美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

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本章

120話:馬車に揺られて…

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「カオル。今日は外へ出かけようか」
「えっ!?外?いいの?」
「あぁ。ずっとここ部屋と研究室の往復で退屈だったろう?それに私も今日は休みが取れたからね」

優しい笑顔でクリスが外へ出かけようと誘ってくれ、久しぶりの外出に俺はブンブンと首を縦に振り頷く。

「行く!どこに行くの?」
「馬車で一時間程走ったところに湖があるんだ。景色も綺麗でね…いい気分転換になると思うよ」
「へぇ~凄く楽しみ!」
「ランスも護衛として連れて行くけれどいい?」
「うん!もちろんだよ!」

ウキウキしながら外出の準備をしていき、いつもの様にフード付きのローブを着て部屋を出て行く。
クリスに手を引かれ長い廊下を歩き外へと向かう。外に出れば馬車とその近くにランスさんの姿も見えた。

俺達の姿を確認するとランスさんは軽く頭を下げて馬車の扉を開けてくれる。

「ランスさん。こんにちは」
「カオル様。こんにちは」

いつもの挨拶を済ませて馬車へと乗り込むとクリスにヒョイと抱えられ何故か膝の上に乗せられる…。
俺の後から乗り込んできたランスさんは俺達の様子を見て少し驚いた表情を見せた。


「わっ!ク、クリス…トファー王子!降ろしてください!俺一人で座れますから!」
!それに敬語!ランスの前だからって無理して敬語使わなくてもいいよ」
「分かったからさ…降ろして…」
「え~。私はコレがいいのだが…」
「ダメだって!ランスさんもいるだろぉ…」

チラリと向かいに座るランスさんを見るといつも以上に目線に圧を感じる…。

そりゃ嫌だよな…こんな密室でイチャつかれたら。俺なら殺意が湧くよ。

そう思っているとクリスがランスさんの方へと目線を向けるとランスさんは真顔で口を開く。

「どうぞ私の事は気にしないで下さい」
「だって」

だってじゃねぇーよ!
17にもなって膝の上に座らせられても嬉しくもなんともないんだが…。

俺の意見はもちろん通らずに、クリスの膝の上に乗せられたまま馬車は動き出す。
ガタゴトと揺れる馬車の中、俺が落ちないようにクリスからはギュウギュウに抱きしめられる。
話す時も何故か耳元で囁くように話しかけられてイケボに耳を犯される…
時折、抱きしめていた腕は脇腹や太ももを撫でその度に俺は声を出さないように必死に我慢する。

「クリス…変なとこ触るなよ…」
「変なところ?触ってるつもりはないけど?」
「んっ…ぁ…そこ嫌だって…」

ランスさんに聞こえないようにヒソヒソ声でクリスに注意するが、クリスは何の問題もないといった顔でまた太ももを撫で始め……俺達の行為を突き刺さるような視線で見つめるランスさん。

ほら!ランスさん見てるからぁぁあ!

クリスに好き勝手触られランスさんに視姦されて…俺は張り切る息子を宥めるのに必死で、気分転換しにきたはずなのに湖に着く頃にはぐったりと疲れ切ってしまった…。
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