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本章
128話:社交界 ②
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突然現れた美少年に名前を呼ばれた俺はビックリして返事もせずに固まってしまう。
「ねぇ…聞いてる?」
「あ…うん…」
少年に再度声をかけられ頷くと、じっ…と俺の事を見てくる。
少年の淡紅色の瞳はとても綺麗で俺はつい見惚れてしまった…。少年は全体的に色素が薄くなんだか今にも壊れてしまいそうな儚さを感じる容姿だった。
「へぇ…顔を隠してない僕を見ても怖がらないんだね」
「あの…」
「いいね。気に入ったよ。ねぇ…もっと近くに来てよ」
少年のなんだか異様な雰囲気に足は止まってしまう。
あの子の近くに行ったら…ダメな気がする…
「カオル…どうしたの?」
笑顔で俺に手を差し伸べてくる少年の周りには光り輝く白いモヤが渦巻き、それが床を這って俺の方へと向かってくる…
「ひっ…!な、何これ!?」
「逃げたらダメだよ…。大丈夫…怖くないから…」
逃げようと思い部屋のドアの方へと駆け寄りドアノブへと手を伸ばすが、ドアは外から鍵がかけられているようで開かない。
ガチャガチャとドアノブを何度も回し誰かに気付いてほしくてドアを叩く。
しかし、俺の足元には少年から出ていた白いモヤが纏わりつき足元から腰へ…そして上半身へと昇ってくる。
「やだ!やだっ!」
モヤをはたき落とそうと手を動かすがモヤは止まらず全身を包む。
そして、頭の中にモヤが入ってきて…
あ…この感じ…前も…
モヤがキラキラと煌きながら頭の中へと入ってくると、ふわふわと脳味噌が浮かぶ感覚に何も考えられずボーッとしてしまう。
ドアの前でヘタリ…と座り込んでいると少年が近づいてきて俺の目の前へと座り込む。
「やはり装着型でないとこの光のモヤで何かされると勘付かれてしまうな…。改良の余地ありか…」
そうブツブツと独り言を言っているかと思えば、脳内に少年の声が響き渡る。
『カオル聞こえる?聞こえたら返事をして』
「…はい」
『いい子…。ねぇカオル…僕のことどう見える?正直に答えてごらん』
「…怖いです」
「あ……やっぱり怖いの?」
ずっと笑みを浮かべていた少年が一瞬だけ悲しそうな表情を見せる。
その表情を見てフルフルと顔を振りさっき言った言葉を訂正する。
「違います…綺麗だなって…。綺麗すぎて怖いんです…」
「僕を見て綺麗だなんて…。変わった奴だなカオルは…。ほら…顔をこっちに向けて…」
何故か少年の声に逆らえず俺は少年の方へと顔を向けると仮面を外される。
「あぁ…凄く可愛い顔だ。この黒髪と黒い瞳…とても綺麗だ。仮面で隠すなんて勿体ないよ」
髪を撫でられ頬に触れながら顔を覗き込まれる。
『僕の名前はサリュイ。今日からカオルのご主人様だよ』
「…はい。ご主人様」
「ふふ。洗脳の具合は問題なさそうだね…」
少年サリュイはそう言って嬉しそうに俺の首にカチ…と首輪をはめる。
「カオル。君は今日から僕のペットだ」
「ねぇ…聞いてる?」
「あ…うん…」
少年に再度声をかけられ頷くと、じっ…と俺の事を見てくる。
少年の淡紅色の瞳はとても綺麗で俺はつい見惚れてしまった…。少年は全体的に色素が薄くなんだか今にも壊れてしまいそうな儚さを感じる容姿だった。
「へぇ…顔を隠してない僕を見ても怖がらないんだね」
「あの…」
「いいね。気に入ったよ。ねぇ…もっと近くに来てよ」
少年のなんだか異様な雰囲気に足は止まってしまう。
あの子の近くに行ったら…ダメな気がする…
「カオル…どうしたの?」
笑顔で俺に手を差し伸べてくる少年の周りには光り輝く白いモヤが渦巻き、それが床を這って俺の方へと向かってくる…
「ひっ…!な、何これ!?」
「逃げたらダメだよ…。大丈夫…怖くないから…」
逃げようと思い部屋のドアの方へと駆け寄りドアノブへと手を伸ばすが、ドアは外から鍵がかけられているようで開かない。
ガチャガチャとドアノブを何度も回し誰かに気付いてほしくてドアを叩く。
しかし、俺の足元には少年から出ていた白いモヤが纏わりつき足元から腰へ…そして上半身へと昇ってくる。
「やだ!やだっ!」
モヤをはたき落とそうと手を動かすがモヤは止まらず全身を包む。
そして、頭の中にモヤが入ってきて…
あ…この感じ…前も…
モヤがキラキラと煌きながら頭の中へと入ってくると、ふわふわと脳味噌が浮かぶ感覚に何も考えられずボーッとしてしまう。
ドアの前でヘタリ…と座り込んでいると少年が近づいてきて俺の目の前へと座り込む。
「やはり装着型でないとこの光のモヤで何かされると勘付かれてしまうな…。改良の余地ありか…」
そうブツブツと独り言を言っているかと思えば、脳内に少年の声が響き渡る。
『カオル聞こえる?聞こえたら返事をして』
「…はい」
『いい子…。ねぇカオル…僕のことどう見える?正直に答えてごらん』
「…怖いです」
「あ……やっぱり怖いの?」
ずっと笑みを浮かべていた少年が一瞬だけ悲しそうな表情を見せる。
その表情を見てフルフルと顔を振りさっき言った言葉を訂正する。
「違います…綺麗だなって…。綺麗すぎて怖いんです…」
「僕を見て綺麗だなんて…。変わった奴だなカオルは…。ほら…顔をこっちに向けて…」
何故か少年の声に逆らえず俺は少年の方へと顔を向けると仮面を外される。
「あぁ…凄く可愛い顔だ。この黒髪と黒い瞳…とても綺麗だ。仮面で隠すなんて勿体ないよ」
髪を撫でられ頬に触れながら顔を覗き込まれる。
『僕の名前はサリュイ。今日からカオルのご主人様だよ』
「…はい。ご主人様」
「ふふ。洗脳の具合は問題なさそうだね…」
少年サリュイはそう言って嬉しそうに俺の首にカチ…と首輪をはめる。
「カオル。君は今日から僕のペットだ」
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