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本章
119話:モテトークとは…
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「今日も天気がいいですね」
「そうですね」
「えっと…。ランスさんって好きな食べ物とかありますか?」
「いえ特には」
「そ、そうですか…。俺はシチューが一番好きなんです」
「そうなんですね」
「…休みの日って何してるんですか?」
「特には」
「………。」
あぁぁぁぁーー!!
なんなんだよ!話し相手になってくれるっていうから話しかけても毎日こんな感じ。
俺の質問に「そうですね」「いえ特には」を繰り返し、たまに「あはは」と真顔で乾いた笑いを発する…。
常に真顔で俺の隣で直立不動。
笑った顔など見た事もない!
ごっつい男前が真顔でじぃっ…と、こっちを見てくると圧が凄いのなんの…
もう…思ってたのと違うーー!!
会話も続かないのでベッドにゴロンと横になるが、突き刺さる視線が気になってぐーたらする事も出来ずに謎の緊張感に包まれた日々に俺は限界を感じていた。
こんな事なら一人でいる方が楽だった…泣
✳︎
「なぁクリス…ランスさんってあんまり喋らない人?」
「え?ランスは話す方だと思うんだけどなぁ…。いつも話題を振ってくれるのはランスからが多いし…」
嘘だろ…俺にはそんな素振りすら見せないぞ!
クリスの言葉を聞きながら驚いた顔をしていると凄く心配される。
「もしかしてランスと合わない?」
「えっとぉ……」
ここで本音を言っちゃうと、せっかくクリスが俺の為にランスさんを連れてきたのを無駄にしちゃうよなぁ……
「ううん。…ランスさんいい人だよ」
「よかった!ランスもカオルと過ごせて楽しいと言っていたから安心したよ」
ホッと安心した表情を見せ嬉しそうに微笑むクリスを見て本音を言わなくてよかったと思った。
というか、ランスさん俺と過ごしてて楽しいのか?
そんな素振りを見せたことはないから信じられないが…まぁ王子に聞かれたら嘘でも楽しいって言うしかないよな。
まぁ…もう少しだけ頑張ってみるか…。
✳︎
「ランスさんおはようございます」
「おはようございます」
えーっと…会話を続けるポイントは…
前に女子と上手く話すコツを知りたくてネットで『モテるトーク術』と検索していた時の事を思い出す。
サイトには確か…『共通の話題で二人の距離は急接近☆』とか書いてあったな…。
ランスさんとの共通点って…クリスか!
「あの…ランスさんってクリス…トファー王子の専属騎士になるんですか?」
「そうですね。近衛騎士の中でも私はクリストファー王子専属で仕事をしています」
おぉぉー!
初めてあの二つの言葉以外を聞いた!
もうクリスの話題を中心に話を広げていくしかないな!
「そうなんですね!ランスさんはクリストファー王子と、どういう仕事をしているんですか?」
「国政に関わる事もあるので詳しい事は言えませんが…簡単に言えばこの国をより良くする為にクリストファー王子は責務を果たされています。私はそんなクリストファー王子を少しでも支えられればと思っています」
「おぉ~」
凄く真面目な話をされて俺はどう答えたらいいのか分からず、とりあえずリアクションだけ取っておく。
てか、ランスさんはそもそも俺なんかのお守りをしてていいのか?
話を聞いてる感じクリスの近くで仕事してなきゃいけないんじゃね?
「あのぉ…今更なんですが…俺なんかの護衛と話し相手をランスさんにしてもらっていいんですか?俺なんかよりクリストファー王子の隣にいた方が…」
「いえ。大丈夫です。私はカオル様の護衛という重要な任務をここで放棄する訳にはいきません」
「そ、そうですか…」
いつもより圧が強めの口調でランスさんにそう言われれば何も言えない…。まぁ、王子に頼まれた任務なら嫌とは言えないよな。
「……カオル様は私が側にいるのは嫌ですか?」
「へっ?」
初めてランスさんから質問されて思わず間抜けな声が出てしまう。
ランスさんの方を見れば、いつもよりしょげだ顔をしている気がする…
「嫌じゃないですよ…。ただ…」
「ただ?」
「もう少し笑ってくれると嬉しい…です…」
「…………。」
遠回しに真顔はやめてくれと伝えるとランスさんは少し考え込み…
「分かりました。善処します」
そう言って不器用な笑顔を見せてくれた。
それからも、俺が一方的に話の話題を振っていき俺とランスさんは少しだけ仲良くなった。
「なぁなぁクリス!聞いて聞いて!」
食事や風呂も済ませて寝る前にクリスの袖を掴みながら今日ランスさんと少し仲良くなったと俺は嬉々と話す。
「そう…。よかったね」
「それでな!その後もランスさんと…」
クリスも俺とランスさんが仲良くなったのが嬉しいのかニコニコしながら話を聞いてくれるので、ランスさんとの出来事を話続けているとクリスに突然キスされて話を止められる。
「ねぇカオル。そろそろカオルの事抱きたいんだけどいい?」
「ぬぇ!?あ、ちょ…クリス…」
話の途中で、ストレートにエッチしようと誘われて俺は驚き拒否する間も無くベッドへと連れていかれ裸に剥かれた。
その日のクリスは凄く凄~~く意地悪で…何度も絶頂手前で手を止められてその度に「私の事好き?」と質問されて頷くまで絶対にイカせてくれなかった…。
「そうですね」
「えっと…。ランスさんって好きな食べ物とかありますか?」
「いえ特には」
「そ、そうですか…。俺はシチューが一番好きなんです」
「そうなんですね」
「…休みの日って何してるんですか?」
「特には」
「………。」
あぁぁぁぁーー!!
