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2章
王様とリト
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シーンとする謁見の間で、「ペッ」とルドルフの唾を吐きかける音がした。
間抜けな形でヴインダムの王様が短剣を下に振り下ろしていて、顔にルドルフの唾がべチャッと垂れていた。
「な、な、なんで、魔法が出ないッ!!」
「当たり前じゃ。ワシの守護獣ルドルフの唾液は魔法を無効化する」
ルドルフ!? あなた、ただ唾吐いてただけじゃなかったのー!?
ルドルフは相変わらず、半目のまま口をもにもに動かしているだけだけど、空を飛んだり、魔法を打ち消したり、実は高性能なの!?
短剣を振り回すヴインダムの王様を、イクシオンが短剣を手で払い落として、床に組み伏せ両手を片手で掴む。
他の国の従者が動く前に「騎士団ッ! 直ぐに拘束しろ!」とイクシオンの声が響き、謁見の間に居た騎士団が慌てて駆け寄る。
流石に、王様を拘束するのは一介の騎士には難しいから、同等のイクシオンが捕らえるのが一番だよね。
騎士達が王様を拘束し、各国の従者達の目は怒りに満ちていた。
「他国の王に刃を向けるなど、正気の沙汰ではない……」
イクシオンが眉間にしわを寄せ唇を噛みしめ、「申し訳ありません……ッ」と頭を下げる。
どうして、どうしてイクシオンがこんな風に、あんな王様のせいで頭を下げなきゃいけないの? 悔しさで握りしめた手の平に爪が食い込む。
「そう。正気ではない。その者は病んでいるのだろう。病気療養が必要なようだ」
「ああ、そうに違いない。ヴインダムの王はこれでは政務は出来ないだろう。王弟よ、この王座は貴方が座るべきだ」
「それはー……」
各国の王達が、この件を不問にするからイクシオンに王になれ、と言う様に聞こえる。
イクシオンが 躊躇いがちに、言葉を呑み込む。
「許さんッ! 許さんぞッ! 次の王はエルファーレンと、生まれた時から決まっておるのだ! そんな身分の卑しい者が王座に就くなど許さんッ!!」
「黙れ! この簒奪王……いいや、王ではない。お前こそが身分の卑しい身でありながら、王族に対する侮辱の数々、先王といい、愚かな獅子族め!」
「我々、十一の王族への侮辱だ! 恥を知れ!」
王達と王様の言い合いが謁見の間に響き、「お待ちください!」と、声がする。
声の主は謁見の間の扉を開き入ってきた、王太子エルファーレンだった。
「父上の無礼、申し訳ありませんッ! この様な事態になってしまい、許してください……」
「エルファーレン……私は、お前に王座を……」
「父上、私は確かに王座を求めていましたが、本当は父上も私も王家には関係のない道化なのです。叔父上……いえ、イクシオン陛下にお返しする時なのです」
「エルファーレンッ! お前まで、何を言うのだ!」
王太子が泣きそうな顔で眉を下げて、王様を見てドタドタと謁見の間に王太子のお付きの騎士とパムネリーさんが現れる。
その手には肖像画を持っていた。
「父上、イクシオン陛下、他の国王陛下にもご覧いただきたい。私達、獅子族の仕出かした王家転覆を狙った罪の証拠を」
肖像画には銀色の髪の女性と黒い甲冑の騎士が、仲睦まじそうに微笑んだ表情で描かれていた。
銀髪の女性は狼族で薄い紫色の目が、イクシオンと同じ……お母さんだろうか?
なら、横に描かれた甲冑の騎士は、顔つきがイクシオンによく似ている……お父さん?
