それ以上怒るとアカリは熱を出すから心配だ」
「だって・・・浮気はダメ。好きな人を大事にしないのはダメ」
「オレもそう思う」

 朱里が不安そうな目でルーファスを見上げてから、ふぅ。と、息を吐く。

 「どうした?怒りつかれたのならベッドで横になるか?」
「ううん。気持ちの浮き沈みで体調崩すのは最近ないし、大丈夫だよ」

 この世界に来たばかりの頃は気持ちの浮き沈みで熱を出しては寝込んでルーファスに心配をさせていたり、少し前に風邪で死にかけたのもあって、非常に心配症になっているルーファスは何かと朱里を休ませようとする。

 「ルーファスは、浮気しない?」
「前にも言ったが、アカリと番った時から不誠実な事は持ち込まない」
「昔の彼女とかいきなり出て来て私と取り合いとかならない?」
「出てきてもアカリの圧勝だな。オレの番は怒ると怖いからな」
「ルーファス!ひどい!」

朱里が毛布からバッと両手を出してルーファスの腕をぺしぺし叩く。

「オレの番が可愛い。やはり番以外は要らないな」

ルーファスが満足そうに言って、朱里の首筋に顔を埋めると軽く噛みながら唇でキツク吸い上げる。

「ひゃっ・・・んっ。駄目だよ?ありすさん達も居るんだし」
「大丈夫だ。シノノメはアルビーと2階に行ったようだし、ハガネはリロノスと一緒に応接間に居る様だからな」

ルーファスが三角耳をピコッと動かして朱里に笑って見せる。

カシュクールワンピースの胸の合わせからルーファスの手が忍び込み胸をシャツ越しに揉み上げてくる。

「駄目だってば・・・んっ、あっ」
「駄目といわれてもな。アカリの怒った顔が可愛かったからな」

 首筋に吸い付かれる度にゾクゾクして小さく震える朱里が「メッ!」とルーファスに声を出すと、くるんと体制を変えられソファに押し倒される。

「その「メッ」って言うのがそそるんだが・・・わざとか?」

 首を少しかしげてルーファスは笑うとふさふさの尻尾が機嫌よく左右に揺れる。
朱里が顔を赤くしながら首をふると、ルーファスの手が毛布を剥ぎ取って床に落とし、朱里の足首から上へと手を這わせてふくらはぎから太股を撫で上げる。

 少し前まで肉付きが良くなかった朱里ではあったが最近また少しだけ竜人に捕まる前の頃の肉付きに戻ってきた。
欲を言えばもう少し欲しい所だが、屋敷の中と庭くらいしか動き回らないのでお腹がそんなに空くことも無いらしく、食事量が増えもせず体重維持のままだったりする。
3時のおやつぐらいしか太らせる機会がなかなかないが、残念ながら本日はありすが来たおかげで1口くらいしか食べずに終わっている。

 「さっきみたいに、キス、してる時にドア開けられたりしたらどうするの!もぉー駄目ったら!駄目!」

 足をジタバタさせて朱里が抵抗を始める為に、ルーファスもやれやれ。と、手の上で小さな四角い箱の様な物を握りつぶす。
カシュンと、小さな音がすると窓がガタガタと揺れながら雨が窓を打ち付ける音がする。

「なに・・・?」
「んっ、結界をこの部屋だけに施す。他の人間は入ってこれない様にしたら問題はないだろう?」
「駄目だよ!ありすさんも雷怖いから・・・ッ!キャアアアアア!」
言葉が言い終わる前に雷の音が鳴り朱里がルーファスに抱き着いて小さく身を震わせると、ルーファスの意地の悪そうな目と目が合う。

 「アカリは高い所と雷と怖い物が多いな。まぁ可愛くて良いが」
「良くないの!早く結界元に戻してぇー!」
 少しパニック気味に朱里がルーファスを揺さぶると、ルーファスが再び四角い箱を手に出して広げると、窓を叩く雨音もしなくなり、雷の音も消えていた。

「アカリ、部屋の鍵を閉めるから手を離してくれるか?」
「うん」

 朱里がルーファスの体から手を放すと、ルーファスが朱里の頭を撫でてドアの施錠をしに行く。
ドアの施錠をしてソファに戻ると朱里が少し頬を染めながら両手を広げる。
朱里に誘われるように朱里の腕の中に捕獲されて、そのまま朱里と口づけを交わして、歯列をなぞり薄く開いた口の中に舌を忍び込ませれば、ぎこちない舌使いで答える朱里の舌に尻尾が左右に揺れる。

 「あっふっ・・・んぁっ」

 いつもより小さな声で朱里が反応を示すと黒曜石に似た朱里の目が少しずつ潤んでいく。
朱里のワンピースのスカート部分から手を侵入させて、下着越しに弄れば朱里が両足を少し絡めながら手から逃げようとする。
下着越しに少しの湿り気が判る。
指でツイーッと割れ目をなぞれば朱里がビクッと体を震わせる。

「んーっ、ゃぁ・・・っ」
「アカリもしたかったみたいだな。しっかり濡れてる」
「っ!そういう事言わないでぇ・・・っん」

再びキスを再開させて下着の中に手を入れて、朱里の秘部に指を侵入させるとキスをした口の中で小さく喘ぐ声がルーファスの耳に心地よく響く。

「んーっ、んっ、んっ」

増やした指で蜜口から溢れ出す蜜を指に絡めて滑りが良くなるように円状にぐるぐると掻き回すと、朱里の両足が再び逃げようとするのを両足を押し広げ二つに折り曲げる。

押し広げられた体勢に朱里の肉壺がヒクつくと下着を横にずらしてルーファスが熱く猛った硬い物を押し当てて挿入させる。

「あぅぅっ、ゃぁっ、おっきい」
「少し馴染むまでこのままで良いか」
「んっ、硬いの当たってる、ゃぁ・・・っ」

 ヒクヒクと朱里の蜜口がヒクつき、たまにギューッとした締め付けが肉棒を奥へと誘う。
朱里が目を潤ませながら小さく首筋をルーファスに誘う様に見せつける。
ルーファスが首元に吸い付けば、体勢上、男根が膣内に深く侵入させることになり朱里が唇を震わせる。

 番のフェロモンが首筋が脈打つたびにすると、獣人で鼻の良いルーファスは誘われるまま理性が効かなくなるのを承知なのか?天然なのか?

「きゃぅっ、んっ、奥きてる・・・あっ、すごっ」
「っ、アカリは天然で策士か?」
「んっ?あはっ、ルーファスが中にある・・・あっんっ」

 朱里の両腕を下に引き下ろして更に深く繋がると朱里が目を閉じて口元が小さく開き小さな舌が唇を舐める。
無意識に朱里がするしぐさ1つ1つに魅力を感じるのは、朱里がルーファスの番だからなのか悩むところだ。

朱里の小さな体と繋がった日から、抱いても飽きもこず、一緒に居るだけで幸せを感じる存在。
ここまで極上の快感はすごいの一言に尽きる。

腰を動かして朱里の最奥を突けば朱里が悲鳴に似た嬌声をあげて鳴いてみせる。

「きゃぅぅぅっ!!」

こんなに可愛く自分の下で鳴く番という小鳥を逃がすなんて愚かな事だ。
可愛がって喜ぶ姿が見れるだけで幸せな気持ちに満たされる。

リロノスの気持ちはやはりルーファスには解らない。

朱里の言う様に、浮気は駄目だ。好きな人を大事にしないのは駄目だ。
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