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本章
149話:お家に帰ろう! ①
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後ろからクリスに抱きしめられ、サリュイ様は俺の膝の上に座りしがみついて離さない。ディランさんはそんな二人にため息を吐きながら「二人とも離れなさい!」と、注意するが聞き入れない二人……。
目を覚ました後、三人から確認されるように次々と質問が飛び交った。
何か以前と変わった事はないか?
体調に変化はないか?
洗脳されていた時の記憶はどこまであるのか?
などなど……。
質問に答えていけば、洗脳前の俺だと分かってくれたようでディランさんとクリスは安心した表情を浮かべる。
しかし、サリュイ様は一人辛そうな表情で今にも泣き出してしまいそうだった……。
サリュイ様が泣きそうな顔を見せると胸の奥がズキリと痛み、もう一人の俺の言葉を思い出す。
『サリュイ様を絶対に泣かしちゃダメだからな!』
あぁ……そうだ。
サリュイ様を泣かせたらダメなんだ……。
「サリュイ様……。洗脳されてた俺は消えちゃいましたけど、サリュイ様と過ごした日々は忘れてませんよ」
俺の言葉にサリュイ様は目一杯に溜めていた涙を溢し俺に抱きついてくる。これ以上泣かせないように俺も抱きしめ頭を撫でると、胸に埋めていた顔を上げ緋色の瞳をキラキラと輝かせながら見つめてくる。
「本当か、カオル? 僕と過ごした事は覚えているのか?」
「えぇ。もちろんですよ」
「そうか……。ところでカオルは……仮面を付けていない僕が怖くないのか? ……気持ち悪くないのか?」
出会った頃と同じような質問をしてくるサリュイ様……。ほんと、この世界って美醜に関しておかしいだけじゃなく外見だけでその人の事を判断する特性が全然理解出来ないんだよなぁ~。
お陰で俺にとってのイケメン達は皆辛い思いをしてる事が多い。
サリュイ様だって今まで外見の事で辛い思いもしたんだろうな……。
「気持ち悪くなんてありませんよ。サリュイ様の真っ白で綺麗な肌や髪の毛……ルビーのような緋色の瞳も凄く素敵ですよ」
へへっと笑いかければサリュイ様はポンッと頬を赤く染めて天使のような笑顔を俺に向けてくれる。
「カオルは本当に優しいな……。なぁ、カオル……。僕はカオルと離れたくない……」
「サリュイ様……」
緋色の瞳を潤ませおねだりされると……可愛すぎて俺も離れたくない! けどぉ……サリュイ様と隣国に行くのは流石に無理だ……。
家ではエルも俺の帰りを待ってるだろうし、リオやアルクさんやキースだって……。
「俺もサリュイ様と離れるのは寂しいです……。けど、俺の帰りを待っている人達がいます。だからサリュイ様の国に今はいけません……」
「今じゃなければ……いいのか……?」
やんわりと断りを入れるが、サリュイ様はまた目を潤ませて俺を見つめてくる。
だから俺、その顔に弱いんだってサリュイさまぁ~……。
「あー……えっとぉ……サリュイ様が大人になった時に再度検討させていただく方向でぇ……」
「じゃあ、大人になったらカオルを迎えに行く! それまで絶対に誰のものにもなってはいけないからな!」
「ふん。そんな約束はできないな。カオルは私の大切な人なのだから」
黙って聞いていたクリスが俺を抱き寄せそんな事を言うと、サリュイ様はクリスを睨みつける。
「クリストファー王子には言っていません。ねぇカオル。僕達は永遠を誓ったんだ。その約束は……絶対だよ。必ず迎えに行くからね」
ニコリと微笑みながら抱きついてくるサリュイ様に否定も肯定もできず、俺はその場しのぎの苦笑いを浮かべる事しかできなかった……。
目を覚ました後、三人から確認されるように次々と質問が飛び交った。
何か以前と変わった事はないか?
体調に変化はないか?
洗脳されていた時の記憶はどこまであるのか?
などなど……。
質問に答えていけば、洗脳前の俺だと分かってくれたようでディランさんとクリスは安心した表情を浮かべる。
しかし、サリュイ様は一人辛そうな表情で今にも泣き出してしまいそうだった……。
サリュイ様が泣きそうな顔を見せると胸の奥がズキリと痛み、もう一人の俺の言葉を思い出す。
『サリュイ様を絶対に泣かしちゃダメだからな!』
あぁ……そうだ。
サリュイ様を泣かせたらダメなんだ……。
「サリュイ様……。洗脳されてた俺は消えちゃいましたけど、サリュイ様と過ごした日々は忘れてませんよ」
俺の言葉にサリュイ様は目一杯に溜めていた涙を溢し俺に抱きついてくる。これ以上泣かせないように俺も抱きしめ頭を撫でると、胸に埋めていた顔を上げ緋色の瞳をキラキラと輝かせながら見つめてくる。
「本当か、カオル? 僕と過ごした事は覚えているのか?」
「えぇ。もちろんですよ」
「そうか……。ところでカオルは……仮面を付けていない僕が怖くないのか? ……気持ち悪くないのか?」
出会った頃と同じような質問をしてくるサリュイ様……。ほんと、この世界って美醜に関しておかしいだけじゃなく外見だけでその人の事を判断する特性が全然理解出来ないんだよなぁ~。
お陰で俺にとってのイケメン達は皆辛い思いをしてる事が多い。
サリュイ様だって今まで外見の事で辛い思いもしたんだろうな……。
「気持ち悪くなんてありませんよ。サリュイ様の真っ白で綺麗な肌や髪の毛……ルビーのような緋色の瞳も凄く素敵ですよ」
へへっと笑いかければサリュイ様はポンッと頬を赤く染めて天使のような笑顔を俺に向けてくれる。
「カオルは本当に優しいな……。なぁ、カオル……。僕はカオルと離れたくない……」
「サリュイ様……」
緋色の瞳を潤ませおねだりされると……可愛すぎて俺も離れたくない! けどぉ……サリュイ様と隣国に行くのは流石に無理だ……。
家ではエルも俺の帰りを待ってるだろうし、リオやアルクさんやキースだって……。
「俺もサリュイ様と離れるのは寂しいです……。けど、俺の帰りを待っている人達がいます。だからサリュイ様の国に今はいけません……」
「今じゃなければ……いいのか……?」
やんわりと断りを入れるが、サリュイ様はまた目を潤ませて俺を見つめてくる。
だから俺、その顔に弱いんだってサリュイさまぁ~……。
「あー……えっとぉ……サリュイ様が大人になった時に再度検討させていただく方向でぇ……」
「じゃあ、大人になったらカオルを迎えに行く! それまで絶対に誰のものにもなってはいけないからな!」
「ふん。そんな約束はできないな。カオルは私の大切な人なのだから」
黙って聞いていたクリスが俺を抱き寄せそんな事を言うと、サリュイ様はクリスを睨みつける。
「クリストファー王子には言っていません。ねぇカオル。僕達は永遠を誓ったんだ。その約束は……絶対だよ。必ず迎えに行くからね」
ニコリと微笑みながら抱きついてくるサリュイ様に否定も肯定もできず、俺はその場しのぎの苦笑いを浮かべる事しかできなかった……。
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