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2章
雪かき
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まだ雪が降っているヴァンハロー領では雪かきは毎日の事で、皆で雪をかき集めてギターケースぐらいの大きさの塊に固めて、それを人一人が通れるくらいの幅を残して、道路をその雪で固めたブロックで通行止めにしている。
この時期は軍の人は長期遠征で居ないから、住民は自分達で身を護る為にこうしているのだという。
軍の人達が帰ってくる頃には溶けてなくなるので、経費も掛からないし、身を守れるしで、毎年やっているのだとか。
今年はイクシオンが居るから、イクシオンもそのお手伝いによく行っている。
ビブロースさんやお屋敷の人達が中心にやっていた事なので、私も今年は参加ですよー!
「温かいスープですよー」
「こちらはアップルウィスキーですよ」
「お疲れ様です。軽食を準備していますよ」
我が家のメイド部隊がヴァンハロー領の中央道路で大きなかまくらを建てて、中で飲み物や軽食を提供して休憩所も兼ねている。
大体、朝方から昼ぐらいまでの作業で、夜積もった雪を二日に一回、除去している感じかな?
領の子供達は周りで雪遊びをしていて、デンちゃんが一緒になって遊んでいて、雪の中からボンッといきなり顔を出したりしている。
子供達の乗り物としても遊んでもらっているから、デンちゃんにはいい遊び相手のようだ。
「リト、出てきて大丈夫か?」
「平気だよー。もう、心配性なんだから」
実は、子作りして三日目に生理になってしまって、いったん中止で今日は二日目なんだけど、ゼキキノコの飲み薬も飲んだし、家でじっとしているのも、体が鈍っちゃいそうだったから、メイドさん達のお手伝いに出てきた。
イクシオンに頬をペタペタ触られて、意外と温かくてマジマジと顔を見ると、額には汗をかいている。
他の人も見てみれば、汗をかいていてコートを脱いでいた。
「イクス、汗を拭かないと。そのままにしてると風邪ひいちゃうよ?」
「しかし、まだ動くからな。軍では上半身裸で朝は体術の練習もしていたし、平気だぞ?」
ひえっ! どこのスパルタ王国だ! 軍人怖い!
タオルを出して、イクシオンの顔の汗を拭いて飲み物を手渡すと、他の人にも乾いたタオルを提供に走り回り、気付いたら私も汗をかいていた。
意外とかまくらは暑いし、体温の高い獣人さんが集まっているせいか、熱気もある。
「これが終わったら、大浴場に皆を入れなきゃね」
汗が急激に冷えて乾いたら、熱を出しやすいし……お父さんの所に行って、ゼキキノコの飲み薬を発注しておこう。多分、何人かは風邪を引いてしまうだろうし。
あと姫ちゃんの様子も見てこよう。
「よし。行動あるのみ!」
私が休憩所から出て、しばらく歩くと中央通りの四つ程建ち並んだ大きい木造りの家の一つに『薬局』と看板が出ている場所がある。
緑色の壁に塗ってある家、そこがお父さんとお母さんの新居。
玄関周りは雪が無く、玄関の周りに四段重ねの雪だるまが幾つも並んでいる。
暇を持て余しているお母さんの作品だろう。
玄関のカウベルをカランカランと音を立ててドアを開けると、白い棚にガラスが張ってある、理科室の棚の様だ。ギッシリ並んだその棚の中は、薬草がガラス瓶に入っている。
どうやら、お父さんは『薬師ネギ』を真面目にやっている様だ。
考古学者だったのに、よく薬剤師の真似事も出来るなぁ……まぁ、お父さんは凝り性だから決めたらとことんやっちゃうんだよね。
「誰だー……ああ、李都か。どうした?」
「お父さん、風邪の人とか最近出てる?」
「んー、多少居るが、それ程でもないな。それがどうかしたのか?」
「さっき、皆で雪かきとかしてたんだけど、皆汗かいてて直ぐにコートとか脱いでて……皆二日に一回は雪かきしてるでしょ? 風邪は引きそうだなって、思ってゼキキノコの飲み薬をお父さんに頼みに来たんだけど……」
「ああ、なんだそんな事か。獣人はウイルス性の風邪には弱いが、普通の風邪なら直ぐに治る。人間とは少しばかり頑丈さが違うみたいだぞ」
「そうなんだ」
それなら、皆お風呂に入ってあったまってゆっくりして貰えば大丈夫かな?
