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2章

新年の帰還 ※R18

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 新年の朝一番に目を開けると、そこには正装に近い軍服姿のイクシオンが居た。
討伐したばかりで、今頃、大型魔獣の残骸を処理しているかと思ったのだけど……
はて? 夢かな?

「リト、おはよう。新年おめでとう」
「あ、はい。おめでとうございます。そして、おはようございます?」
「まだ少し、寝ぼけているみたいだな」

 体を起こすと髪を手櫛で整えられて、おでこにキスをしてから まぶたの上にもキスをしてきた。
お正月の夢ってお正月前に見ると良いんだっけ? 後だっけ?
とりあえず、夢なら尻尾のフサフサを堪能してしまおう。
だって、正装で きらびやかな旦那様のフサフサ尻尾を、今堪能せずして、いつするというのか!
夢ならサッサと触って堪能しまくろう!!

 イクシオンの腰に抱きついて尻尾をにぎにぎ握る。
このしっとりサラサラした感じは、お風呂上りに香油を付けた感じかな? 
うむ。良き。

「リト……、そろそろちゃんと目を覚まして欲しいんだが?」
「やだ。イクスの尻尾を思う存分、堪能しないと……起きた時に寂しいじゃない」
「それは、オレの帰りを待っている間、寂しかったという事で、いいのか?」
「当たり前だよ。目が覚めてもイクスが横に居ないんだよ? 寂しいじゃない……」
「参ったな。アーデルカ達を待たせているんだが」

 ギュウギュウと腰に抱きついていたら、イクシオンのズボンの股間部分が盛り上がってきたのは気のせいかな?
夢の中でこんな事があるなんて、私ったら欲求不満!? 若いのにそんな淫らな奥さん? いやいや、ベッドでもうひと眠りしよう。
ソロッと腰から手を放して、布団を手に掴む。

「えーと……おやすみなさい……」
「待て、リト。ここまで熱烈に歓迎されて、妻を一人寝させるわけが無いだろう?」
「あの、大丈夫です~、間に合ってますぅ~」

 布団を掴む私と、引き剥がそうとするイクシオン。
流石に、私もこの力一杯の攻防は夢じゃないと気付き始めたよ……本物だ。
いつの間に帰ってきたんだろう? いやいや、でもね帰ってきていきなり十八禁の展開はいけないと思うの。

「イクス、アンゾロさん達が待っているんでしょう? 行ってくださーい」
「大丈夫だ。リトが協力してくれたら、直ぐに終わるから」
「わーっ! わーっ! 朝から何言ってるのー! キャーッ!」
「リト、往生際が悪いぞ」

 ペイッと布団を剥がされて、ベッドの上に危険な狼さんが上がってきたよ!
ひえぇぇーっ!! ベッドの上にずり上がると逃げ場は勿論ないわけで、両手で壁ドンならぬ、ベッドのヘッドボードにドンである。

「イクス、とりあえず、お帰りなさい……」
「ただいま。お帰りのキスはしてくれないのか?」
「はぅ、……目、瞑って」

 イクシオンが目を閉じて、ゆっくりと顔を近付けて目を閉じ唇を軽く押し当てて、直ぐに唇を離すと、イクシオンが目を開けて微笑む。
イケメン眩しいッ!

「オレからは、ただいまのキスだな」
「え……んっ、んぅ」

 食む様に口づけられて、口を開けると角度を変えて何度も繰り返しキスをされた。
ただいまのキスにしては、しつこ過ぎないでしょうか? はうぅ~っ、息が持たない。静まり給え、狼な旦那様!
唇が離れて、イクシオンが私の頬を触り、その手が下に下りていく。
プチプチと私のパジャマのボタンを外して、ブラの前紐をシュルシュルと贈り物のリボンを解く様に楽しそうに引き抜いた。

「朝からは、恥ずかしいから……あの、その」

 窓の外の燦々さんさんとした朝日を指さしてみる。

「ああ、そうだな。流石にここは一階だからな……」

 シャッとカーテンが閉められて、私の言っている意味が通じていなかったが「これで安心かい?」と、チュッとキスをされて、チキンな私はやはりチキン! 大人しく頷いてしまった。
 ヘッドボードを背もたれにして、足をM字に開かされるとか羞恥プレイも良いところなのだけど、イクシオンが自分の手から白い手袋を口で引き抜いて、私のパンツのクロッチ部分を指でなぞって「こんなに濡れてるなんて、リトは寂しがり屋だな」とか言われるよりはマシだったかも……
いや、両方含めて、恥ずかしいプレイだよ!?

