4 / 167
1章
遭難注意事項
しおりを挟む
日本には無さそうな木々の中を歩き回って、足は痛いしお腹は空くし、誰も居ないしで、私はムスッとしていた。
お腹が空くとイライラするとはよく言ったもので、何で私がここに居るのか? とか、色々思ってしまう。
責任者出てこーい!
いや、多分、草刈りに夢中になって山の中を刈り進んで、キャンプ場から離れた私が悪いのだろうけど、でも、そこまで夢中というか……草刈りぐらいで、人っ子一人見当たらない場所に来ちゃうなんておかしくなーい?
こんな事を何度も自問自答して……でも答えが見つかるはずもなく、私はひたすらムスッと頬を膨らませて口を尖らせていた。
「もうヤダ……帰りたい……」
ぐぅぅ~と、鳴り響くお腹の虫。
お腹が空いた。でも、私のリュックサックの中にあるのは、キャンプに泊まる為の着替えの下着とTシャツが二組にタオルが二枚。
後は家の鍵と、学校のキャンプのしおりにメモ帳とボールペン。
食べ物なんて持って来てない。
食い意地の張った私は、バスの中で友人のサバちゃんやクラスの子と一緒に、お菓子を食べてしまっていた。
キャンプ場で作るカレーは、私が持ってくるように言われたのはジャガイモ5個。
もう班の子に渡してしまったからジャガイモは無い。あったとしても、生じゃ食べれない。
ゲーキョゲーキョ……
さっきから私の上で変な声で鳴いている鳥がいる。くちばしはオレンジと赤に、体は真っ青なスカイブルーに白い線の入った奇妙なオウムに似た鳥で、何故か知らないけど、私の後を付いて回る様に飛んでくる。
「もぉー! うるさい! ゲキョゲキョ何なのよっ!?」
絶賛腹減りムスくれ中の私は鳥に向かって騒ぎ立てる。
ゲキョキョキョキョと、まるで私を笑うように鳥が鳴き、小馬鹿にされている気分だ。
ただ、この鳥を見て思ったのは、こんな鳥は日本に居るかな? ということ。
どう見ても日本産ではなく外国産の鳥だと思う。
どこかで飼われていた鳥が逃げ出して、こんな所に住み着いてしまった感じかもしれない。
飼われていた鳥だから、人間が恋しくて私の所についてきてしまっているんだろうか? そう思えば、この鳥も可哀想というか健気に見えなくもない。
鳴き声だけは小馬鹿にしている感が否めないけど。
「お腹、すいた……」
ぐうぅぅぅ~。
お腹の虫が私に何か食べさせろと大合唱中で、ガクリと首を落とす。
キャンプのしおりに地図でも無いものかと読んでみたら、山で遭難した場合の注意事項があった。
おお、天の助け!
1、遭難した場合はむやみに動かないこと。
2、元来た道を戻ること、周りをよく見ましょう。
3、沢などを見付けても、決して下らないこと(川下に出れるかもと思っても滝等に行きつき転落の可能性があります)
4、頂上を目指しましょう。(山小屋などがある場合や、空から探しやすい為です)
駄目だ……既に1と2は破っている。
動き回った後だし、引き返すにしても何処歩いたかなんて分かんないよ!?
沢……川とか下っていけば下りられるかもとか思ってたよ。
山登りしないと駄目なの? お腹空いてるのに、体力限界だし酷くない?
でも、もし今日中に助けが来なかったら、こんなジャングルで一晩過ごすなんて冗談じゃない!
のろのろと歩きながら私は、上に行くべく歩き始める。
ゲキョキョと可愛くない声を出す鳥をお供に……
そのうち猿と犬も出てくるかもしれない。
まぁ、きび団子なんて無いけどさ。
あったら私が全部ひとり占めして食べちゃってるに違いない。
お腹が空くとイライラするとはよく言ったもので、何で私がここに居るのか? とか、色々思ってしまう。
責任者出てこーい!
いや、多分、草刈りに夢中になって山の中を刈り進んで、キャンプ場から離れた私が悪いのだろうけど、でも、そこまで夢中というか……草刈りぐらいで、人っ子一人見当たらない場所に来ちゃうなんておかしくなーい?
