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1章
冬越え準備中
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忙しい忙しい、時間が足りない!
そんな日々を過ごす私は、夏が終わりに近付き、秋になる前に、夏の収穫と夏の日差しに天日干しを大量に作るのよ! と、息巻いている。
私がドジって、小屋を閉め出されたビブロースさん……なんと、小屋に入れない間に森で食べれる野菜を畑に植え替えしてくれていたらしく、豆が今収穫時で、カボチャも小さいのが実り始めているから、秋には収穫できる。
ザルの中に鞘から出した豆を乾かし中で、乾燥したら長期保存の豆完成である。
食べる時は水で戻していくだけ!
トマトと茄子は一週間分は採れなかったけど、それでも鈴生りなので、いっぱい採れたよ!
「収穫祭よー!」
「ゲキョ?」
「ワオン!」
まぁ、本当の収穫祭は秋なんだけどね。
今年こそは……ゲッちゃんに負けずに『ゲンソウキノコ』を手に入れるのだ!
目星は付けてあるから、収穫出来たらウィリアムさんにお土産にするんだー!
きっとお屋敷の人達にも食べて貰えるだろうし、だから、絶対に今年こそはゲッちゃんに食べつくされない様にしたい。
ゼキキノコも今年も大量に採るつもり。
何だか分かんないけど、熱中症でゼキキノコがとても重宝されたとかで、お金をいっぱいイクシオンからもらったんだよね。
あと、ネッククーラーもいつの間にか商品化されてしまったらしくて、来年分も発注が来ているって話だったよ。
こちらも、イクシオンから書類を渡されてイクシオン名義から私名義に変更手続きをとる様に言われたんだけど、ゼキキノコで小金持ちの私としては、そんなにお金は要らないし、基本、森の中なのでお金があっても使えない。
だから、私が街で買い物をする時に足りない時にそこから、イクシオンに出してもらうって、話にしておいたよ。
書類を書くのが面倒だったわけじゃない。うん。違うよー。そんなこと無いよー。
今はセッセと干し肉を天日干し網を二枚使って、大量生産中。
作って良かった天日干しの大きな網!! 大量のジャーキーにヨダレを垂らすデンちゃんとの攻防もあるけど、そんな時は、ウィリアムさんから貰った、巨大な骨でデンちゃんの気を紛らわしておく。
もう食いしん坊すぎて、可愛いやら困ったやらですよ。うちの子が可愛いッ!!
夏毛の薄さから段々と冬毛になろうとする時期……モフ毛を集めてしまうのは、モフモフを愛する者の義務だと思うの。
ブラッシングしたら、もう一匹分出来そうな毛に「うわぁお」と思わず声が出ちゃうけど、丸めて毛玉ボールにしてコレクションにしておくのである。
マイコレクション! ゲッちゃんの羽もコレクションしてるけどね。
そして今年も贈られたイクシオンの毛で作ったケープ。
去年の物も充分使えるから、ファーを移しかえるだけでも良い、と思ったのは内緒である。
今年の物もフサフサで最高のファーですよ!
既に冬越えのお買い物もし終わっているから、イクシオンと会うのは今年はもう無くてね。
これからイクシオンは長期遠征に行ってしまうらしい。
なんでも、王様が無茶苦茶スケジュールで討伐を押し付けてきたらしい。
やる事がセコいオジサンだなー! と、思わなくもないけどね。
本来なら、もう少し秋に近付いた頃に出発のはずが、今年の夏は隊員たちが熱中症で体調を悪くする事もなかったのもあり、「そんなに元気ならば今回は早めに討伐をしてこい」と言い、夏も終わらないうちに出発が決まってしまったのだ。
今、イクシオンは出発準備で忙しいらしく、少しションボリである。
もう一回ぐらい会えると思っていたし、大分上達してきた弓をお披露目しておきたかったのに、王様にパンチしてもし足りない! と、頬を膨らませる程度には、私もイクシオンにべったりと甘えられる様になってきた。
今年の大型魔獣はアイシーククルカンという、素早い動きの氷系魔獣で、猿に似ている魔獣なんだって。
素早いだけだから、体も大きいらしいし、攻撃は当たりやすいから、怪我もしないで終わると思うと言っていた。
でも、心配なので傷薬とゼキキノコを持たせておいた。
『魔法の槍を持って行くから、心配要らないよ』と、笑っていたけど、心配はするに決まってる。
傷だらけの体を知っているから、これ以上は新しい物を増やしてほしくない。
部下の人達にも元気で帰って来て欲しい。
平和な日本で暮らしていた私にとって、戦争や軍に出兵される様な事は、生まれるずーっとずーっと前の話で、お爺ちゃん達ですら戦争後に生まれた人達だから、身近に無い分、紛争地帯に暮らす人や、難民キャンプの人達に、戦争を終わらせる為に出掛ける外国の人達はテレビの中だけの事。
身に降りかかって初めて、恐ろしい事で、怖い事だと知る。
でも、その人たちが居なかったら、終わらない物もあって、ましてや、ここは異世界で、相手は魔獣なのだから、誰かが倒さなきゃいけなくて、それがイクシオン達軍の人達なのだ。
ただ、無事に帰ってくる事だけを祈って待つのは、自分の性には合わないから、こうして体を動かして、色々とやる事を見付けて気を紛らわせている。
色々悪いことを考えるのは、怖いからね。
人の心配より、自分の心配で、今年も無事に冬を超えなきゃいけない。とにかく、生き抜くことを第一にしなきゃね。
そんな日々を過ごす私は、夏が終わりに近付き、秋になる前に、夏の収穫と夏の日差しに天日干しを大量に作るのよ! と、息巻いている。
私がドジって、小屋を閉め出されたビブロースさん……なんと、小屋に入れない間に森で食べれる野菜を畑に植え替えしてくれていたらしく、豆が今収穫時で、カボチャも小さいのが実り始めているから、秋には収穫できる。
ザルの中に鞘から出した豆を乾かし中で、乾燥したら長期保存の豆完成である。
食べる時は水で戻していくだけ!
トマトと茄子は一週間分は採れなかったけど、それでも鈴生りなので、いっぱい採れたよ!
「収穫祭よー!」
「ゲキョ?」
「ワオン!」
まぁ、本当の収穫祭は秋なんだけどね。
今年こそは……ゲッちゃんに負けずに『ゲンソウキノコ』を手に入れるのだ!
目星は付けてあるから、収穫出来たらウィリアムさんにお土産にするんだー!
きっとお屋敷の人達にも食べて貰えるだろうし、だから、絶対に今年こそはゲッちゃんに食べつくされない様にしたい。
ゼキキノコも今年も大量に採るつもり。
何だか分かんないけど、熱中症でゼキキノコがとても重宝されたとかで、お金をいっぱいイクシオンからもらったんだよね。
あと、ネッククーラーもいつの間にか商品化されてしまったらしくて、来年分も発注が来ているって話だったよ。
こちらも、イクシオンから書類を渡されてイクシオン名義から私名義に変更手続きをとる様に言われたんだけど、ゼキキノコで小金持ちの私としては、そんなにお金は要らないし、基本、森の中なのでお金があっても使えない。
だから、私が街で買い物をする時に足りない時にそこから、イクシオンに出してもらうって、話にしておいたよ。
書類を書くのが面倒だったわけじゃない。うん。違うよー。そんなこと無いよー。
今はセッセと干し肉を天日干し網を二枚使って、大量生産中。
作って良かった天日干しの大きな網!! 大量のジャーキーにヨダレを垂らすデンちゃんとの攻防もあるけど、そんな時は、ウィリアムさんから貰った、巨大な骨でデンちゃんの気を紛らわしておく。
もう食いしん坊すぎて、可愛いやら困ったやらですよ。うちの子が可愛いッ!!
夏毛の薄さから段々と冬毛になろうとする時期……モフ毛を集めてしまうのは、モフモフを愛する者の義務だと思うの。
ブラッシングしたら、もう一匹分出来そうな毛に「うわぁお」と思わず声が出ちゃうけど、丸めて毛玉ボールにしてコレクションにしておくのである。
マイコレクション! ゲッちゃんの羽もコレクションしてるけどね。
そして今年も贈られたイクシオンの毛で作ったケープ。
去年の物も充分使えるから、ファーを移しかえるだけでも良い、と思ったのは内緒である。
今年の物もフサフサで最高のファーですよ!
既に冬越えのお買い物もし終わっているから、イクシオンと会うのは今年はもう無くてね。
これからイクシオンは長期遠征に行ってしまうらしい。
なんでも、王様が無茶苦茶スケジュールで討伐を押し付けてきたらしい。
やる事がセコいオジサンだなー! と、思わなくもないけどね。
本来なら、もう少し秋に近付いた頃に出発のはずが、今年の夏は隊員たちが熱中症で体調を悪くする事もなかったのもあり、「そんなに元気ならば今回は早めに討伐をしてこい」と言い、夏も終わらないうちに出発が決まってしまったのだ。
今、イクシオンは出発準備で忙しいらしく、少しションボリである。
もう一回ぐらい会えると思っていたし、大分上達してきた弓をお披露目しておきたかったのに、王様にパンチしてもし足りない! と、頬を膨らませる程度には、私もイクシオンにべったりと甘えられる様になってきた。
今年の大型魔獣はアイシーククルカンという、素早い動きの氷系魔獣で、猿に似ている魔獣なんだって。
素早いだけだから、体も大きいらしいし、攻撃は当たりやすいから、怪我もしないで終わると思うと言っていた。
でも、心配なので傷薬とゼキキノコを持たせておいた。
『魔法の槍を持って行くから、心配要らないよ』と、笑っていたけど、心配はするに決まってる。
傷だらけの体を知っているから、これ以上は新しい物を増やしてほしくない。
部下の人達にも元気で帰って来て欲しい。
平和な日本で暮らしていた私にとって、戦争や軍に出兵される様な事は、生まれるずーっとずーっと前の話で、お爺ちゃん達ですら戦争後に生まれた人達だから、身近に無い分、紛争地帯に暮らす人や、難民キャンプの人達に、戦争を終わらせる為に出掛ける外国の人達はテレビの中だけの事。
身に降りかかって初めて、恐ろしい事で、怖い事だと知る。
でも、その人たちが居なかったら、終わらない物もあって、ましてや、ここは異世界で、相手は魔獣なのだから、誰かが倒さなきゃいけなくて、それがイクシオン達軍の人達なのだ。
ただ、無事に帰ってくる事だけを祈って待つのは、自分の性には合わないから、こうして体を動かして、色々とやる事を見付けて気を紛らわせている。
色々悪いことを考えるのは、怖いからね。
人の心配より、自分の心配で、今年も無事に冬を超えなきゃいけない。とにかく、生き抜くことを第一にしなきゃね。
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