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本編
赤城ヒカルSide ⑨
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「優くん…来ないね…」
「あぁ…。そうだな…」
いつもの帰り道。
僕達は優くんの言葉を信じて優くんが戦いを挑むのを待っているが現れる気配がない。
今日も公園のベンチで兄さんと一緒に優くんを待っている。
「今日も来ないかぁ……。もう日も暮れたし…兄さん帰ろ」
「そうだな…」
僕達は2人仲良くため息をつきながらベンチから立ち上がる。
あの日から二週間…
僕達はこのやりとりを毎日している。
家に帰ると僕はすぐにTVをつけ、優くんとのアレコレを編集した『僕と優くんの愛のメモリー』を流し出す。
『コリコリ…すきぃ……』
画面上の優くんは僕の指をお尻に咥えこんで気持ちよさそうにお尻を揺らしている…
大音量で映像を流し優くんの喘ぎ声がリビングに響き渡る。僕は楽しかった日々を思い浮かべながらそのDVDを見ていた。
兄さんはそんな僕を哀れむような目で見てくるが気にせず毎日流している。
DVDを堪能しているとピンポーンとインターホンが鳴る。
優くんがお尻でイク最高の場面でインターホンが鳴り、タイミングの悪さに思わず舌打ちしてしまう。
「兄さ~ん!今いいところだからでて~!」
「仕方ないな…。はい。どちら様で……」
インターホンのカメラに映し出された人物を見て兄さんは固まる。
僕も兄さんの異変に気付いて、インターホンの画面を見ると…そこには愛しの優くんが映し出されていた。
僕達は慌てて玄関へと向かいドアを開くと、優くんが立っていた…。
優くん…本物の優くんだぁぁあ~!!
今すぐにでも抱きしめたかったが、優くんが来た理由をちゃんと確認しないと…そう思いはやる気持ちを抑え込む。
「優…」
「優くん…久しぶりだね…」
声をかけると優くんは頬を赤く染めて恥ずかしそうにモジモジしている。
…なんだこの可愛い生物は。
「えっと……お、お前達を倒しにきた…。俺と戦ってくれ…」
「……へ?」
「何度も言わせるな!俺は…ヒカルと星夜を倒しに来たんだ!だから…早く…中に入れてくれ…」
優くんの言葉を理解するのに僕達は数秒無言になった。
こんな夜に僕達に戦いを挑む?しかも家に来て…中に入れて欲しい…だと…?
つまり?え?優くん…やっちゃっていいの?
えぇぇぇーーー!?!?
いや…待て待て。落ち着くんだヒカル。
純粋無垢な優くんの事だからちゃんと確認しないと…。
もしかしたら…前のような戦うだけのライバル関係に戻ろうって言われるかもしれないし…
その時は笑顔で頷かないといけないけど…ちゃんと笑えるかなぁ…
そんな事を考えながら緊張した顔で優くんへと話しかける。
「とりあえず…中に入る?」
「う、うん……」
優くんは僕達のよそよそしい態度に少し不安な顔を見せる。僕達も優くんに何を言われるのか分からなくて内心ビクビクと怯えていた。
リビングの方へと優くんを通しドアを開けると…
TVの大画面に映し出される優くんと僕の愛のメモリー。
やば…慌ててたから消し忘れてた…
『ヒカルッ!イッちゃう…ぁ…イク…イくぅぅ……』
響き渡る自分の喘ぎ声を聞かされ、まさか盗撮されていたなんて知らなかった優くんは顔を赤くして恥ずかしがりながらワナワナと震えている。
「これはいったいなんだ!何故あの時の行為が映像として残っているんだ!」
「あはは~。あんまりにも優くんが可愛くて盗撮しちゃった~」