「先代女王陛下と、その夫である女王陛下の騎士です。彼等は正真正銘の夫婦で結婚印もお互いに交わしていました。獅子族の王は、女王陛下と婚姻する前にすでに后と結婚印を結び、契約により女王陛下と夫婦だと偽り、王家を乗っ取りました。そして、その契約書がこの肖像画の裏から見つかりました」
ヴインダム王家の紋章の入った白い紙に女王の名前と先代の王の名そして、獅子族の紋章なのだろう、獅子の形をした紋章と血判のような物があった。
そして、魔法陣のような物が描かれていた。
「これは、確かに王族が契約をする時に使う、契約魔法の陣だな……」
お祖父ちゃんが契約書を見て、本物だと告げると周りの王もイクシオンも動揺した。
一番動揺して「嘘だ! 嘘だ!」と騒いだのは王様だったけど、王太子はヴインダム王家の女王が国民を人質に取られて契約をしたこと、そして女王の意思を伝えた。
「女王は、初めから獅子族との婚姻は無く、妃ですらなかった。今は、それでよかったと思いますが、既に王家は獅子族に乗っ取られ、愛した騎士も殺され、残ったのはお腹の子供だけ。だからこそ、獅子族に子供が殺されない様に臣下達に、獅子族が自分達は王家の一員だと勘違いさせたままでいる事を望み、父上が王になる事も周りは反対しなかった。全てはイクシオン陛下が成長するまでの我慢だと、耐えてきたのです……誤算は、イクシオン陛下が王座を望まれず、今に至ってしまった事です」
イクシオンに皆の目が集まる。
子供の頃に王に殺されかけ、兄からは散々な目に今まで合わされて、王族になりたいなんて思えと言う方が無理な気がするけど……
イクシオンは伏し目がちな目をして、意を決したような顔をする。
「たとえ、王族であっても、王になりたいとは……一度も思ったことは無い。今のままの生活が、一番好きなんだ。しかし、ここまで証拠を挙げたという事は、エルファーレン、お前は王太子を降りるのだろう?」
「はい。元々、王家でもない一族が大きい顔をしようとしたのが間違いでした。私は軍部に 蔓延る獅子族の親族を一掃し、獅子族が遺恨を残さぬように動こうと思います」
「そうか……」
私の方をイクシオンが見て、ゆっくりと近付く。
「オレのせいで自由が減ってしまうが、一緒に付き合ってくれるかい?」
「当たり前です。私は、あなたの妻ですよ?」
「ありがとう」
頭を左右に振って、手を握り合うとまた王様が騒いだ。
「ふざけるな! 王座は貴様には渡さんッ!! 『神子』お前がエルファーレンの妻になれば、新たな王として世界は認めるはずだ! 望むものをやるぞ!」
「父上ッ! いい加減にしてください!」
「兄上、彼女は私の妻だ! 誰にも渡さないッ!」
王様が騎士達に「無礼者! 放せ!」と大騒ぎし、これ以上はこの国のマイナスになりそうだ。
ドレスの中から『熊吉』を取り出して、王様の前を包丁を振ると、スパンッと氷の刃が王様の前を通り過ぎる。
「__ハァ……往生際が悪いのよッ! 獅子族って時点で私には無理! 私はね、イクシオンの綺麗な毛並みを愛しているの! 獅子族は 鬣と尻尾の先しかモフモフしてないし、魅力が欠片しかない! 全身フサフサのイクシオンの様な毛並みを持ってから出直して! まぁ、私のイクシオンの足元にも及ばないけど! わかったら、ジタバタしないで大人しく法の裁きがあるまで、牢屋にでも居なさい!」
フンッと、腰に手を当てて王様が騎士達に連行されるのを見送ると、ハッと自分が『神子』としてここに居た事を思い出す。
ギギギギ……と、壊れかけのロボットよろしく周りの王様達を見れば、目を丸くしている。
しまった……『神子』の神秘的なイメージが……
「クククッ、どうやら新しいヴインダムの王妃は、王を溺愛している様だな」
「これは元気のいい『神子』様だ」
「ヴインダムの王よ、愛されているではないか」
ギャーッ!! やめてぇー!!
何笑ってるんだ! この王様達は!!
イクシオンが「君には敵わないな」と小さく囁いて苦笑いする。
ううっ、やらかした…… 啖呵きるのは流石にやり過ぎた……お願い、今は私を放っておいて―!
お祖父ちゃんは片眉を上げて首を振っているし、お父さんは眉間を指で押さえているし、反省はしてるんだよー!
間抜けな形でヴインダムの王様が短剣を下に振り下ろしていて、顔にルドルフの唾がべチャッと垂れていた。
「な、な、なんで、魔法が出ないッ!!」
「当たり前じゃ。ワシの守護獣ルドルフの唾液は魔法を無効化する」
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流石に、王様を拘束するのは一介の騎士には難しいから、同等のイクシオンが捕らえるのが一番だよね。
騎士達が王様を拘束し、各国の従者達の目は怒りに満ちていた。
「他国の王に刃を向けるなど、正気の沙汰ではない……」
イクシオンが眉間にしわを寄せ唇を噛みしめ、「申し訳ありません……ッ」と頭を下げる。
どうして、どうしてイクシオンがこんな風に、あんな王様のせいで頭を下げなきゃいけないの? 悔しさで握りしめた手の平に爪が食い込む。
「そう。正気ではない。その者は病んでいるのだろう。病気療養が必要なようだ」
「ああ、そうに違いない。ヴインダムの王はこれでは政務は出来ないだろう。王弟よ、この王座は貴方が座るべきだ」
「それはー……」
各国の王達が、この件を不問にするからイクシオンに王になれ、と言う様に聞こえる。
イクシオンが 躊躇いがちに、言葉を呑み込む。
「許さんッ! 許さんぞッ! 次の王はエルファーレンと、生まれた時から決まっておるのだ! そんな身分の卑しい者が王座に就くなど許さんッ!!」
「黙れ! この簒奪王……いいや、王ではない。お前こそが身分の卑しい身でありながら、王族に対する侮辱の数々、先王といい、愚かな獅子族め!」
「我々、十一の王族への侮辱だ! 恥を知れ!」
王達と王様の言い合いが謁見の間に響き、「お待ちください!」と、声がする。
声の主は謁見の間の扉を開き入ってきた、王太子エルファーレンだった。
「父上の無礼、申し訳ありませんッ! この様な事態になってしまい、許してください……」
「エルファーレン……私は、お前に王座を……」
「父上、私は確かに王座を求めていましたが、本当は父上も私も王家には関係のない道化なのです。叔父上……いえ、イクシオン陛下にお返しする時なのです」
「エルファーレンッ! お前まで、何を言うのだ!」
王太子が泣きそうな顔で眉を下げて、王様を見てドタドタと謁見の間に王太子のお付きの騎士とパムネリーさんが現れる。
その手には肖像画を持っていた。
「父上、イクシオン陛下、他の国王陛下にもご覧いただきたい。私達、獅子族の仕出かした王家転覆を狙った罪の証拠を」
肖像画には銀色の髪の女性と黒い甲冑の騎士が、仲睦まじそうに微笑んだ表情で描かれていた。
銀髪の女性は狼族で薄い紫色の目が、イクシオンと同じ……お母さんだろうか?
