47 / 167
1章
街に出発
しおりを挟む
スカイブルーに黄色い染め汁で染められ、若干、黄緑色になっているゲッちゃんにフード付きコートを着せておいた。
軽い布生地でテルテル坊主にしただけなので、飛ぶのにも支障は無いだろうけど、ゲッちゃんは不服らしく、私の髪をくちばしで引っ張っては、髪をぐしゃぐしゃにして丸めていく。
それを後ろに座っているイクシオンが、手で直すのを繰り返すという堂々巡り。
デンちゃんに乗って、『魔窟の森』を通過中で、イクシオンは武器の部屋から槍を持ってきていて、魔獣が出ても槍で上から突き刺して突破している。
槍は魔法の槍の中でも、一番魔法を使っていると思わせない、使用者の力を倍増するというもので、派手さはない……かなぁ? 槍自体には無い……が、魔獣の死体は見るも無残な姿にされるので、もしこれが映像で流されたら、モザイクがかけられているだろうぐらいには、死体だけは派手な感じ。
もし、私が解体に見慣れていなかったら、デンちゃんの背中は、朝食べた物で汚していたかも?
慣れててよかった解体作業……いや、慣れちゃいけないのかな?
「魔法の武器は、槍で良かったの?」
「ああ。下手にあんな魔法の派手な物は世には出せない」
確かに炎がボフンと空に打ち上がったり、ヤバかったからねぇ。
ちなみに杖とかを使わずに魔法を放って貰ったら、雲泥の差というか、線香花火と打ち上げ花火の違いくらい違う。
もちろん、線香花火も舐めてかかると火傷するから、バカには出来ないんだけどね。
「デンの速度と、魔獣が一刺しで終わるから、半日あれば辿り着くと思うが、リトは疲れてないか?」
「大丈夫! とってもワクワクしてるよ!」
獣人の街……モフモフパラダイスが私を待っている!
それを思えば、たまに魔獣がバッと出てきて、脅かされて「ぎゃわっ!」とか、変な悲鳴出すことぐらい何ともない。
心臓には悪いけどね。
街に行ったら、少しは物々交換の様な感じで何か手に入らないかな? と思って、傷薬を瓶に詰めてきた。
高級な傷薬と言うからには、売れるかもしれないし、もしくは何かと交換してもらえるかも? と、思っているんだよね。
ゼキキノコも干したものが残っていたから、一応持ってきた。
漢方の薬売り場とかに売れやしないかな? という、せせこましい私である。
お金無いしね。イクシオンもお金は置いてきてしまったらしいので、この世界の通貨は私は見たことが今のところない。
でも、硬貨の裏と表には盾に狼が模ってあるそうで、イクシオンの指輪があれば、店の買い物なんかは、店の書類に指輪で判子を押せばいいらしい。
イクシオンの口座から後で徴収されるのだとか。
だから、イクシオンの指輪は私では買い物の仕方も判らないので、イクシオンに返しておいた。
すっごい嫌な顔されたけど、銀行口座を渡されたような物だと知って、黙って指に付けていられない。無くしたら財産が無くなるんだよ? そんな責任取れないし、冗談ではない!
他に持ってきた物はデンちゃんのジャーキーと、ゲッちゃんの木の実の入ったガラス瓶。
飲み物と簡単な食べ物も入ってる。
後は着替えなんだけど、イクシオンが着替えとかは用意するというから、下着だけ持ってきた。
下着は三枚しか無いから、街で良い下着が売ってればいいんだけどなぁ。
「デンちゃん、疲れてない? 大丈夫?」
「ワオン!」
デンちゃんもまだイケる様だし、順調と言って良いかな?