「やんっ、んっ、そんな、とこ、だめ、ひゃんっ」
「もうオレの指が濡れてきた。リトのココは泣き虫かな?」
「ひゃっ、やぁ……恥ずかしいこと、言っちゃ、だめ、だからぁ、んっんっ」

 もうパンツは指で上から弄られすぎて、びっしょり濡れて脱いじゃいたいのに、イクシオンが見ている前でそんな事したら、直ぐに挿入れられそうで怖いものがある。

「リトの小さい粒が、ぷっくりしてしてきた」
「やだぁ、んっ、触っちゃ、駄目だから、やっ、んっ」

 パンツ越しに肉芽を指で上下に擦られて、敏感過ぎる刺激に体は小刻みに 痙攣けいれんして、パンツの染みは余計に広がってシーツも濡らしていく。

「やっ、んっ、あっ、あ、あっ、ひうっ」

 あと少しでイキそうな手前で、イクシオンの指が止まる。
お腹の奥がウズウズとこの先の刺激を欲しがって、私はイクシオンに縋る様な目を向けた。

「オレが欲しい?」
「はぁ、んっ、ほし、ぃ……早く、ちょうだい」

 冷静に考えれば、これは少し言い方が不味かったのだけど、イクシオンがズボンの前を寛げて勃起したモノを出した。
私のパンツをズラして、指で花弁を割り開くと、とぷっと蜜が零れる。

「リトのココは、ピンク色で誘う様な色をしてる」
「やっ、誘ってな……っ、あうっ、まだ、挿入れちゃ、駄目ぇ……きゃぁっ」

 グッと押し当てられ、狭い隘路をグッグッと雄根が挿入していく。
その圧迫感とキツさに思わず、小さく悲鳴が上がる。

「流石に、愛液が足りないな」
「ハッ、ひ、抜いて、んぅ、ハァ……硬いよ」
「そうだな、もう少し濡らそうか」

 イクスの指が再び肉粒を指で撫で、先程までの快感が擦られ度に戻ってきて、小さく腰が揺れ始める。

「あ、はぁ、んっ、あっ、クリ、弄っちゃ、だめぇ、んっんん」
「ココに集中して。イッてぬるぬるになったら、全部挿入れてあげるから」
「やんっんっ、イッちゃ、う、イクス、もっ、駄目、イクの、あっ、あっああ……ッ!」

 意識がクリトリスに全部持っていかれて、目の前が真っ白になってイク瞬間、ずぶずぶとイクシオンの肉棒が最奥まで入り込み、イクシオンを感じながらイッてしまった。
キュンキュンと勝手に体の奥が反応して、イッたのにイキそうになって、イクシオンにしがみ付いて抱きつくと、イクシオンがくぐもった声を出した。

「うっ……、リ、ト、それは、ヤバい」
「はふっ、らって、きゅーきゅー、お腹、して、はぁ、んっ、どうにか、してぇ、んんっ」
「リト、射精るから……ッ」
「ひゃんんっ、あ、くぅ、熱ぃん」

 奥にドクドクと流し込まれた白濁に、ふるふると体を震わせてイクシオンを見ると、噛みつくようにキスをされて、愛液と精液で滑りがよくなったのか、追い上げるようにガツガツと穿たれた。

「あっ、あ、あ、あ、んっ、激しいの、あうっ、でも、イイ、もぅ、イッちゃう」

 お腹がキュッと締まって快感が弾けて、気持ちよさの余韻に浸っていると、寝室のドアがコンコンとノックされた。

「イクシオン殿下、そろそろリト様に、新年のご支度をさせてあげてください」

 アーデルカさんの声に、イクシオンが少し乱れた呼吸を整えて「わかった。しばらく待ってくれ」と答える。
ううっ、恥ずかしい―ッ!!
これはナニしてたかバレてる? うわぁーん。新年早々、アーデルカさんの顔が見れないッ!!

 涙目でイクシオンを見上げると、「その顔は反則だ」とまたキスをされて、私が新年用のドレスに着替えたのは一時間後だった。
なんでこんな事にぃ~っ!!
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