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一章 悪役令嬢フェルミナ・ドロッセル
誕生日会
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流石、公爵家のパーティ会場は凄いの一言に尽きる。
まぁ、嫡男の誕生日会だし、貴族の交流の場に使うのだろうから、俺はあくまで『釣り餌』みたいなものだろう。
クリスタルで出来たシャンデリアを下から眺め、本日の主役なのに大人ばかりが話に夢中なのだから、やさぐれたい気持ちも分からないでもない。とは、これはゲームの中でのフェルミナの気持ちだ。
俺としては、美味しい物を皿に盛り付けては、せっせと食べさせてくるルカリオンに「コレ美味しいから、お前も食えってば」と、ルカリオンに逆に食べさせたりといつも通りだ。
「それにしても、誕生日プレゼントを貰ったら、後は適当にしろって……なんだかなぁ」
「仕方がないですよ。貴族の社交とは、そういうものです」
しかも、プレゼントは他の執事長とメイドが受け取り、誰から貰ったかなどをメモしているので、俺が居る意味あんまりないんだよね。
窓の外を見れば、庭園の方で子供達が遊んでいる。
一応、俺は主役だから出て行って良いのかは分からないが、攻略対象はほぼ見つけた感じだ。
子供は親と一緒に挨拶に来ると、すぐに庭園の方へ移される。
貴族と言えど、子供は子供。会場で走り回られて、ドレスを汚したり泣き喚かれたら、親たちも大変だろうから、庭園には警備を配置して、子供が遊べるようにしているわけだ。
「やっぱ、ヒルクスがリーダーシップをとっているんだな」
将来、騎士団長になる赤毛に茶色の目をしたヒルクス・ステルダント。
正義感が強く、不正を許さない性格ではあるが、明るく分け隔てない好青年になる。
ただし、フェルミナの悪事がバレた時に、散々追い回して「お前は騎士道って知ってる!? 女相手に剣ぶん回して追い回すとか、酷くない!?」と、悪役側になってから思ったものだ。
今は可愛いガキ大将少年という感じだけどな。
「坊ちゃん、それは?」
「ん? メモ書きだよ。人が多すぎて、顔なんか区別がつかないからな」
「そうですね。わたしも香水の匂いが混じり過ぎて、坊ちゃん以外の区別がつきません」
「あー、うん。そっかー……ははは」
ルカリオンは置いといて、次に魔法の天才セイン・バード。
群青色の髪はくせっ毛なのか、よくうねっていて目元が見づらい。公式のキャラクターを思い出す限りなら、目の色は紫色のはずだ。
母親の後ろからビクビクして顔を覗かせていた子で、将来は根暗な奴になってしまう。
その理由は、馬車の事故で両親を失ってしまうからなのだが、現時点では健在のようだ。
これもなんとかしたら、セインは根暗な奴にならずに済むだろうか? こいつはフェルミナとヒロインにとっては、色々と面倒くさい奴で……回復されたくないという理由で、戦闘が始まって怪我をすると即行逃亡する。
こいつを落としにかかるのは、非常に面倒くさい。
「あとはー……」
子供ながらにキツそうな目つきをしてメガネをしている少年、ベンガル・ロッシュ。
銀髪に青い目。黙っていたらお人形、口を開けば罵詈雑言の頭脳派で王立図書館の生きる蔵書のような奴だ。
ゲーム中でも解けない謎が出てきたら、ベンガルをカードデッキに入れておけば楽勝だったし、ヒロインが謎を解くと好感度が上がるため、攻略サイトで答えを覚えたりしたなぁ……
「坊ちゃん、ぼーっとしている場合ではありませんよ」
「へ?」
「第一王子と第二王子のご到着です」
ヒソヒソとルカリオンに耳打ちされて、入り口を見れば……お忍びで来るはずなのに、王宮の近衛騎士をぞろぞろ引き連れているよ……隠す気ないな。
しかし、第二王子は攻略対象として知ってはいたけれど、第一王子を目にするのは初めてだな。
黒髪に青い目の優し気な少年が第一王子、金髪に青い目のお兄ちゃん大好き! と、言わんばかりの子犬のような方が第二王子。
こいつがヤンデレになるのかー……うわぁぁぁ。
「ようこそいらっしゃいました。ドロッセル家へようこそ」
「わたくし共の息子の誕生会に足を運んでいただき、光栄ですわ」
シュバッと、さっきまで談笑していた両親が王子二人に挨拶に行き、目で俺も来い! と促している。
へいへい。行きますよ。これだから、権力に弱い貴族は……って、俺も貴族だけどさ。
二人の前に立つと、笑顔で挨拶をお互いに口にする。
「私はラローシュと申します。こちらは弟のディオン。お誕生日おめでとうございます」
「フェルミナ・ドロッセルです。ありがとうございます」
