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124話:一方その頃イケメン達は… ②〜ディランSide〜

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     ~ディランSide~


「リオ!ギルドに依頼した捜索願いの事だが…詳しく話を聞かせてもらえるかな?」

仕事の依頼でスリランを離れギルド帰ってくるなりリオが依頼したカオルの捜索願いを目にし急いで食堂『ライライ』へと向かった。

一体何が起こっているんだ…。

焦る気持ちのまま食堂に入るなりリオを捕まえ事情を確認する。

「ディランさん…。カオルが…カオルが…」

リオは私の顔を見るなり泣きだしそうな顔をみせるとくしゃりと顔を歪ませる。

「リオ…。落ち着いて事情を話してくれ…」
「はい…」

リオは仕事を早く切り上げさせてもらいエルがいるカオルの部屋へと向かう。
部屋の中に入ると以前よりも痩せた印象のエルが出迎えてくれた。


「じゃあ…早速だがカオルの件について話して欲しい」
「はい…」

リオとエルはこれまでの経過を事細かに話てくれる。カオルがいなくなった日の事、カオルからの手紙、そしてカバンの匂いの人物…。

「いくらカオルを探しても見つからなくて…それでギルドに依頼しました。この手紙もカオルの字だけど…何か違う感じがして…」
「そうだな…」
「テガカリ…コレダケ…」

差し出されたカバンは確かにカオルが持つには見た目も値段も大人びた物だ…。

「この街に来たばかりの時に持っていたと言っていたな…」
「はい。ただ…誰もカオルがどこから来たのか知らなくて…」
「………。」


カオルがどこから来たのか…
何か…何か情報は…


『バルドさん。町まで案内してくれて本当にありがとうございました!』


「バルド…」

ふと思い出したカオルとバルドの会話は確かそんな事を言っていた…。あの時は目の前でカオルがバルドに挨拶のキスをして詳しい話を聞く状態ではなかったが、バルドならば何か知っているかもしれない…。

「リオ、エル。もしかしたら…カオルの手掛かりが掴めるかもしれない…」
「ほ、ほんとですか!?」

二人には何か分かり次第すぐに報告すると伝え私はギルドへと戻り今バルドが関わっている依頼を確認する。

今回は護衛の依頼を受け明日にはスリランに戻ってくる予定か…。
バルドが戻ってくるまで私も出来る限りの情報を集めながら帰りを待つ事にした。


✳︎

次の日。
護衛が終わったバルドは少し疲れた様子でギルドへと戻ってくる。

「バルド。話がある。部屋に来てくれ」
「へっ?俺…何かやらかしました?」

私のいつになく真剣な顔にバルドは少し緊張した様子を見せながら部屋へとやってくる。

「バルド。カオルと最初に出会ったのはどこか覚えているか?」
「カオルですか?カオルとは…確か、西にある街道で声をかけられました」
「西か…。バルドはカオルがどこから来たのか知っているか?」
「どこから来たのかは知りませんが…カオルは元奴隷だと俺は思っています」
「奴隷だと…?」

バルドから意外な言葉が飛び出して思わず眉をひそめてしまう。

「はい…。カオルは一人で西の街道を彷徨っていたんです。話を聞くとカオルは今自分がどこにいるのかさえも分かっていませんでした。俺のような醜い顔も怖がらず、むしろ好意を寄せてくれる…俺達とは違う価値観に違和感を感じました。不安な時に首輪を握りしめるような動作も見られたので…もしかしたらカオルは性奴隷としてずっと閉じ込められ、外部から閉鎖された環境で生活していたんじゃないのかって…。そして、そこから逃げ出してきた…」

バルドの話を聞き言葉を無くしてしまう…。
だが…確かにカオルは文字も分からずリオに教えてもらったりしていたし、魔道具で溢れるこの世界で魔道具や魔力の事もあまり知らなかった…。

「あの…ディランさん。カオルがどうかしたんですか?」
「あぁ…カオルが建国パレード以降、行方不明なんだ」

バルドはカオルが行方不明と聞くと目を見開く。

「はぁぁ!?そんな…早く見つけてやらないと…。まさか…グリッターの奴らがギルバートの事を恨んで…」
「いや…そこは調べたが今回のカオルの件には関わっていなかった。それに、カオルから手紙は届いているんだ…」
「手紙ですか…」
「あぁ。そしてその手紙についていた匂いがカオルがこの町に来た時に持っていたカバンと同じだとエルが言っているんだ」
「もしかして、カオルは逃げ出した場所に連れ戻された…」
「かもしれない…。そこで、今はカオルがどこから来たのか調べている。バルド、カオルと出会った場所へ案内してくれ」


バルドは私の言葉に頷き私達はバルドとカオルの出会った場所を目指す。
きっとそこへ行けば何か手掛かりがあるはずだ…。
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