黒い森は薄暗いし、不気味さ満点な絵本の魔女の森っぽくはあったけど、ようやく『魔窟の森』出た時、そこに広がったのは赤錆びた大地の広がる荒野だった。
赤い山と大地、岩がゴロゴロしていて、申し訳程度に草木が生えている。
「赤い場所だね」
「この赤い平地は、リトの居た聖地と魔窟の森を一周して囲んでいる。この赤い平地を一周すれば、他国を寄って回れる。まぁ、国の外の海にある国は船になるけどな」
そういえば、小屋にあった地図でも聖域と黒い森を中心に赤い大地が周りを囲っていて、それを中心に花の様に色んな国が集まっていたっけ?
今度イクシオンに地図はアレで合ってるのか聞いてみよう。
「この赤い平地は色々な商人や旅人が通る事もあって、魔獣は滅多に出ない」
「じゃあ、戦闘はもう終わりだね」
「あと一時間も掛からずにヴァンハロー領に着くから、それまでは気は抜けないがな」
「あっ、イクシオン、お水飲む?」
「リトから先にどうぞ」
「じゃあ、お先に」
ガラス瓶に氷と水も入れてきているから、水分補給もバッチリ。
やっぱり、氷があると水も冷たくて美味しい!
飲み過ぎないように喉が潤ったら、イクシオンに水入りのガラス瓶を渡してから、あっ、コレは間接キスにカウントされる!? と、心の中が大騒ぎである。
イクシオンを見上げると、普通に水を飲んでるし、私の気にしすぎなのは判るんだけどね?
やっぱり、婚約者だとか好きな子とか言われて、意識しないわけないし……
「ん? どうした?」
「ううん。何でもないよ! ヴァンハロー領って意外と近いんだね」
「ああ、田舎だからな」
「田舎だと近いの?」
「この世界は赤い平地にある街ほど田舎で、外側の海側に行くほど都会なんだ」
「そうなんだ? じゃあ、私はド田舎に居たんだね」
まぁ、野生児の様に、鳥を捕まえてさばいて食べちゃう生活は、ド田舎と言われても仕方がない。
「聖地はお伽話の中でしか語られていない人が入り込めない場所だから、田舎と呼んでいいかはわからないな」
「いや、でも普通に自給自足で森だらけだから、田舎で良いと思う」
「リトの眼には聖域から立ち上がっている白い光は見えるか?」
後ろを振り返って、自分が居た森を見るけど、白い光なんて無い。
「ううん。何も無いよ?」
「オレには、薄っすら白いベールが空から掛かっている風に見える。リトがオレを聖域に入る事を許可したから、少し見えるようにはなったが、普通なら白い光で中に森があるのかもわからない」
「へぇー……そうなんだ? お伽話の世界へようこそ?」
茶目っ気を出してそう言って笑うと、後ろからギュッと抱きつかれて頭をスリスリとされてしまった。
イクシオンはどれだけ甘える人なのやら?
これでは、どっちが大人か分からない。ただ、イクシオンの尻尾がパタパタ音を立てていて、私としては、イクシオンの尻尾の方が気になるから、帰りはイクシオンに前に乗ってもらおう。
軽い布生地でテルテル坊主にしただけなので、飛ぶのにも支障は無いだろうけど、ゲッちゃんは不服らしく、私の髪をくちばしで引っ張っては、髪をぐしゃぐしゃにして丸めていく。
それを後ろに座っているイクシオンが、手で直すのを繰り返すという堂々巡り。
デンちゃんに乗って、『魔窟の森』を通過中で、イクシオンは武器の部屋から槍を持ってきていて、魔獣が出ても槍で上から突き刺して突破している。
槍は魔法の槍の中でも、一番魔法を使っていると思わせない、使用者の力を倍増するというもので、派手さはない……かなぁ? 槍自体には無い……が、魔獣の死体は見るも無残な姿にされるので、もしこれが映像で流されたら、モザイクがかけられているだろうぐらいには、死体だけは派手な感じ。
もし、私が解体に見慣れていなかったら、デンちゃんの背中は、朝食べた物で汚していたかも?