なんなんだよ!話し相手になってくれるっていうから話しかけても毎日こんな感じ。
俺の質問に「そうですね」「いえ特には」を繰り返し、たまに「あはは」と真顔で乾いた笑いを発する…。
常に真顔で俺の隣で直立不動。
笑った顔など見た事もない!
ごっつい男前が真顔でじぃっ…と、こっちを見てくると圧が凄いのなんの…
もう…思ってたのと違うーー!!
会話も続かないのでベッドにゴロンと横になるが、突き刺さる視線が気になってぐーたらする事も出来ずに謎の緊張感に包まれた日々に俺は限界を感じていた。
こんな事なら一人でいる方が楽だった…泣
✳︎
「なぁクリス…ランスさんってあんまり喋らない人?」
「え?ランスは話す方だと思うんだけどなぁ…。いつも話題を振ってくれるのはランスからが多いし…」
嘘だろ…俺にはそんな素振りすら見せないぞ!
クリスの言葉を聞きながら驚いた顔をしていると凄く心配される。
「もしかしてランスと合わない?」
「えっとぉ……」
ここで本音を言っちゃうと、せっかくクリスが俺の為にランスさんを連れてきたのを無駄にしちゃうよなぁ……
「ううん。…ランスさんいい人だよ」
「よかった!ランスもカオルと過ごせて楽しいと言っていたから安心したよ」
ホッと安心した表情を見せ嬉しそうに微笑むクリスを見て本音を言わなくてよかったと思った。
というか、ランスさん俺と過ごしてて楽しいのか?
そんな素振りを見せたことはないから信じられないが…まぁ王子に聞かれたら嘘でも楽しいって言うしかないよな。
まぁ…もう少しだけ頑張ってみるか…。
✳︎
「ランスさんおはようございます」
「おはようございます」
えーっと…会話を続けるポイントは…
前に女子と上手く話すコツを知りたくてネットで『モテるトーク術』と検索していた時の事を思い出す。
サイトには確か…『共通の話題で二人の距離は急接近☆』とか書いてあったな…。
ランスさんとの共通点って…クリスか!
「あの…ランスさんってクリス…トファー王子の専属騎士になるんですか?」
「そうですね。近衛騎士の中でも私はクリストファー王子専属で仕事をしています」
おぉぉー!
初めてあの二つの言葉以外を聞いた!
もうクリスの話題を中心に話を広げていくしかないな!
「そうなんですね!ランスさんはクリストファー王子と、どういう仕事をしているんですか?」
「国政に関わる事もあるので詳しい事は言えませんが…簡単に言えばこの国をより良くする為にクリストファー王子は責務を果たされています。私はそんなクリストファー王子を少しでも支えられればと思っています」
「おぉ~」
凄く真面目な話をされて俺はどう答えたらいいのか分からず、とりあえずリアクションだけ取っておく。
てか、ランスさんはそもそも俺なんかのお守りをしてていいのか?
話を聞いてる感じクリスの近くで仕事してなきゃいけないんじゃね?
「あのぉ…今更なんですが…俺なんかの護衛と話し相手をランスさんにしてもらっていいんですか?俺なんかよりクリストファー王子の隣にいた方が…」
「いえ。大丈夫です。私はカオル様の護衛という重要な任務をここで放棄する訳にはいきません」
「そ、そうですか…」
いつもより圧が強めの口調でランスさんにそう言われれば何も言えない…。まぁ、王子に頼まれた任務なら嫌とは言えないよな。
「……カオル様は私が側にいるのは嫌ですか?」
「へっ?」
初めてランスさんから質問されて思わず間抜けな声が出てしまう。
ランスさんの方を見れば、いつもよりしょげだ顔をしている気がする…
「嫌じゃないですよ…。ただ…」
「ただ?」
「もう少し笑ってくれると嬉しい…です…」
「…………。」
遠回しに真顔はやめてくれと伝えるとランスさんは少し考え込み…
「分かりました。善処します」
そう言って不器用な笑顔を見せてくれた。
それからも、俺が一方的に話の話題を振っていき俺とランスさんは少しだけ仲良くなった。
「なぁなぁクリス!聞いて聞いて!」
食事や風呂も済ませて寝る前にクリスの袖を掴みながら今日ランスさんと少し仲良くなったと俺は嬉々と話す。
「そう…。よかったね」
「それでな!その後もランスさんと…」
クリスも俺とランスさんが仲良くなったのが嬉しいのかニコニコしながら話を聞いてくれるので、ランスさんとの出来事を話続けているとクリスに突然キスされて話を止められる。
「ねぇカオル。そろそろカオルの事抱きたいんだけどいい?」
「ぬぇ!?あ、ちょ…クリス…」
話の途中で、ストレートにエッチしようと誘われて俺は驚き拒否する間も無くベッドへと連れていかれ裸に剥かれた。
その日のクリスは凄く凄~~く意地悪で…何度も絶頂手前で手を止められてその度に「私の事好き?」と質問されて頷くまで絶対にイカせてくれなかった…。
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