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第一章
40話
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「フィッツは草花の手入れもできるのか…。意外だな…」
「あ。アスト坊ちゃん。今さらっと悪口言いましたね~」
「ん?…そうだな。意外だなんて言ってしまい…すまない」
「はは。いいですよ~」
フィッツさんはアストさんと話しながらもテキパキと草花や木の手入れをしていく。アストさんはそんなフィッツさんを見て『凄いな…』と呟きながら作業をじっと見ていた。
「ここの温室の花はフィッツが全て植えたのか?」
「違いますよ~。ここはハイル様の為に皆で作った温室なんです。あっちがソル坊ちゃん、そしてこっちはルナ様が植えた草花なんです」
「そうなのか…。なぁハイル。ハイルの植えた花はどこにあるんだ?」
アストさんはそう言うと興味津々な顔をして僕の方へと振り向く。
そういえば…僕はまだこの温室に自分の花を植えていないな…。
「えっと……僕はまだ植えてないんです」
「そうなのか…。そうだ!ハイル、一緒に花を植えないか?」
アストさんはそう言って僕に花を一緒に植えようと提案してくれる。
「はい!いいですね!あ…でも花の事とかあまり知らなくて…何を植えたらいいんでしょうか…?」
「そうだなぁ…。俺も草花の事はよく分からないな…」
二人で腕組みしながらう~ん…と考えていると、フィッツさんが僕達に提案してくれる。
「それなら花言葉で植える花を選んでみたらどうですか?」
「花言葉ですか…?」
「はい。旦那様の植えたあの木が『幸せの木』と言われてるみたいに草花や木にも意味があるんですよ~。例えば…ソル坊ちゃんが植えたこの食虫植物達は…『甘い罠』とか。んでこっちのは『魔性の愛』といった感じで!」
「甘い罠…」
「魔性の愛…」
僕とアストさんはソルがそんな意味の草花を植えたのかと思うと可笑しくて笑いが込み上げてくる。
「あはは!魔性の愛なんて…ソルには似合わない言葉ですね」
「はは。そうだな」
「ソル坊ちゃんは見た目重視で、意味なんて考えずに植えてますからね~。ルナ様の植えたこの小さな白い花は『清楚・逆境に耐える』って意味がありますね~」
「なんだかルナらしい花言葉ですね」
「そうだな」
「こんな風に花言葉から植えたい花を決めるのも楽しいものですよ」
フィッツさんの話を聞いて僕とアストさんは頷き、花言葉からフィッツさんに花を準備してもらう事にした。
「アストさんは何の花言葉を選んだんですか?」
「そうだな…それは植える時まで内緒かな」
「あ…そっか。その方が楽しみが増えますね!」
「あぁ…そうだな」
✳︎
それから数日後、フィッツさんが僕達の花を持って温室へと来てくれる。
フィッツさんの手には可愛らしいピンク色の花と、空色の小さな花が並んでいた。
「うわぁ~なんだか可愛い花ですね」
「そうですね。えっと…こっちのピンクの花がハイル様で空色の花がアスト様です」
それぞれの花を渡され僕達は温室の花壇へと花を植えていく。
「ハイル。この花の花言葉は何なんだ?」
「えっと…言葉にすると恥ずかしいんですけど…『家族愛』です…」
皆の事を思い選んだ花言葉だが…口にするのはなんだか恥ずかしくて顔を伏せてしまう。
「そうか。ハイルらしいな…。とてもいい花言葉だ。それに花もとても可愛いな」
アストさんはそう言って優しい微笑みを向けてくれる。
「アストさんの花はなんて花言葉なんですか?」
「この花の花言葉は…『幸福な愛』だ」
「幸福な…愛…」
「あぁ。この温室はハイルの為に作ったのだろう?だからこの場所に…ハイルに…『幸福な愛』を贈りたいと思ってな」
そう言って僕を見つめるアストさんの瞳は、なんだか熱っぽくて…恥ずかしくなり思わず目を逸らしてしまう。
僕に…幸福な愛を贈るって言ったよね…?
それって家族としてって事なのかな…?