お父さんがジッと私を見てきて、私のおでこに手を当てる。
「李都、熱が少しあるみたいだぞ。薬を作ってやろうか?」
「あー、そういうんじゃないよー。それにゼキキノコの飲み薬をもう飲んでるから、大丈夫」
「ふむ。貧血気味なら、こっちの薬もある」
白い花とニンジンの干からびた様なものをお父さんが出して、「うっ」と私が言うと、「出来上がるまで姫を見ていくといい」と、指で奥の部屋を指さす。
奥の白い扉を開けると、そこからは生活空間らしく、少し異世界の雰囲気とはかけ離れた現代風の『懐かしの我が家のリビング』という感じだ。
テーブルに椅子、食器棚に壁にはカレンダー、あと何故か本棚が壁にギッシリである。ついにお父さん、書斎には本が埋まらなくなったとみえる。
お母さんが暖炉の前でパッチワークをしていて、足元の籠には姫ちゃんが丸くなっている。
「お母さん、姫ちゃんはどんな感じ?」
「あら、李都じゃない。姫ちゃんは順調よ~」
籠の中で眠る姫ちゃんを覗き込んで、気持ちよさそうに寝ているから大丈夫そうだ。
お父さんが可愛がっているのか、真っ白なレースのクッションやタオルケット生地で作ってある骨の形をした玩具やぬいぐるみにボールなんかも置いてあって、まさにお姫様状態。
網籠も可愛いバスケットだしね。
「お父さん、可愛がってるね」
「そりゃ、李都が居なくなってお父さんの寂しさを姫ちゃんが埋めてくれてたんだもの。可愛がるわよ」
「我が家は犬は一匹だけではなかったのかね?」
「だって、ボン助は李都を追って行っちゃったんだもの。仕方ないじゃない」
「あれには私も驚いた」
「ボン助、よっぽど李都に置いて行かれたくなかったのね。ふふっ、可愛いわよねぇ」
それは同感である。ボン助は私の良い弟であり、何気に兄貴気取りでもあるのだ。
そんなボン助がパパになるのだから、感慨深いものがある。
「姫ちゃんの出産はいつぐらいになりそうなの?」
「2月に入って直ぐじゃないかしら? 妊娠の兆候が分かるのは妊娠して3週間くらいっていうし、二ヶ月で生まれるみたいだからね」
「そっかぁ。イクスはギリギリ出産見てから行けるかなー?」
「シオン君、王都に行くのよね? 王都のケーキ屋さんで美味しいところがあったから、お土産お願いしちゃいましょ」
「お母さん、イクスは遊びに行くんじゃないんだよ?」
「いいじゃない」
私達がそんな話をしていると、お父さんが「姫が起きる。騒がしくするな」と、私に薄緑色の液体の入ったガラス瓶を渡してきた。
「ほら。貧血にはこれがいい。女の子なんだからこういう時はウロウロせずに、家の中で大人しく過ごしなさい」
「はぁーい。お父さん、ありがとー」
「李都、また遊びにいらっしゃいよ」
「はぁーい。直ぐ近くなんだから、お父さんとお母さんも遊びに来てね」
お父さんにお礼を言って、お母さんに玄関まで見送ってもらって、また来た道を帰っていた。
もう雪かきは終わった様で、中央道路の休憩所からは皆撤収した後だった。
「あ、また雪だ……」
大型魔獣の討伐の後は、割りと早く雪が止むのに、今年は少し長引いていた。
多分、賢者の森で討伐していないので、その事も影響しているとお祖父ちゃんは言っていた。
賢者の森で大型魔獣を倒せば、春は早く来る。
賢者がこの世界で有り難がられる理由。それが賢者の森を自由に行き来出来る賢者という存在達なのだろう。
空を見上げて、少し空模様が曇ってきたかな……そう思ってたら、くらっと目が回った。
あ……貧血だ……
そう思った時には、雪の上に倒れていて、どうしよう……しっかり立ち上がらなきゃと、思うのに目の前が白くて起き上がれなかった。
この時期は軍の人は長期遠征で居ないから、住民は自分達で身を護る為にこうしているのだという。
軍の人達が帰ってくる頃には溶けてなくなるので、経費も掛からないし、身を守れるしで、毎年やっているのだとか。
今年はイクシオンが居るから、イクシオンもそのお手伝いによく行っている。
ビブロースさんやお屋敷の人達が中心にやっていた事なので、私も今年は参加ですよー!