周りの大人たちは『王族とお近づきになりたい』という欲望の目がヤバい。俺は早々に王子たちを「庭園に行きませんか?」と誘い出し、我が家で毒殺があってはならないと回避することにしたのだった。
まぁ、嫡男の誕生日会だし、貴族の交流の場に使うのだろうから、俺はあくまで『釣り餌』みたいなものだろう。
クリスタルで出来たシャンデリアを下から眺め、本日の主役なのに大人ばかりが話に夢中なのだから、やさぐれたい気持ちも分からないでもない。とは、これはゲームの中でのフェルミナの気持ちだ。
俺としては、美味しい物を皿に盛り付けては、せっせと食べさせてくるルカリオンに「コレ美味しいから、お前も食えってば」と、ルカリオンに逆に食べさせたりといつも通りだ。
「それにしても、誕生日プレゼントを貰ったら、後は適当にしろって……なんだかなぁ」
「仕方がないですよ。貴族の社交とは、そういうものです」
しかも、プレゼントは他の執事長とメイドが受け取り、誰から貰ったかなどをメモしているので、俺が居る意味あんまりないんだよね。
窓の外を見れば、庭園の方で子供達が遊んでいる。
一応、俺は主役だから出て行って良いのかは分からないが、攻略対象はほぼ見つけた感じだ。
子供は親と一緒に挨拶に来ると、すぐに庭園の方へ移される。
貴族と言えど、子供は子供。会場で走り回られて、ドレスを汚したり泣き喚かれたら、親たちも大変だろうから、庭園には警備を配置して、子供が遊べるようにしているわけだ。
「やっぱ、ヒルクスがリーダーシップをとっているんだな」
将来、騎士団長になる赤毛に茶色の目をしたヒルクス・ステルダント。
正義感が強く、不正を許さない性格ではあるが、明るく分け隔てない好青年になる。
ただし、フェルミナの悪事がバレた時に、散々追い回して「お前は騎士道って知ってる!? 女相手に剣ぶん回して追い回すとか、酷くない!?」と、悪役側になってから思ったものだ。
今は可愛いガキ大将少年という感じだけどな。
「坊ちゃん、それは?」
「ん? メモ書きだよ。人が多すぎて、顔なんか区別がつかないからな」
「そうですね。わたしも香水の匂いが混じり過ぎて、坊ちゃん以外の区別がつきません」
「あー、うん。そっかー……ははは」
ルカリオンは置いといて、次に魔法の天才セイン・バード。
群青色の髪はくせっ毛なのか、よくうねっていて目元が見づらい。公式のキャラクターを思い出す限りなら、目の色は紫色のはずだ。
母親の後ろからビクビクして顔を覗かせていた子で、将来は根暗な奴になってしまう。
その理由は、馬車の事故で両親を失ってしまうからなのだが、現時点では健在のようだ。
これもなんとかしたら、セインは根暗な奴にならずに済むだろうか? こいつはフェルミナとヒロインにとっては、色々と面倒くさい奴で……回復されたくないという理由で、戦闘が始まって怪我をすると即行逃亡する。
こいつを落としにかかるのは、非常に面倒くさい。
「あとはー……」
子供ながらにキツそうな目つきをしてメガネをしている少年、ベンガル・ロッシュ。
銀髪に青い目。黙っていたらお人形、口を開けば罵詈雑言の頭脳派で王立図書館の生きる蔵書のような奴だ。
ゲーム中でも解けない謎が出てきたら、ベンガルをカードデッキに入れておけば楽勝だったし、ヒロインが謎を解くと好感度が上がるため、攻略サイトで答えを覚えたりしたなぁ……
「坊ちゃん、ぼーっとしている場合ではありませんよ」
「へ?」
「第一王子と第二王子のご到着です」
ヒソヒソとルカリオンに耳打ちされて、入り口を見れば……お忍びで来るはずなのに、王宮の近衛騎士をぞろぞろ引き連れているよ……隠す気ないな。
しかし、第二王子は攻略対象として知ってはいたけれど、第一王子を目にするのは初めてだな。
黒髪に青い目の優し気な少年が第一王子、金髪に青い目のお兄ちゃん大好き! と、言わんばかりの子犬のような方が第二王子。
こいつがヤンデレになるのかー……うわぁぁぁ。
「ようこそいらっしゃいました。ドロッセル家へようこそ」
「わたくし共の息子の誕生会に足を運んでいただき、光栄ですわ」
シュバッと、さっきまで談笑していた両親が王子二人に挨拶に行き、目で俺も来い! と促している。
へいへい。行きますよ。これだから、権力に弱い貴族は……って、俺も貴族だけどさ。
二人の前に立つと、笑顔で挨拶をお互いに口にする。
「私はラローシュと申します。こちらは弟のディオン。お誕生日おめでとうございます」
「フェルミナ・ドロッセルです。ありがとうございます」
周りの大人たちは『王族とお近づきになりたい』という欲望の目がヤバい。俺は早々に王子たちを「庭園に行きませんか?」と誘い出し、我が家で毒殺があってはならないと回避することにしたのだった。
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