それとも…
「ハイル。残りも植えてしまおうか」
「あっ……はい!」
僕は、アストさんの言葉をどう捉えたらいいのか分からず…その後はアストさんの事を意識してしまっているのか目が合う度にドキッとしてしまう…。
またこの感じ…。
なんなんだろう…この気持ちは…
「あ。アスト坊ちゃん。今さらっと悪口言いましたね~」
「ん?…そうだな。意外だなんて言ってしまい…すまない」
「はは。いいですよ~」
フィッツさんはアストさんと話しながらもテキパキと草花や木の手入れをしていく。アストさんはそんなフィッツさんを見て『凄いな…』と呟きながら作業をじっと見ていた。
「ここの温室の花はフィッツが全て植えたのか?」
「違いますよ~。ここはハイル様の為に皆で作った温室なんです。あっちがソル坊ちゃん、そしてこっちはルナ様が植えた草花なんです」
「そうなのか…。なぁハイル。ハイルの植えた花はどこにあるんだ?」
アストさんはそう言うと興味津々な顔をして僕の方へと振り向く。
そういえば…僕はまだこの温室に自分の花を植えていないな…。
「えっと……僕はまだ植えてないんです」
「そうなのか…。そうだ!ハイル、一緒に花を植えないか?」
アストさんはそう言って僕に花を一緒に植えようと提案してくれる。
「はい!いいですね!あ…でも花の事とかあまり知らなくて…何を植えたらいいんでしょうか…?」
「そうだなぁ…。俺も草花の事はよく分からないな…」
二人で腕組みしながらう~ん…と考えていると、フィッツさんが僕達に提案してくれる。
「それなら花言葉で植える花を選んでみたらどうですか?」
「花言葉ですか…?」
「はい。旦那様の植えたあの木が『幸せの木』と言われてるみたいに草花や木にも意味があるんですよ~。例えば…ソル坊ちゃんが植えたこの食虫植物達は…『甘い罠』とか。んでこっちのは『魔性の愛』といった感じで!」
「甘い罠…」
「魔性の愛…」
僕とアストさんはソルがそんな意味の草花を植えたのかと思うと可笑しくて笑いが込み上げてくる。
「あはは!魔性の愛なんて…ソルには似合わない言葉ですね」
「はは。そうだな」
「ソル坊ちゃんは見た目重視で、意味なんて考えずに植えてますからね~。ルナ様の植えたこの小さな白い花は『清楚・逆境に耐える』って意味がありますね~」
「なんだかルナらしい花言葉ですね」
「そうだな」
「こんな風に花言葉から植えたい花を決めるのも楽しいものですよ」
フィッツさんの話を聞いて僕とアストさんは頷き、花言葉からフィッツさんに花を準備してもらう事にした。
「アストさんは何の花言葉を選んだんですか?」
「そうだな…それは植える時まで内緒かな」
「あ…そっか。その方が楽しみが増えますね!」
「あぁ…そうだな」
✳︎
それから数日後、フィッツさんが僕達の花を持って温室へと来てくれる。
フィッツさんの手には可愛らしいピンク色の花と、空色の小さな花が並んでいた。
「うわぁ~なんだか可愛い花ですね」
「そうですね。えっと…こっちのピンクの花がハイル様で空色の花がアスト様です」
それぞれの花を渡され僕達は温室の花壇へと花を植えていく。
「ハイル。この花の花言葉は何なんだ?」
「えっと…言葉にすると恥ずかしいんですけど…『家族愛』です…」
皆の事を思い選んだ花言葉だが…口にするのはなんだか恥ずかしくて顔を伏せてしまう。
「そうか。ハイルらしいな…。とてもいい花言葉だ。それに花もとても可愛いな」
アストさんはそう言って優しい微笑みを向けてくれる。
「アストさんの花はなんて花言葉なんですか?」
「この花の花言葉は…『幸福な愛』だ」
「幸福な…愛…」
「あぁ。この温室はハイルの為に作ったのだろう?だからこの場所に…ハイルに…『幸福な愛』を贈りたいと思ってな」
そう言って僕を見つめるアストさんの瞳は、なんだか熱っぽくて…恥ずかしくなり思わず目を逸らしてしまう。
僕に…幸福な愛を贈るって言ったよね…?
それって家族としてって事なのかな…?
それとも…
「ハイル。残りも植えてしまおうか」
「あっ……はい!」
僕は、アストさんの言葉をどう捉えたらいいのか分からず…その後はアストさんの事を意識してしまっているのか目が合う度にドキッとしてしまう…。
またこの感じ…。
なんなんだろう…この気持ちは…
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