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2章

古傷 ※R18

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 手渡されたスケスケなセクシーな初夜ランジェリー……
これは、メイドさん達が寝室のクローゼットに何故か入れたやつですね?

「……たまには、こういうのも良いかと」
「あー……うん、着て欲しいんだね?」
「まぁ、そういうことだ」

 照れないで欲しい。恥ずかしくて爆死しそうなのは、私ぃ~ッ!!
まぁ、選んでくれたのはふんわりシフォンのブラとショーツで、ちょっと透けてさえいなければ、夏には寝間着代わりに着ても良いかもしれないくらいではあるんだけどね。肩口は半袖の丸みのある感じで胸の所にあるレースのリボンは少し大きめで可愛い。でもこのリボンを解くと脱げちゃうから、可愛さに騙されてはいけない。

 まぁ、冬には向かないとは思うよ?
でも、こういうのはエッチなの目的だから、冬も夏も関係は無さそうだけどね。

「えっと、似合います?」

 着てはみたものの、恥ずかしさで倒れそうである。
流石に乳首まで丸見えなのは恥ずかしいから、胸に手は置いているけど、イクシオンの反応を見てみれば、口元を押さえて目を閉じて「……可愛い」と、満足いただけたようだ。

 一応、夜はしませんよって宣言はしてあるから、目だけでも楽しんで頂けたらいいですよー。
まぁ、風邪ひくといけないから、モコモコのガウンを上に羽織ったら、イクシオンの耳がぺしゃんこになったけどね。

「ガウンを着てしまうのか? 折角、可愛いのに」
「だって、これじゃ着てるかどうかわからないし、風邪ひいちゃうよ」
「獣人の体温は高い上に、筋肉質なオレは発熱しているから、オレに抱きついていれば大丈夫だ」
「わーっ、ガウンから手を放しなさい! メッ! キャーッ」

 朝も同じような攻防があった気がするのは気のせいだろうか? ペイッとガウンを剥ぎ取られてイクシオンにベッドにお持ち帰りされてしまった。
でも、まだベッドの中は冷えていて、イクシオンの言葉通り、体温の高い体に寄りつかせてもらった。

「ふぇーっ、寒いよぅ」
「なに、直ぐに温かくなるさ」

 布団の中でギューッとイクシオンに抱きしめられて、腕の温かさに「確かに熱でもあるんじゃないか?」というくらいには、熱い体温に布団の中はホコホコと温かくなっていく。
筋肉の発熱が凄い……
ガウンだけのイクシオンの胸に手を当てると、相変わらず筋肉質で大きな古傷も見える。
古傷の上を指でなぞると、イクシオンが私の頭を撫でて「誘ってる?」と聞いてきた。

「違うよー。この胸の傷、結構大きいね。やっぱり魔獣討伐の傷?」
「ああ、それか……父にやられた」
「え?」
「まだ幼児だった頃だから、記憶にあまりないから、そんな顔しないでくれ」
「……ごめんなさい……」
「リトが謝る事じゃない。それに、死ななかったしな」

 でも、何十年も前の傷がこんな風に残るのは、辛いよ……
第一、小さな子を傷つけるとか、大人の風上にもおけない。
イクシオンの胸の傷にキスをして、「リ・ミーフ」と小さく唱えてみる。
この世界には無い回復という魔法が、小さなイクシオンに届く様に、過去は変えられないけど、これ以上はイクシオンが傷を付けなくて済むように、私は願わずにはいられない。

「リトは優しいな……オレは今が幸せだから、充分救われている」
「そんなこと、ない……」
「頼むから、オレの過去で泣きそうな顔をしないで」

 イクシオンの顔を見上げれば、ゆっくりキスされて、合わせた唇の温かさにイクシオンが自分の目の前に居て、生きている事を実感できる。
温かい舌がぬるっと口内に入り込み、舌の上を舌がなぞって絡みついて、吐息ごと全部吸い込まれる様に吸い上げられた。