こんな事を何度も自問自答して……でも答えが見つかるはずもなく、私はひたすらムスッと頬を膨らませて口を尖らせていた。
「もうヤダ……帰りたい……」
ぐぅぅ~と、鳴り響くお腹の虫。
お腹が空いた。でも、私のリュックサックの中にあるのは、キャンプに泊まる為の着替えの下着とTシャツが二組にタオルが二枚。
後は家の鍵と、学校のキャンプのしおりにメモ帳とボールペン。
食べ物なんて持って来てない。
食い意地の張った私は、バスの中で友人のサバちゃんやクラスの子と一緒に、お菓子を食べてしまっていた。
キャンプ場で作るカレーは、私が持ってくるように言われたのはジャガイモ5個。
もう班の子に渡してしまったからジャガイモは無い。あったとしても、生じゃ食べれない。
ゲーキョゲーキョ……
さっきから私の上で変な声で鳴いている鳥がいる。くちばしはオレンジと赤に、体は真っ青なスカイブルーに白い線の入った奇妙なオウムに似た鳥で、何故か知らないけど、私の後を付いて回る様に飛んでくる。
「もぉー! うるさい! ゲキョゲキョ何なのよっ!?」
絶賛腹減りムスくれ中の私は鳥に向かって騒ぎ立てる。
ゲキョキョキョキョと、まるで私を笑うように鳥が鳴き、小馬鹿にされている気分だ。
ただ、この鳥を見て思ったのは、こんな鳥は日本に居るかな? ということ。
どう見ても日本産ではなく外国産の鳥だと思う。
どこかで飼われていた鳥が逃げ出して、こんな所に住み着いてしまった感じかもしれない。
飼われていた鳥だから、人間が恋しくて私の所についてきてしまっているんだろうか? そう思えば、この鳥も可哀想というか健気に見えなくもない。
鳴き声だけは小馬鹿にしている感が否めないけど。
「お腹、すいた……」
ぐうぅぅぅ~。
お腹の虫が私に何か食べさせろと大合唱中で、ガクリと首を落とす。
キャンプのしおりに地図でも無いものかと読んでみたら、山で遭難した場合の注意事項があった。
おお、天の助け!
1、遭難した場合はむやみに動かないこと。
2、元来た道を戻ること、周りをよく見ましょう。
3、沢などを見付けても、決して下らないこと(川下に出れるかもと思っても滝等に行きつき転落の可能性があります)
4、頂上を目指しましょう。(山小屋などがある場合や、空から探しやすい為です)
駄目だ……既に1と2は破っている。
動き回った後だし、引き返すにしても何処歩いたかなんて分かんないよ!?
沢……川とか下っていけば下りられるかもとか思ってたよ。
山登りしないと駄目なの? お腹空いてるのに、体力限界だし酷くない?
でも、もし今日中に助けが来なかったら、こんなジャングルで一晩過ごすなんて冗談じゃない!
のろのろと歩きながら私は、上に行くべく歩き始める。
ゲキョキョと可愛くない声を出す鳥をお供に……
そのうち猿と犬も出てくるかもしれない。
まぁ、きび団子なんて無いけどさ。
あったら私が全部ひとり占めして食べちゃってるに違いない。
25
お気に入りに追加
3,021
あなたにおすすめの小説
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
百門一新
恋愛
人族貴族の公爵令嬢であるシェスティと、獣人族であり六歳年上の第一王子カディオが、出会った時からずっと犬猿の仲なのは有名な話だった。賢い彼女はある日、それを終わらせるべく(全部捨てる勢いで)隣国へ保留学した。だが、それから数年、彼女のもとに「――カディオが、私を見ないと動機息切れが収まらないので来てくれ、というお願いはなんなの?」という変な手紙か実家から来て、帰国することに。そうしたら、彼の様子が変で……?
※さくっと読める短篇です、お楽しみいだたけましたら幸いです!
※他サイト様にも掲載
ずっと好きだった獣人のあなたに別れを告げて
木佐木りの
恋愛
女性騎士イヴリンは、騎士団団長で黒豹の獣人アーサーに密かに想いを寄せてきた。しかし獣人には番という運命の相手がいることを知る彼女は想いを伝えることなく、自身の除隊と実家から届いた縁談の話をきっかけに、アーサーとの別れを決意する。
前半は回想多めです。恋愛っぽい話が出てくるのは後半の方です。よくある話&書きたいことだけ詰まっているので設定も話もゆるゆるです(-人-)
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる