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4章
光竜
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「今日も白い着物だけど、模様は赤牡丹に黒い蝶なんだね。この間の赤華の柄も似合ってたけど赤牡丹もいいね。素敵だと思うよ。アカリに今度、髪に飾る赤牡丹採ってきてあげるね」
朱里は白金の髪をしたルーファスそっくりのアルビーに手を握られて微笑まれる。
ルーファスはワイルド系の美形で、アルビーは物腰が穏やかな美形。
自分の大好きな旦那様そっくりな顔に微笑まれて、手を取られている状態に赤面しないわけがない。
しかも一見口説かれている様なセリフを吐いてくるというオマケつき。
「はわわっ・・・イケメン・・・」
真っ赤になった朱里にアルビーは微笑んだまま首をかしげる。
「いけめん?アカリ、なにそれ?」
顔を近づけられて朱里が我慢の限界と言わんばかりに声を上げる。
「にゃぁぁ~っ!!!!!」
ボンッと効果音が出るならば、出ていそうな程、朱里は首筋まで赤くしている。
「アルビー、アカリから離れろ」
2人の様子を静観しつつ仕事をこなしていたルーファスが客帳簿を二人の間に間仕切りの様に差し出して、アルビーの手を帳簿でトントンと叩く。
「えーっ、折角アカリと仲良くなったのに?」
眉を下げてルーファスに首をふるアルビーに、ルーファスは「だ・め・だ」と区切りながら注意する。
朱里を自分の方へ引き寄せてルーファスは朱里のおでこを軽く帳簿でコンと叩く。
「あうっ」
「アカリ、オレ以外にそういう顔をするんじゃない」
困った番だ。と、ルーファスはそう言いながら仕事用の黒メガネをかけて帳簿と書類に目を通し始める。
おでこをさすりながら朱里は黒メガネ姿のイケメン!と心の中で騒いでいた。
【刻狼亭】の別館『月光の間』は現在、アルビーに貸し出している部屋で3人は顔合わせをし、アルビーと朱里はお互いに謝り倒しながら、ようやくルーファスを交えながらも仲良くなることに成功していた。
人懐っこい性格のアルビーはにこにこと笑顔状態なのだが、如何せん姿がルーファスなので中々に朱里の心の中は穏やかではない。
「アカリの腕を治療するんだっけ?」
アルビーが首をかしげて聞くとルーファスが書類から顔を上げる。
「ああ、右腕だ。瘴気は吸いだしたんだが、傷跡はもう一度切って治療させると言われてな、治していないんだが、アルビーなら切らずとも治せるだろう?」
アルビーが頷きながら朱里に手を出す様に手を差し出す。
「アカリ、とりあえず見せてもらえる?」
朱里が右腕を伸ばし着物の袖を左手で押える。
手首から肘の辺りまで15cm程の長いミミズ腫れで竜人の剣だったせいで太さがあり、幅も0.5cm程と目立つ傷跡になっている。
アルビーが眉間にしわを寄せて朱里の腕を手に取る。
「女の子なのに随分酷い傷をつけられたんだね。これは竜人のしたことなのかい?」
朱里が小さく頷くとアルビーは朱里の手を両手で握り、自分の額にくっつけて祈るように目をつぶる。
「やっぱり私は竜人は嫌いだ。あんな野蛮なのと一緒にされたくない」
アルビーは少し怒った声を出しながら顔を上げる。
目から真珠色の涙をポロポロ流して朱里の腕を濡らしていく。
「アルビー、もう痛くないから泣かないで、ね?」
朱里が困った顔で笑うとアルビーはグスリと鼻をすする。
ルーファスが紙半紙を出してアルビーに差し出すと、アルビーは紙半紙で鼻を拭く。
「アカリ、少しくすぐったいだろうけど、動かないでね?」
アルビーはそう言って朱里の腕の傷跡を舌でゆっくり舐めあげていく。