慣れててよかった解体作業……いや、慣れちゃいけないのかな?
「魔法の武器は、槍で良かったの?」
「ああ。下手にあんな魔法の派手な物は世には出せない」
確かに炎がボフンと空に打ち上がったり、ヤバかったからねぇ。
ちなみに杖とかを使わずに魔法を放って貰ったら、雲泥の差というか、線香花火と打ち上げ花火の違いくらい違う。
もちろん、線香花火も舐めてかかると火傷するから、バカには出来ないんだけどね。
「デンの速度と、魔獣が一刺しで終わるから、半日あれば辿り着くと思うが、リトは疲れてないか?」
「大丈夫! とってもワクワクしてるよ!」
獣人の街……モフモフパラダイスが私を待っている!
それを思えば、たまに魔獣がバッと出てきて、脅かされて「ぎゃわっ!」とか、変な悲鳴出すことぐらい何ともない。
心臓には悪いけどね。
街に行ったら、少しは物々交換の様な感じで何か手に入らないかな? と思って、傷薬を瓶に詰めてきた。
高級な傷薬と言うからには、売れるかもしれないし、もしくは何かと交換してもらえるかも? と、思っているんだよね。
ゼキキノコも干したものが残っていたから、一応持ってきた。
漢方の薬売り場とかに売れやしないかな? という、せせこましい私である。
お金無いしね。イクシオンもお金は置いてきてしまったらしいので、この世界の通貨は私は見たことが今のところない。
でも、硬貨の裏と表には盾に狼が模ってあるそうで、イクシオンの指輪があれば、店の買い物なんかは、店の書類に指輪で判子を押せばいいらしい。
イクシオンの口座から後で徴収されるのだとか。
だから、イクシオンの指輪は私では買い物の仕方も判らないので、イクシオンに返しておいた。
すっごい嫌な顔されたけど、銀行口座を渡されたような物だと知って、黙って指に付けていられない。無くしたら財産が無くなるんだよ? そんな責任取れないし、冗談ではない!
他に持ってきた物はデンちゃんのジャーキーと、ゲッちゃんの木の実の入ったガラス瓶。
飲み物と簡単な食べ物も入ってる。
後は着替えなんだけど、イクシオンが着替えとかは用意するというから、下着だけ持ってきた。
下着は三枚しか無いから、街で良い下着が売ってればいいんだけどなぁ。
「デンちゃん、疲れてない? 大丈夫?」
「ワオン!」
デンちゃんもまだイケる様だし、順調と言って良いかな?
黒い森は薄暗いし、不気味さ満点な絵本の魔女の森っぽくはあったけど、ようやく『魔窟の森』出た時、そこに広がったのは赤錆びた大地の広がる荒野だった。
赤い山と大地、岩がゴロゴロしていて、申し訳程度に草木が生えている。
「赤い場所だね」
「この赤い平地は、リトの居た聖地と魔窟の森を一周して囲んでいる。この赤い平地を一周すれば、他国を寄って回れる。まぁ、国の外の海にある国は船になるけどな」
そういえば、小屋にあった地図でも聖域と黒い森を中心に赤い大地が周りを囲っていて、それを中心に花の様に色んな国が集まっていたっけ?
今度イクシオンに地図はアレで合ってるのか聞いてみよう。
「この赤い平地は色々な商人や旅人が通る事もあって、魔獣は滅多に出ない」
「じゃあ、戦闘はもう終わりだね」
「あと一時間も掛からずにヴァンハロー領に着くから、それまでは気は抜けないがな」
「あっ、イクシオン、お水飲む?」
「リトから先にどうぞ」
「じゃあ、お先に」
ガラス瓶に氷と水も入れてきているから、水分補給もバッチリ。
やっぱり、氷があると水も冷たくて美味しい!
飲み過ぎないように喉が潤ったら、イクシオンに水入りのガラス瓶を渡してから、あっ、コレは間接キスにカウントされる!? と、心の中が大騒ぎである。
イクシオンを見上げると、普通に水を飲んでるし、私の気にしすぎなのは判るんだけどね?