「んっんぅ」

 腰がゾクリとして、腰から力が抜けていくような感覚。
蕩けてしまいそう、幸せ__うん、イクシオンが幸せな様に私も幸せを感じている。

「イクス。私も、一緒にいられて幸せだよ」
「リト。今日は可愛い姿だけで、満足しようとしたのに……我慢できなくなる」
「もぅ、エッチ。でも、してもいいよ?」

 明日は少し腰が痛くなりそうだけど、イクシオンは遠征から戻ってきたばかりで朝のエッチだけで、興奮が鎮まったとは思えないから、充分味わってもらって、残りの日々を一緒にまったり過ごせればいいや。

「折角可愛い姿になってもらったのに、脱がせるのは惜しいな」
「じゃあ、止めておく?」
「それはもっと惜しい」

 キスを交わして、私もイクシオンのしたをチュウと吸うと、手がお尻に回されてお尻側からショーツの中に手が入り、秘所に指がくちゅっと音を立てて入り込む。

「あっんっ」
「リト、凄い濡れてる」
「だって、イクスと、したくなっちゃったから……エッチな子は嫌い?」
「いや、オレにだけ、そのエッチなところを見せて」

 もう一度口づけをして、イクシオンが指で愛撫する度に私は甘く鼻にかかる様な声で喘いで、子宮の奥が熱を持ってきゅんきゅんと疼く。
指が増やされて、下から上に抜き差しされる度に蜜壺から愛液が溢れて流れていく。

「リト、どうして欲しい?」
「イクスの、挿入れて」
「指を? もう三本も咥え込んでいるのに、まだ欲しい?」

 フルフルと頭を振って、意地悪なイクシオンを涙目で睨みつける。
目を細めるイクシオンの下半身に手を伸ばして「これ、です」と握ると、思ったより熱を持っていて硬い事に驚いて手を引っ込めようとすると、手を掴まれて肉竿を持ったまま上下に動かされた。

「はぅっ、痛く、無いの?」
「もう少し強く握ってくれても大丈夫だ」
「はわわっ、恥ずかしぃ、手、放してぇ……ふえぇ~っ」
「恥ずかしがるところが可愛すぎる」
 
 普通に恥ずかしいってば! 男の人の、初めて握っちゃったよーっ!!
いや、自分のアソコに指とか入れて気持ち良くさせて貰ってるから、私もお返しはしたいとは思っていたけど、ハードルが高くて……
あと、やっぱり恥ずかしい。

「っ、はぁ……リトに握られてると思うだけで、イケそうだ」
「そうなの? 出す?」
「いや、出すのはリトの 胎内なかにだけと決めている」
「はぅっ」

 色っぽい声で変な事をキッパリ言わないで~っ!
手を放されて、ショーツを脱がされると足の間にイクシオンが体を割り込ませて、熱く滾った剛直を私の膣内へ挿入させた。

「ふあぁっ、はいって、くるぅ……あっ、んんっ」
「手で扱かれるより、こっちの方が断然気持ちいい」
「あっ、んっ、あっ、あっ」

 イクシオンが腰を動かし、喘ぎ声は一定のリズムで出て気持ち良さもじわじわと広がっていく。
さっきの手に握っていた大きいモノが自分の膣内を掻き回しているなんて、少し不思議な感覚でもある。
あんなの入っちゃうんだ……私のお腹の奥って、あんなに長いの入っちゃうって凄い……
気持ち好さが一定に達して、それを超えた時、快感が閃光のように弾けて、ふわふわした浮遊感にお腹の奥がキュッとすると、ズンッと子宮口まで押し上げられて、イクシオンがブルッと震えるとビュルビュルと精子が子宮口の小さな孔の中に注ぎ込まれていった。

「はにゃっ、お腹、駄目、ああんっ、熱ぃ……溢れちゃう、はぁんっ」

 ドクドクと脈打つ肉棒に、「お腹の中、いっぱいにされちゃう……」と、小さく呟いたら、イクシオンに「もっといっぱいにしてあげよう」と囁かれて、ゾックリと腰にきて、頭を振ったら、続けざまに二回戦目に突入されてしまった。 
する前に少し思った「腰が痛くなるかも?」は、次の日に鈍痛でヒョコヒョコ歩く私が居る事で推して知るべし!
イクシオンはスッキリ笑顔で、私はお疲れ気味な顔で笑うしかない。

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