ビクンっと朱里が身じろぐとルーファスが朱里を後ろから支える。
「ひゃんっ・・・んっ、なに?」
舐められた腕がぽかぽかと温かく、胸がトクリと跳ね上がる。
体が崩れ落ちそうになるのをルーファスが支えているおかげで倒れずにもたれかかって何とか耐える。
「あふっ、なんか・・・変・・・っ」
小さく甘い吐息を漏らせば、ルーファスが朱里の表情を見て眉をしかめる。
「アルビー、お前の治療はこんな反応が出たか?」
アルビーは朱里の腕から顔を上げると、目をパチクリとさせて首をかしげる。
「私はいつも通りの治療してるけど?んーっ」
首をゆらゆらと左右に振りながらアルビーは朱里の潤んだ瞳を見て首をかしげる。
「ねぇ、ルーファス、アカリの口に舌入れていい?」
「何言ってるんだ?却下だ!」
ルーファスがアルビーに怪訝な顔をすると、アルビーは自分の指を朱里の口に1本入れる。
「んあっ、・・・んっ」
朱里が小さく喘ぎ、首を振るとアルビーは入れた指を自分の口の中に入れる。
「アルビー!何をしてるんだお前は!」
ルーファスが怒った声で朱里をアルビーから離すと、アルビーは目を上にあげながら指を口から出す。
「この子、体が【聖体】だよ。だから【光竜】の私の力に引きずられたみたいだ」
アルビーは首をかしげて舌で自分の唇を舐める。
「【聖体】・・・アカリは【聖域】を体に能力として持っているからな。何かそれで影響はあるのか?」
アルビーは首を振ってにこりと笑う。
「私の能力は【聖】属性だから、アカリの体には過剰なぐらい良い物として吸収されるくらいかな?まぁ、悪い事じゃないからいいと思うよ」
ルーファスはホッと息をつくものの、朱里がトロンとした潤んだ瞳で、息を弾ませているのを見て心中複雑な思いだ。
「ほら、アカリの腕の傷も早いくらい消えたし。普通は1週間くらい繰り返して治すんだけどね」
着物の袖から除いた朱里の白い腕から傷跡が消え、アルビーの舐めた後の真珠色の唾液が残るだけになっていた。
「これは拭いても大丈夫か?」
「うん。普通は乾くまでだけど、もう傷跡消えちゃったし、良いんじゃないかな?」
ルーファスは魔法でサッと洗い流して乾燥させると、朱里の上気した頬と息が落ち着きを徐々取り戻していく。
朱里がぐったりと疲れた様子でルーファスの着物に顔を埋めると、耳まで赤くして羞恥心と戦っている。
「治療終わっちゃったけど、私はどうすれば良いのかな?」
アルビーが首を左右にゆらゆらさせると、ルーファスは苦笑いする。
「折角来たんだ。好きなだけいると良い。たまにはこんな人の多い場所もいいだろ?」
「良かった。ルーファスがお仕事落ち着いてから、アカリと一緒に出掛けてみたかったんだ」
嬉しそうにアルビーが金色の目を輝かせている。
「ああ、まだしばらくは忙しいがアカリとその間は一緒に遊んでもらえばいい。ただし、こんな風になる様な接触はするなよ?」
「わかったよ。でもアカリが何だかぽかぽかしてて、抱くと気持ちよさそうだから、今度お昼寝に誘ってもいい?」
一瞬、ルーファスは駄目だと言いそうになるが、アルビーの抱くは言葉通り抱き枕程度のもので深い意味がないのはルーファス自身がよく知っている為、言葉を飲み込む。
「アカリが眠そうにしてたら誘ってみると良い。それとアカリはクロという魔獣も連れているから、今度クロとも遊んでもらえばいい」
「うん。楽しみにしてるよ」
ルーファスはアルビーの頭を撫でて髪の毛をくしゃくしゃにする。
「わっ、ルーファスは相変わらず撫でるの手加減無しだね?」
ルーファスは「わざとだ」と言って笑う。
「アルビー、アカリを治してくれてありがとう。感謝している」
