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本章

158話:リオくんに責められよう! ①

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リオとの約束の日。
エルは、今日一日お留守番するように伝えると渋々だが了承してくれる。いい子だと頭を撫で部屋を出ていくと、早く帰ってきてと念押しされる。
そして、リオとの待ち合わせ場所へと向かえば仮面をつけたリオが待ってくれていた。

「リオ~。お待たせ」
「おはよう、カオル」

リオは昨日よりも機嫌がいいのか、目を細め微笑みかけてくれる。

「カオル、服良く似合ってるよ」
「うん、ありがとう」

今日の服装は、リオと出会った頃に一緒に出掛けて選んでもらった服だ。シンプルなシャツとスラックスだが、着心地もいいので気に入っている。
リオの服も、その店で買った物を着ているのでデザインも似ているせいか、なんだかペアルックにも見える。
まぁ、スタイルの良さは天と地ほど差があるのだが……。

身長はあまり変わらないのに、手足の長さが違うだけでこうも雰囲気が違うのかとリオをジロジロ見ていると、リオは恥ずかしそうな表情を見せる。

「カオル、なんだよジロジロ見て……」
「いや、リオは手足が長くてカッコいいなって思ってさ」
「……そんな事いうのカオルくらいだよ。ほら、今日は俺の我儘に付き合ってくれるんだろ?」
「うん」

リオに差し出された手を握りしめると、なんだかデートでもしている気分になり少し気恥ずかしくなる。
リオが気になっていると言っていた、カフェや雑貨屋などを巡り俺達は楽しい時間を過ごす。リオは終始ご機嫌で、沢山笑顔を見せてくれた。
そんなリオの笑顔を見て、俺も沢山幸せをもらった。

そして、一日はあっという間にすぎていき陽が落ちていく。街も夜の顔を見せだすと、リオは握っていた俺の手をぎゅっと握りしめる。

「なぁ、カオル。まだ一日は終わってないよな?」
「う、うん」
「じゃあさ……俺の部屋に来て欲しい」
「……うん」

リオの言葉に俺はゆっくり頷く。握りしめられた手は離れる事もなく、俺達は足早にリオの部屋に向かう。バタバタと慌ただしく部屋の中に入れば、息を少し荒くしたままリオは俺を抱きしめてくる。

「カオル……」
「リオ……」

抱き寄せられた腕は少し震えている。
顔を少し上げてリオを見つめれば、緋色の瞳と仮面越しに目が合う。
俺を見つめるその瞳は、欲情した色をしていた。
でも、リオは抱きしめる以上の事はせずに、ただ俺を見つめてくる。
俺とリオは親友だ。
初めて異世界で出来た大切な友達で、一番大好きな友達だ……。

「……キスするのに仮面は邪魔だよな」

俺はリオの仮面を外すと、そっとキスをした。




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