「温かいスープですよー」
「こちらはアップルウィスキーですよ」
「お疲れ様です。軽食を準備していますよ」
我が家のメイド部隊がヴァンハロー領の中央道路で大きなかまくらを建てて、中で飲み物や軽食を提供して休憩所も兼ねている。
大体、朝方から昼ぐらいまでの作業で、夜積もった雪を二日に一回、除去している感じかな?
領の子供達は周りで雪遊びをしていて、デンちゃんが一緒になって遊んでいて、雪の中からボンッといきなり顔を出したりしている。
子供達の乗り物としても遊んでもらっているから、デンちゃんにはいい遊び相手のようだ。
「リト、出てきて大丈夫か?」
「平気だよー。もう、心配性なんだから」
実は、子作りして三日目に生理になってしまって、いったん中止で今日は二日目なんだけど、ゼキキノコの飲み薬も飲んだし、家でじっとしているのも、体が鈍っちゃいそうだったから、メイドさん達のお手伝いに出てきた。
イクシオンに頬をペタペタ触られて、意外と温かくてマジマジと顔を見ると、額には汗をかいている。
他の人も見てみれば、汗をかいていてコートを脱いでいた。
「イクス、汗を拭かないと。そのままにしてると風邪ひいちゃうよ?」
「しかし、まだ動くからな。軍では上半身裸で朝は体術の練習もしていたし、平気だぞ?」
ひえっ! どこのスパルタ王国だ! 軍人怖い!
タオルを出して、イクシオンの顔の汗を拭いて飲み物を手渡すと、他の人にも乾いたタオルを提供に走り回り、気付いたら私も汗をかいていた。
意外とかまくらは暑いし、体温の高い獣人さんが集まっているせいか、熱気もある。
「これが終わったら、大浴場に皆を入れなきゃね」
汗が急激に冷えて乾いたら、熱を出しやすいし……お父さんの所に行って、ゼキキノコの飲み薬を発注しておこう。多分、何人かは風邪を引いてしまうだろうし。
あと姫ちゃんの様子も見てこよう。
「よし。行動あるのみ!」
私が休憩所から出て、しばらく歩くと中央通りの四つ程建ち並んだ大きい木造りの家の一つに『薬局』と看板が出ている場所がある。
緑色の壁に塗ってある家、そこがお父さんとお母さんの新居。
玄関周りは雪が無く、玄関の周りに四段重ねの雪だるまが幾つも並んでいる。
暇を持て余しているお母さんの作品だろう。
玄関のカウベルをカランカランと音を立ててドアを開けると、白い棚にガラスが張ってある、理科室の棚の様だ。ギッシリ並んだその棚の中は、薬草がガラス瓶に入っている。
どうやら、お父さんは『薬師ネギ』を真面目にやっている様だ。
考古学者だったのに、よく薬剤師の真似事も出来るなぁ……まぁ、お父さんは凝り性だから決めたらとことんやっちゃうんだよね。
「誰だー……ああ、李都か。どうした?」
「お父さん、風邪の人とか最近出てる?」
「んー、多少居るが、それ程でもないな。それがどうかしたのか?」
「さっき、皆で雪かきとかしてたんだけど、皆汗かいてて直ぐにコートとか脱いでて……皆二日に一回は雪かきしてるでしょ? 風邪は引きそうだなって、思ってゼキキノコの飲み薬をお父さんに頼みに来たんだけど……」
「ああ、なんだそんな事か。獣人はウイルス性の風邪には弱いが、普通の風邪なら直ぐに治る。人間とは少しばかり頑丈さが違うみたいだぞ」
「そうなんだ」
それなら、皆お風呂に入ってあったまってゆっくりして貰えば大丈夫かな?