「アルビー、ありがとうございます」
朱里もルーファスの着物から顔を上げてアルビーを見上げる。
「うん。お安い御用だよ」
アルビーは嬉しそうに目を細めて2人に抱き着いた。
朱里は白金の髪をしたルーファスそっくりのアルビーに手を握られて微笑まれる。
ルーファスはワイルド系の美形で、アルビーは物腰が穏やかな美形。
自分の大好きな旦那様そっくりな顔に微笑まれて、手を取られている状態に赤面しないわけがない。
しかも一見口説かれている様なセリフを吐いてくるというオマケつき。
「はわわっ・・・イケメン・・・」
真っ赤になった朱里にアルビーは微笑んだまま首をかしげる。
「いけめん?アカリ、なにそれ?」
顔を近づけられて朱里が我慢の限界と言わんばかりに声を上げる。
「にゃぁぁ~っ!!!!!」
ボンッと効果音が出るならば、出ていそうな程、朱里は首筋まで赤くしている。
「アルビー、アカリから離れろ」
2人の様子を静観しつつ仕事をこなしていたルーファスが客帳簿を二人の間に間仕切りの様に差し出して、アルビーの手を帳簿でトントンと叩く。
「えーっ、折角アカリと仲良くなったのに?」
眉を下げてルーファスに首をふるアルビーに、ルーファスは「だ・め・だ」と区切りながら注意する。
朱里を自分の方へ引き寄せてルーファスは朱里のおでこを軽く帳簿でコンと叩く。
「あうっ」
「アカリ、オレ以外にそういう顔をするんじゃない」
困った番だ。と、ルーファスはそう言いながら仕事用の黒メガネをかけて帳簿と書類に目を通し始める。
おでこをさすりながら朱里は黒メガネ姿のイケメン!と心の中で騒いでいた。
【刻狼亭】の別館『月光の間』は現在、アルビーに貸し出している部屋で3人は顔合わせをし、アルビーと朱里はお互いに謝り倒しながら、ようやくルーファスを交えながらも仲良くなることに成功していた。
人懐っこい性格のアルビーはにこにこと笑顔状態なのだが、如何せん姿がルーファスなので中々に朱里の心の中は穏やかではない。
「アカリの腕を治療するんだっけ?」
アルビーが首をかしげて聞くとルーファスが書類から顔を上げる。
「ああ、右腕だ。瘴気は吸いだしたんだが、傷跡はもう一度切って治療させると言われてな、治していないんだが、アルビーなら切らずとも治せるだろう?」
アルビーが頷きながら朱里に手を出す様に手を差し出す。
「アカリ、とりあえず見せてもらえる?」
朱里が右腕を伸ばし着物の袖を左手で押える。
手首から肘の辺りまで15cm程の長いミミズ腫れで竜人の剣だったせいで太さがあり、幅も0.5cm程と目立つ傷跡になっている。
アルビーが眉間にしわを寄せて朱里の腕を手に取る。
「女の子なのに随分酷い傷をつけられたんだね。これは竜人のしたことなのかい?」
朱里が小さく頷くとアルビーは朱里の手を両手で握り、自分の額にくっつけて祈るように目をつぶる。
「やっぱり私は竜人は嫌いだ。あんな野蛮なのと一緒にされたくない」
アルビーは少し怒った声を出しながら顔を上げる。
目から真珠色の涙をポロポロ流して朱里の腕を濡らしていく。
「アルビー、もう痛くないから泣かないで、ね?」
朱里が困った顔で笑うとアルビーはグスリと鼻をすする。
ルーファスが紙半紙を出してアルビーに差し出すと、アルビーは紙半紙で鼻を拭く。
「アカリ、少しくすぐったいだろうけど、動かないでね?」
アルビーはそう言って朱里の腕の傷跡を舌でゆっくり舐めあげていく。
ビクンっと朱里が身じろぐとルーファスが朱里を後ろから支える。
「ひゃんっ・・・んっ、なに?」
舐められた腕がぽかぽかと温かく、胸がトクリと跳ね上がる。
体が崩れ落ちそうになるのをルーファスが支えているおかげで倒れずにもたれかかって何とか耐える。
「あふっ、なんか・・・変・・・っ」
小さく甘い吐息を漏らせば、ルーファスが朱里の表情を見て眉をしかめる。
「アルビー、お前の治療はこんな反応が出たか?」
アルビーは朱里の腕から顔を上げると、目をパチクリとさせて首をかしげる。
「私はいつも通りの治療してるけど?んーっ」
首をゆらゆらと左右に振りながらアルビーは朱里の潤んだ瞳を見て首をかしげる。
「ねぇ、ルーファス、アカリの口に舌入れていい?」
「何言ってるんだ?却下だ!」
ルーファスがアルビーに怪訝な顔をすると、アルビーは自分の指を朱里の口に1本入れる。
「んあっ、・・・んっ」
朱里が小さく喘ぎ、首を振るとアルビーは入れた指を自分の口の中に入れる。
「アルビー!何をしてるんだお前は!」
ルーファスが怒った声で朱里をアルビーから離すと、アルビーは目を上にあげながら指を口から出す。
「この子、体が【聖体】だよ。だから【光竜】の私の力に引きずられたみたいだ」
アルビーは首をかしげて舌で自分の唇を舐める。
「【聖体】・・・アカリは【聖域】を体に能力として持っているからな。何かそれで影響はあるのか?」
アルビーは首を振ってにこりと笑う。
「私の能力は【聖】属性だから、アカリの体には過剰なぐらい良い物として吸収されるくらいかな?まぁ、悪い事じゃないからいいと思うよ」
ルーファスはホッと息をつくものの、朱里がトロンとした潤んだ瞳で、息を弾ませているのを見て心中複雑な思いだ。
「ほら、アカリの腕の傷も早いくらい消えたし。普通は1週間くらい繰り返して治すんだけどね」
着物の袖から除いた朱里の白い腕から傷跡が消え、アルビーの舐めた後の真珠色の唾液が残るだけになっていた。
「これは拭いても大丈夫か?」
「うん。普通は乾くまでだけど、もう傷跡消えちゃったし、良いんじゃないかな?」
ルーファスは魔法でサッと洗い流して乾燥させると、朱里の上気した頬と息が落ち着きを徐々取り戻していく。
朱里がぐったりと疲れた様子でルーファスの着物に顔を埋めると、耳まで赤くして羞恥心と戦っている。
「治療終わっちゃったけど、私はどうすれば良いのかな?」
アルビーが首を左右にゆらゆらさせると、ルーファスは苦笑いする。
「折角来たんだ。好きなだけいると良い。たまにはこんな人の多い場所もいいだろ?」
「良かった。ルーファスがお仕事落ち着いてから、アカリと一緒に出掛けてみたかったんだ」
嬉しそうにアルビーが金色の目を輝かせている。
「ああ、まだしばらくは忙しいがアカリとその間は一緒に遊んでもらえばいい。ただし、こんな風になる様な接触はするなよ?」
「わかったよ。でもアカリが何だかぽかぽかしてて、抱くと気持ちよさそうだから、今度お昼寝に誘ってもいい?」
一瞬、ルーファスは駄目だと言いそうになるが、アルビーの抱くは言葉通り抱き枕程度のもので深い意味がないのはルーファス自身がよく知っている為、言葉を飲み込む。
「アカリが眠そうにしてたら誘ってみると良い。それとアカリはクロという魔獣も連れているから、今度クロとも遊んでもらえばいい」
「うん。楽しみにしてるよ」
ルーファスはアルビーの頭を撫でて髪の毛をくしゃくしゃにする。
「わっ、ルーファスは相変わらず撫でるの手加減無しだね?」
ルーファスは「わざとだ」と言って笑う。
「アルビー、アカリを治してくれてありがとう。感謝している」
「アルビー、ありがとうございます」
朱里もルーファスの着物から顔を上げてアルビーを見上げる。
「うん。お安い御用だよ」
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