やっぱり、婚約者だとか好きな子とか言われて、意識しないわけないし……
「ん? どうした?」
「ううん。何でもないよ! ヴァンハロー領って意外と近いんだね」
「ああ、田舎だからな」
「田舎だと近いの?」
「この世界は赤い平地にある街ほど田舎で、外側の海側に行くほど都会なんだ」
「そうなんだ? じゃあ、私はド田舎に居たんだね」
まぁ、野生児の様に、鳥を捕まえてさばいて食べちゃう生活は、ド田舎と言われても仕方がない。
「聖地はお伽話の中でしか語られていない人が入り込めない場所だから、田舎と呼んでいいかはわからないな」
「いや、でも普通に自給自足で森だらけだから、田舎で良いと思う」
「リトの眼には聖域から立ち上がっている白い光は見えるか?」
後ろを振り返って、自分が居た森を見るけど、白い光なんて無い。
「ううん。何も無いよ?」
「オレには、薄っすら白いベールが空から掛かっている風に見える。リトがオレを聖域に入る事を許可したから、少し見えるようにはなったが、普通なら白い光で中に森があるのかもわからない」
「へぇー……そうなんだ? お伽話の世界へようこそ?」
茶目っ気を出してそう言って笑うと、後ろからギュッと抱きつかれて頭をスリスリとされてしまった。
イクシオンはどれだけ甘える人なのやら?
これでは、どっちが大人か分からない。ただ、イクシオンの尻尾がパタパタ音を立てていて、私としては、イクシオンの尻尾の方が気になるから、帰りはイクシオンに前に乗ってもらおう。
27
お気に入りに追加
3,021
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
獣人公爵のエスコート
ざっく
恋愛
デビューの日、城に着いたが、会場に入れてもらえず、別室に通されたフィディア。エスコート役が来ると言うが、心当たりがない。
将軍閣下は、番を見つけて興奮していた。すぐに他の男からの視線が無い場所へ、移動してもらうべく、副官に命令した。
軽いすれ違いです。
書籍化していただくことになりました!それに伴い、11月10日に削除いたします。
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
私の番はこの世界で醜いと言われる人だった
えみ
恋愛
学生時代には多少恋愛経験を積んできたけど、社会人になってから仕事一筋でアラサーになっても恋人が出来なかった私は、恋人を作ろうと婚活パーティに行こうとしたところで交通事故にあって死んでしまった。
生まれ変わった世界では、私は人間だったけど、獣人や人間が共存している世界。
戦争などが無く、平和な世の中なため、獣人も人化した時にはマッチョはあまり美しく思われないという美的感覚に、マッチョ好きの私は馴染めないのでやはり恋人はなかなかできない。
獣人には番だとかそういうものがあるみたいだけど、人間の私にはそういう感覚があまりよく分からないので、「この世界でも普通に仕事一筋で生きていこう。また死にたくないし。」
とか思っていたら、さっそく死亡フラグが舞い込んできました。
しかも、死ぬか恋愛するかって、極端すぎるわ…!
結構あっさり終わらせる予定です。
初心者なので、文章がおかしいところがあるかもしれません…
関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
百門一新
恋愛
人族貴族の公爵令嬢であるシェスティと、獣人族であり六歳年上の第一王子カディオが、出会った時からずっと犬猿の仲なのは有名な話だった。賢い彼女はある日、それを終わらせるべく(全部捨てる勢いで)隣国へ保留学した。だが、それから数年、彼女のもとに「――カディオが、私を見ないと動機息切れが収まらないので来てくれ、というお願いはなんなの?」という変な手紙か実家から来て、帰国することに。そうしたら、彼の様子が変で……?
※さくっと読める短篇です、お楽しみいだたけましたら幸いです!
※他サイト様にも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる