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4章
遺跡探索
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砂漠大陸 旧バステト王国跡地。
砂漠に埋まった王国の跡地に沈む遺跡の壁の絵と文字を製薬部隊の責任者マグノリア・ミルが書き洩らさない様に丁寧に紙に書き写していく。
「マグノリア室長、この壁画って大事ですか?」
「【病魔】関係なさそうですけど?」
「そんな事言ってないで手を動かせよ」
製薬部隊のロタルス・ウェイト・ピルマーが口々に物を言いながらマグノリアとは違う壁画を書き写している。
「この壁画の絵をよく見なさい。【夜】が描かれている」
崩れた壁画の少しズレた場所に黒い猿の絵が描かれ、人を襲い黄色の人型にする絵が描かれている。
3人がマグノリアの指さす壁画をみながら頷いて、自分の担当している壁画をじっくりと見ながら壁画を模写する作業を進める。
「タマホメ、足は大丈夫か?」
シュテンがタマホメの足に朱里のポーションをかけながら新しい包帯を巻いていく。
タマホメは少し痛そうな顔をして血の気の無い顔で笑って見せる。
「平気だよ。ヒナちゃんにも連絡取れたし、後は何とか持たせるだけだよ」
「お前は・・・無茶ばかりして」
【夜】に襲われ、足を噛みつかれた時に【病魔】が入り込み、足の肉が黒く変色したがポーションの残数が少なかったこともあり、食われた箇所を切り離して【病魔】の進行を押さえるという無謀行為でタマホメのふくらはぎは肉がこそぎ落とされている状態になっている。
朱里のポーションで【病魔】は心配なくなったが、肉を戻すための回復までは至っていない。
「私の回復魔法の肉体再生はかなり魔力を使うから帰る目途が着くまでは施してあげられない。悪いけどもう少し頑張りなさいリトル・レディ」
ギルが2人に声を掛けてから、倒しても倒しても沸いてくる【夜】を相手に聖水を手で作り足にかけると【夜】を相手に蹴り攻撃で粉砕していく。
「主、この奥の祭壇から変な気配がする!先に入っていいか?」
人型になった黒ドラゴンのネルフィームがギルに声を掛けながら既に祭壇の奥へ壁を蹴り上げて侵入を試みている。
ギルが手から聖水を作り、ネルフィームの拳に巻いた布と足巻いた布に聖水を投げかけて手を振る。
「製薬の子達が困らない程度に暴れておいで」
「判った。聖水が無くなったら戻る」
「私、聖水役としてついていきます!」
水人族のヨルンがネルフィームを追って祭壇の方へ走っていくと、ネルフィームがヨルンを待って立ち止まる。
2人が祭壇の方へ姿を消すとギルが薄く笑いながら肩を鳴らす。
「さて、体も温まりましたし、私も暴れましょうか」
素早い足取りでギルが1匹の【夜】を掴むと他の【夜】を巻き込んで足で貫いていく。
派手な破壊音を立ててギルが暴れ始め【夜】の壊された体が砂上に砕け散り遺跡内に乾いた音を立てる。
「マグノリア室長・・・後ろを振り返ったらいけない気がするんだけど」
「破壊音が怖い・・・遺跡崩ししている気がします」
「まぁ、おれ等守ってもらってるんだし文句言わない」
製薬組みの3人が話しながら手を進めていると、マグノリアが描きあがった紙を乾燥魔法で乾かし、丁寧にカバンに仕舞い込む。
「さて、私は終わったよ。君達も早く書いてしまわないとギルに壊されてしまうよ」
弟子達を急かして丸メガネを上げるとマグノリアはタマホメとシュテンの元へ歩いていく。
「痛み止めをすぐに調合するから待っていなさい」
「苦くないやつにしてほしいの!」
「タマホメ、我が儘を言うな。マグノリアとにかく痛みを取ってやってくれ」
シュテンにしがみつきながらタマホメが泣き言を口にすると、マグノリアがカバンから薬草を取り出して乳鉢ですり潰しながら魔法水を手で出し魔法をかけていく。
薄い琥珀色の液体が出来るとマグノリアがタマホメに差し出す。
「苦くはないですよ」
おずおずとタマホメが乳鉢の中身を口にすると、ブフーッと口から飛ばしてむせ返る。
「ゲホッ、酷いの!嘘つきなの!うぇーっ・・・ゲフッ」
「苦くはないでしょう?多少、酸っぱいだけですよ」
「苦い方がマシなの!!」
うぇぇぇっと泣き出したタマホメにシュテンがよしよしと頭を撫でながらマグノリアにジト目を向けて非難をするがマグノリアは乳鉢の中に小瓶から蜂蜜を出して入れ込み、くすくす笑っている。
「初めからそうしてくれ・・・」
シュテンがマグノリアを見ながら「これだからうちの【刻狼亭】は根性が悪いと噂されるんだ」と独り言ちる。
「マグノリア室長!描き終わりましたー!」
3人が褒めてくれー!と言わんばかりに描きあがった紙をマグノリアに差し出し、マグノリアが壁画と見比べながら頷いてカバンに入れ込む。
「はい。私の方も終わりましたよ」
カツンと、足音を軽く立ててギルがズボンを少し手で払いながらニッコリと笑顔を向ける。
「さて、それでは祭壇の方へ移動しましょうか?」
マグノリアがカバンを持ち直すと、試薬部隊の3人も荷物を素早く片付けてカバンを背に背負ってマグノリアの後に続く。
「タマホメ、行けるか?」
「平気だよ」
シュテンがタマホメを抱き上げ青い鬼火を祭壇の方へ灯り代わりに飛ばしていく。