お父さんがジッと私を見てきて、私のおでこに手を当てる。
「李都、熱が少しあるみたいだぞ。薬を作ってやろうか?」
「あー、そういうんじゃないよー。それにゼキキノコの飲み薬をもう飲んでるから、大丈夫」
「ふむ。貧血気味なら、こっちの薬もある」
白い花とニンジンの干からびた様なものをお父さんが出して、「うっ」と私が言うと、「出来上がるまで姫を見ていくといい」と、指で奥の部屋を指さす。
奥の白い扉を開けると、そこからは生活空間らしく、少し異世界の雰囲気とはかけ離れた現代風の『懐かしの我が家のリビング』という感じだ。
テーブルに椅子、食器棚に壁にはカレンダー、あと何故か本棚が壁にギッシリである。ついにお父さん、書斎には本が埋まらなくなったとみえる。
お母さんが暖炉の前でパッチワークをしていて、足元の籠には姫ちゃんが丸くなっている。
「お母さん、姫ちゃんはどんな感じ?」
「あら、李都じゃない。姫ちゃんは順調よ~」
籠の中で眠る姫ちゃんを覗き込んで、気持ちよさそうに寝ているから大丈夫そうだ。
お父さんが可愛がっているのか、真っ白なレースのクッションやタオルケット生地で作ってある骨の形をした玩具やぬいぐるみにボールなんかも置いてあって、まさにお姫様状態。
網籠も可愛いバスケットだしね。
「お父さん、可愛がってるね」
「そりゃ、李都が居なくなってお父さんの寂しさを姫ちゃんが埋めてくれてたんだもの。可愛がるわよ」
「我が家は犬は一匹だけではなかったのかね?」
「だって、ボン助は李都を追って行っちゃったんだもの。仕方ないじゃない」
「あれには私も驚いた」
「ボン助、よっぽど李都に置いて行かれたくなかったのね。ふふっ、可愛いわよねぇ」
それは同感である。ボン助は私の良い弟であり、何気に兄貴気取りでもあるのだ。
そんなボン助がパパになるのだから、感慨深いものがある。
「姫ちゃんの出産はいつぐらいになりそうなの?」
「2月に入って直ぐじゃないかしら? 妊娠の兆候が分かるのは妊娠して3週間くらいっていうし、二ヶ月で生まれるみたいだからね」
「そっかぁ。イクスはギリギリ出産見てから行けるかなー?」
「シオン君、王都に行くのよね? 王都のケーキ屋さんで美味しいところがあったから、お土産お願いしちゃいましょ」
「お母さん、イクスは遊びに行くんじゃないんだよ?」
「いいじゃない」
私達がそんな話をしていると、お父さんが「姫が起きる。騒がしくするな」と、私に薄緑色の液体の入ったガラス瓶を渡してきた。
「ほら。貧血にはこれがいい。女の子なんだからこういう時はウロウロせずに、家の中で大人しく過ごしなさい」
「はぁーい。お父さん、ありがとー」
「李都、また遊びにいらっしゃいよ」
「はぁーい。直ぐ近くなんだから、お父さんとお母さんも遊びに来てね」
お父さんにお礼を言って、お母さんに玄関まで見送ってもらって、また来た道を帰っていた。
もう雪かきは終わった様で、中央道路の休憩所からは皆撤収した後だった。
「あ、また雪だ……」
大型魔獣の討伐の後は、割りと早く雪が止むのに、今年は少し長引いていた。
多分、賢者の森で討伐していないので、その事も影響しているとお祖父ちゃんは言っていた。
賢者の森で大型魔獣を倒せば、春は早く来る。
賢者がこの世界で有り難がられる理由。それが賢者の森を自由に行き来出来る賢者という存在達なのだろう。
空を見上げて、少し空模様が曇ってきたかな……そう思ってたら、くらっと目が回った。
あ……貧血だ……
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