なら、横に描かれた甲冑の騎士は、顔つきがイクシオンによく似ている……お父さん?
「先代女王陛下と、その夫である女王陛下の騎士です。彼等は正真正銘の夫婦で結婚印もお互いに交わしていました。獅子族の王は、女王陛下と婚姻する前にすでに后と結婚印を結び、契約により女王陛下と夫婦だと偽り、王家を乗っ取りました。そして、その契約書がこの肖像画の裏から見つかりました」
ヴインダム王家の紋章の入った白い紙に女王の名前と先代の王の名そして、獅子族の紋章なのだろう、獅子の形をした紋章と血判のような物があった。
そして、魔法陣のような物が描かれていた。
「これは、確かに王族が契約をする時に使う、契約魔法の陣だな……」
お祖父ちゃんが契約書を見て、本物だと告げると周りの王もイクシオンも動揺した。
一番動揺して「嘘だ! 嘘だ!」と騒いだのは王様だったけど、王太子はヴインダム王家の女王が国民を人質に取られて契約をしたこと、そして女王の意思を伝えた。
「女王は、初めから獅子族との婚姻は無く、妃ですらなかった。今は、それでよかったと思いますが、既に王家は獅子族に乗っ取られ、愛した騎士も殺され、残ったのはお腹の子供だけ。だからこそ、獅子族に子供が殺されない様に臣下達に、獅子族が自分達は王家の一員だと勘違いさせたままでいる事を望み、父上が王になる事も周りは反対しなかった。全てはイクシオン陛下が成長するまでの我慢だと、耐えてきたのです……誤算は、イクシオン陛下が王座を望まれず、今に至ってしまった事です」
イクシオンに皆の目が集まる。
子供の頃に王に殺されかけ、兄からは散々な目に今まで合わされて、王族になりたいなんて思えと言う方が無理な気がするけど……
イクシオンは伏し目がちな目をして、意を決したような顔をする。
「たとえ、王族であっても、王になりたいとは……一度も思ったことは無い。今のままの生活が、一番好きなんだ。しかし、ここまで証拠を挙げたという事は、エルファーレン、お前は王太子を降りるのだろう?」
「はい。元々、王家でもない一族が大きい顔をしようとしたのが間違いでした。私は軍部に 蔓延る獅子族の親族を一掃し、獅子族が遺恨を残さぬように動こうと思います」
「そうか……」
私の方をイクシオンが見て、ゆっくりと近付く。
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「当たり前です。私は、あなたの妻ですよ?」
「ありがとう」
頭を左右に振って、手を握り合うとまた王様が騒いだ。
「ふざけるな! 王座は貴様には渡さんッ!! 『神子』お前がエルファーレンの妻になれば、新たな王として世界は認めるはずだ! 望むものをやるぞ!」
「父上ッ! いい加減にしてください!」
「兄上、彼女は私の妻だ! 誰にも渡さないッ!」
王様が騎士達に「無礼者! 放せ!」と大騒ぎし、これ以上はこの国のマイナスになりそうだ。
ドレスの中から『熊吉』を取り出して、王様の前を包丁を振ると、スパンッと氷の刃が王様の前を通り過ぎる。
「__ハァ……往生際が悪いのよッ! 獅子族って時点で私には無理! 私はね、イクシオンの綺麗な毛並みを愛しているの! 獅子族は 鬣と尻尾の先しかモフモフしてないし、魅力が欠片しかない! 全身フサフサのイクシオンの様な毛並みを持ってから出直して! まぁ、私のイクシオンの足元にも及ばないけど! わかったら、ジタバタしないで大人しく法の裁きがあるまで、牢屋にでも居なさい!」
フンッと、腰に手を当てて王様が騎士達に連行されるのを見送ると、ハッと自分が『神子』としてここに居た事を思い出す。
ギギギギ……と、壊れかけのロボットよろしく周りの王様達を見れば、目を丸くしている。
しまった……『神子』の神秘的なイメージが……
「クククッ、どうやら新しいヴインダムの王妃は、王を溺愛している様だな」
「これは元気のいい『神子』様だ」
「ヴインダムの王よ、愛されているではないか」
ギャーッ!! やめてぇー!!
何笑ってるんだ! この王様達は!!
イクシオンが「君には敵わないな」と小さく囁いて苦笑いする。
ううっ、やらかした…… 啖呵きるのは流石にやり過ぎた……お願い、今は私を放っておいて―!
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