「っっ!!消せ…今すぐ消すんだ!」
優くんは凄く怒っているけど…そんな優くんも凄く可愛かった。
✳︎
「優くん…。僕達を倒しに来たって言ってたけど…それってどういう事?」
とりあえずTVを消してDVDの件を誤魔化しながら、僕達は優くんを挟むようにソファーへと座らせると本題へ…。
まずは優くんに来た理由をきちんと聞いておかないと…。
僕の質問に優くんはオドオドしながら僕と兄さんを交互に見つめる。
「どういう事だと言われても…俺は星夜達を倒しに行くと約束しただろ?だから来たんだ…」
「えーっと…今から戦うの?」
「うん…。ダメか…?だって、そうしないとヒカル達とは一緒にいられないだろ?」
優くんはコテンと首を傾げながら聞き返してくる。
何その可愛いポーズ。
「え……。つまり優くんは僕達に会いたくて…一緒にいたくて来たって事?」
「そうだ。一緒にいてくれるとヒカルが言ってくれたから来たんだ…」
「うぬぅぅ…ゆうくぅぅ~~ん!!」
ちょっと照れながらそんな事を言う優くんが可愛すぎて尊くて思わず僕は抱きしめてしまう。
いきなり抱きついてきた僕を優くんは驚きながらも受け止めてくれて、優しく抱きしめてくれる。
「おい…。俺だけ仲間外れだぞ…」
二人でイチャイチャしていると反対側にいる兄さんがムスッとした顔で僕達を見てくる。
優くんは兄さんの方へと向き直すと真剣な表情で話しかける。
「星夜…すまない。星夜が兄さんと戦っている時にヒカルと話をしたんだ。俺はヒカルと星夜の事を特別な存在だと思っている。…これからも一緒にいたい。星夜はこんな俺と…一緒にいてくれるか?」
優くんの話を聞いている兄さんの顔はみるみる赤くなり返答する前にガバっと優くんを抱きしめて行動で示す。
「俺もずっと優と一緒にいたい…。」
「星夜…」
兄さんの答えに優くんは嬉しそうに顔を綻ばせると、兄さんはそのまま優くんにキスをしだす。
「ああっ!ちょっと兄さん!ズルイよ~!僕も優くんにキスする!」
それから僕と兄さんは優くんを取り合いながらキスをしたり抱きしめたりした。
優くんは変わらない僕達を見て幸せそうな笑顔で笑っていた。
「あぁ…。そうだな…」
いつもの帰り道。
僕達は優くんの言葉を信じて優くんが戦いを挑むのを待っているが現れる気配がない。
今日も公園のベンチで兄さんと一緒に優くんを待っている。
「今日も来ないかぁ……。もう日も暮れたし…兄さん帰ろ」
「そうだな…」
僕達は2人仲良くため息をつきながらベンチから立ち上がる。
あの日から二週間…
僕達はこのやりとりを毎日している。
家に帰ると僕はすぐにTVをつけ、優くんとのアレコレを編集した『僕と優くんの愛のメモリー』を流し出す。
『コリコリ…すきぃ……』
画面上の優くんは僕の指をお尻に咥えこんで気持ちよさそうにお尻を揺らしている…
大音量で映像を流し優くんの喘ぎ声がリビングに響き渡る。僕は楽しかった日々を思い浮かべながらそのDVDを見ていた。
兄さんはそんな僕を哀れむような目で見てくるが気にせず毎日流している。
DVDを堪能しているとピンポーンとインターホンが鳴る。
優くんがお尻でイク最高の場面でインターホンが鳴り、タイミングの悪さに思わず舌打ちしてしまう。
「兄さ~ん!今いいところだからでて~!」
「仕方ないな…。はい。どちら様で……」
インターホンのカメラに映し出された人物を見て兄さんは固まる。
僕も兄さんの異変に気付いて、インターホンの画面を見ると…そこには愛しの優くんが映し出されていた。
僕達は慌てて玄関へと向かいドアを開くと、優くんが立っていた…。
優くん…本物の優くんだぁぁあ~!!