祭壇の壁はネルフィームが壊して突き進んだ破壊あとが広がり、進んだ先には大きく口を開いた広大な黒い床が広がっていた。
砂漠に埋まった王国の跡地に沈む遺跡の壁の絵と文字を製薬部隊の責任者マグノリア・ミルが書き洩らさない様に丁寧に紙に書き写していく。
「マグノリア室長、この壁画って大事ですか?」
「【病魔】関係なさそうですけど?」
「そんな事言ってないで手を動かせよ」
製薬部隊のロタルス・ウェイト・ピルマーが口々に物を言いながらマグノリアとは違う壁画を書き写している。
「この壁画の絵をよく見なさい。【夜】が描かれている」
崩れた壁画の少しズレた場所に黒い猿の絵が描かれ、人を襲い黄色の人型にする絵が描かれている。
3人がマグノリアの指さす壁画をみながら頷いて、自分の担当している壁画をじっくりと見ながら壁画を模写する作業を進める。
「タマホメ、足は大丈夫か?」
シュテンがタマホメの足に朱里のポーションをかけながら新しい包帯を巻いていく。
タマホメは少し痛そうな顔をして血の気の無い顔で笑って見せる。
「平気だよ。ヒナちゃんにも連絡取れたし、後は何とか持たせるだけだよ」
「お前は・・・無茶ばかりして」
【夜】に襲われ、足を噛みつかれた時に【病魔】が入り込み、足の肉が黒く変色したがポーションの残数が少なかったこともあり、食われた箇所を切り離して【病魔】の進行を押さえるという無謀行為でタマホメのふくらはぎは肉がこそぎ落とされている状態になっている。
朱里のポーションで【病魔】は心配なくなったが、肉を戻すための回復までは至っていない。
「私の回復魔法の肉体再生はかなり魔力を使うから帰る目途が着くまでは施してあげられない。悪いけどもう少し頑張りなさいリトル・レディ」
ギルが2人に声を掛けてから、倒しても倒しても沸いてくる【夜】を相手に聖水を手で作り足にかけると【夜】を相手に蹴り攻撃で粉砕していく。
「主、この奥の祭壇から変な気配がする!先に入っていいか?」
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ギルが手から聖水を作り、ネルフィームの拳に巻いた布と足巻いた布に聖水を投げかけて手を振る。
「製薬の子達が困らない程度に暴れておいで」
「判った。聖水が無くなったら戻る」
「私、聖水役としてついていきます!」
水人族のヨルンがネルフィームを追って祭壇の方へ走っていくと、ネルフィームがヨルンを待って立ち止まる。
2人が祭壇の方へ姿を消すとギルが薄く笑いながら肩を鳴らす。
「さて、体も温まりましたし、私も暴れましょうか」
素早い足取りでギルが1匹の【夜】を掴むと他の【夜】を巻き込んで足で貫いていく。
派手な破壊音を立ててギルが暴れ始め【夜】の壊された体が砂上に砕け散り遺跡内に乾いた音を立てる。
「マグノリア室長・・・後ろを振り返ったらいけない気がするんだけど」
「破壊音が怖い・・・遺跡崩ししている気がします」
「まぁ、おれ等守ってもらってるんだし文句言わない」
製薬組みの3人が話しながら手を進めていると、マグノリアが描きあがった紙を乾燥魔法で乾かし、丁寧にカバンに仕舞い込む。
「さて、私は終わったよ。君達も早く書いてしまわないとギルに壊されてしまうよ」
弟子達を急かして丸メガネを上げるとマグノリアはタマホメとシュテンの元へ歩いていく。
「痛み止めをすぐに調合するから待っていなさい」
「苦くないやつにしてほしいの!」
「タマホメ、我が儘を言うな。マグノリアとにかく痛みを取ってやってくれ」
シュテンにしがみつきながらタマホメが泣き言を口にすると、マグノリアがカバンから薬草を取り出して乳鉢ですり潰しながら魔法水を手で出し魔法をかけていく。
薄い琥珀色の液体が出来るとマグノリアがタマホメに差し出す。
「苦くはないですよ」
おずおずとタマホメが乳鉢の中身を口にすると、ブフーッと口から飛ばしてむせ返る。
「ゲホッ、酷いの!嘘つきなの!うぇーっ・・・ゲフッ」
「苦くはないでしょう?多少、酸っぱいだけですよ」
「苦い方がマシなの!!」
うぇぇぇっと泣き出したタマホメにシュテンがよしよしと頭を撫でながらマグノリアにジト目を向けて非難をするがマグノリアは乳鉢の中に小瓶から蜂蜜を出して入れ込み、くすくす笑っている。
「初めからそうしてくれ・・・」
シュテンがマグノリアを見ながら「これだからうちの【刻狼亭】は根性が悪いと噂されるんだ」と独り言ちる。
「マグノリア室長!描き終わりましたー!」
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「はい。私の方も終わりましたよ」
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「さて、それでは祭壇の方へ移動しましょうか?」
マグノリアがカバンを持ち直すと、試薬部隊の3人も荷物を素早く片付けてカバンを背に背負ってマグノリアの後に続く。
「タマホメ、行けるか?」
「平気だよ」
シュテンがタマホメを抱き上げ青い鬼火を祭壇の方へ灯り代わりに飛ばしていく。
祭壇の壁はネルフィームが壊して突き進んだ破壊あとが広がり、進んだ先には大きく口を開いた広大な黒い床が広がっていた。
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