【完結】あの人が欲しい

赤牙

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プロローグ

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無駄に広い部屋に通されると、そこには自分一人では立つ事さえできない老人が車椅子に座り出迎える。
俺達二人の姿を見るなり老人は口角をゆっくりと上げ満足そうな表情を浮かべる。
力では負けるはずのないただの老人に僅かだが恐怖を感じてしまう……。

隣を見るとエンジュが俺の服の裾をギュッと握りしめ、恐怖を隠しきれず小さな体をカタカタと揺らしている。

コイツを俺はどうやって守ればいい……。

大丈夫だぞ……と、裾を掴む小さな手を握りしめ震えを止めることしかできない自分に嫌気がさす。

この首輪さえなければ……こんな場所からエンジュを連れ逃げ出せるのに……。

忌々しい奴隷の首輪が今日はやけに重く感じる。
老人は窪んだ瞳でじろじろと俺達の事を舐めるように見つめ満足したのか口を開く。


「私はね……死ぬ前に見たいモノがあるんだよ……。人と獣が交わるところをね……」


死にかけの老人は狂気に満ちた瞳をギラギラと輝かせ俺達にそう告げた。


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感想 2

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