今すぐにでも抱きしめたかったが、優くんが来た理由をちゃんと確認しないと…そう思いはやる気持ちを抑え込む。
「優…」
「優くん…久しぶりだね…」
声をかけると優くんは頬を赤く染めて恥ずかしそうにモジモジしている。
…なんだこの可愛い生物は。
「えっと……お、お前達を倒しにきた…。俺と戦ってくれ…」
「……へ?」
「何度も言わせるな!俺は…ヒカルと星夜を倒しに来たんだ!だから…早く…中に入れてくれ…」
優くんの言葉を理解するのに僕達は数秒無言になった。
こんな夜に僕達に戦いを挑む?しかも家に来て…中に入れて欲しい…だと…?
つまり?え?優くん…やっちゃっていいの?
えぇぇぇーーー!?!?
いや…待て待て。落ち着くんだヒカル。
純粋無垢な優くんの事だからちゃんと確認しないと…。
もしかしたら…前のような戦うだけのライバル関係に戻ろうって言われるかもしれないし…
その時は笑顔で頷かないといけないけど…ちゃんと笑えるかなぁ…
そんな事を考えながら緊張した顔で優くんへと話しかける。
「とりあえず…中に入る?」
「う、うん……」
優くんは僕達のよそよそしい態度に少し不安な顔を見せる。僕達も優くんに何を言われるのか分からなくて内心ビクビクと怯えていた。
リビングの方へと優くんを通しドアを開けると…
TVの大画面に映し出される優くんと僕の愛のメモリー。
やば…慌ててたから消し忘れてた…
『ヒカルッ!イッちゃう…ぁ…イク…イくぅぅ……』
響き渡る自分の喘ぎ声を聞かされ、まさか盗撮されていたなんて知らなかった優くんは顔を赤くして恥ずかしがりながらワナワナと震えている。
「これはいったいなんだ!何故あの時の行為が映像として残っているんだ!」
「あはは~。あんまりにも優くんが可愛くて盗撮しちゃった~」
「っっ!!消せ…今すぐ消すんだ!」
優くんは凄く怒っているけど…そんな優くんも凄く可愛かった。
✳︎
「優くん…。僕達を倒しに来たって言ってたけど…それってどういう事?」
とりあえずTVを消してDVDの件を誤魔化しながら、僕達は優くんを挟むようにソファーへと座らせると本題へ…。
まずは優くんに来た理由をきちんと聞いておかないと…。
僕の質問に優くんはオドオドしながら僕と兄さんを交互に見つめる。
「どういう事だと言われても…俺は星夜達を倒しに行くと約束しただろ?だから来たんだ…」
「えーっと…今から戦うの?」
「うん…。ダメか…?だって、そうしないとヒカル達とは一緒にいられないだろ?」
優くんはコテンと首を傾げながら聞き返してくる。
何その可愛いポーズ。
「え……。つまり優くんは僕達に会いたくて…一緒にいたくて来たって事?」
「そうだ。一緒にいてくれるとヒカルが言ってくれたから来たんだ…」
「うぬぅぅ…ゆうくぅぅ~~ん!!」
ちょっと照れながらそんな事を言う優くんが可愛すぎて尊くて思わず僕は抱きしめてしまう。
いきなり抱きついてきた僕を優くんは驚きながらも受け止めてくれて、優しく抱きしめてくれる。
「おい…。俺だけ仲間外れだぞ…」
二人でイチャイチャしていると反対側にいる兄さんがムスッとした顔で僕達を見てくる。
優くんは兄さんの方へと向き直すと真剣な表情で話しかける。
「星夜…すまない。星夜が兄さんと戦っている時にヒカルと話をしたんだ。俺はヒカルと星夜の事を特別な存在だと思っている。…これからも一緒にいたい。星夜はこんな俺と…一緒にいてくれるか?」
優くんの話を聞いている兄さんの顔はみるみる赤くなり返答する前にガバっと優くんを抱きしめて行動で示す。
「俺もずっと優と一緒にいたい…。」
「星夜…」
兄さんの答えに優くんは嬉しそうに顔を綻ばせると、兄さんはそのまま優くんにキスをしだす。
「ああっ!ちょっと兄さん!ズルイよ~!僕も優くんにキスする!」
それから僕と兄さんは優くんを取り合いながらキスをしたり抱きしめたりした。
優くんは変わらない僕達を見て幸せそうな笑顔で笑っていた。
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