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本章
114話:塔の上のカオルくん ①
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「すんごい暇だな…」
澄み渡る青空をボケーーっと見ながら俺は今日も日課の日向ぼっこを行う。
大きな窓を開けるとバルコニーがあり、今日ものほほんとバルコニーでくつろぎ優雅なひと時を過ごしている。
最初はバルコニーに出ることさえクリスは渋ったが、監禁されてた時に外に出たかったんだよなぁ…と、呟くと許してくれた。
ここに来てからもう10日が経つ。
初めは大変だった研究の手伝いも今は毎日の身体計測だけなので、それ以外は自由時間になっている。
クリスからはとりあえず部屋から出ないようにと言われたが…はっきり言って退屈だ。
最初の頃はクリスと一緒に過ごす時間も多かったのだが、やはり王族というのは忙しいらしく最近は朝と晩を過ごすくらいだ。
暇すぎるので今日も部屋から持ってきた椅子に座りバルコニーから外の庭園を眺める。
手入れの行き届いた庭は色とりどりの花が咲いている。そして、その周囲を甲冑を着た兵士さん達が警備している。
皆仕事頑張ってんのに俺はこんなグータラしてていいのかなぁ~
そんな事を考えていると、ポカポカ陽気に誘われるように眠たくなりうたた寝する。
そんな日々を繰り返しながら過ごしていた。
✳︎
ある日、いつものように外を眺めていると警備をしていた仮面をつけた兵士さんがチラッと俺を見てきたような気がした。
気になってそのままじーっと見ていると、またチラッとこちらを見てくるので、とりあえずペコっと頭を下げる。
俺の行動に驚いたのか兵士さんは体を小さく揺らし、間をおいてペコっと頭を下げて挨拶してくれた。
クリスとグレイスさん以外の人との繋がりがない俺は挨拶しただけなのになんだか嬉しくなって顔がニヤけてしまう。
それから、庭園を警備する兵士さんを見かけると挨拶をして少しずつ仲良くなったと勝手に思い込む。
さらに兵士さんに手を振ってフレンドリー感を強調してみると、兵士さんは周りをキョロキョロと確認して俺に小さく手を振り返してくれた。
それが凄く嬉しくて、俺はまた満面の笑みで兵士さんに向けて大きく手を振った。
俺がバルコニーから顔を出しヘラヘラと毎日兵士さんに向けて手を振る行為は兵士さん達の間で『離れの塔の警備につけば謎の美少年に手を振ってもらえる』と、噂され今では塔の警備は取り合うくらいの人気スポットになった事など知らずに、俺は新たな日課を手に入れ少し楽しみが増えたなぁ~と、呑気に考えていた。
澄み渡る青空をボケーーっと見ながら俺は今日も日課の日向ぼっこを行う。
大きな窓を開けるとバルコニーがあり、今日ものほほんとバルコニーでくつろぎ優雅なひと時を過ごしている。
最初はバルコニーに出ることさえクリスは渋ったが、監禁されてた時に外に出たかったんだよなぁ…と、呟くと許してくれた。
ここに来てからもう10日が経つ。
初めは大変だった研究の手伝いも今は毎日の身体計測だけなので、それ以外は自由時間になっている。
クリスからはとりあえず部屋から出ないようにと言われたが…はっきり言って退屈だ。
最初の頃はクリスと一緒に過ごす時間も多かったのだが、やはり王族というのは忙しいらしく最近は朝と晩を過ごすくらいだ。
暇すぎるので今日も部屋から持ってきた椅子に座りバルコニーから外の庭園を眺める。
手入れの行き届いた庭は色とりどりの花が咲いている。そして、その周囲を甲冑を着た兵士さん達が警備している。
皆仕事頑張ってんのに俺はこんなグータラしてていいのかなぁ~
そんな事を考えていると、ポカポカ陽気に誘われるように眠たくなりうたた寝する。
そんな日々を繰り返しながら過ごしていた。
✳︎
ある日、いつものように外を眺めていると警備をしていた仮面をつけた兵士さんがチラッと俺を見てきたような気がした。
気になってそのままじーっと見ていると、またチラッとこちらを見てくるので、とりあえずペコっと頭を下げる。
俺の行動に驚いたのか兵士さんは体を小さく揺らし、間をおいてペコっと頭を下げて挨拶してくれた。
クリスとグレイスさん以外の人との繋がりがない俺は挨拶しただけなのになんだか嬉しくなって顔がニヤけてしまう。
それから、庭園を警備する兵士さんを見かけると挨拶をして少しずつ仲良くなったと勝手に思い込む。
さらに兵士さんに手を振ってフレンドリー感を強調してみると、兵士さんは周りをキョロキョロと確認して俺に小さく手を振り返してくれた。
それが凄く嬉しくて、俺はまた満面の笑みで兵士さんに向けて大きく手を振った。
俺がバルコニーから顔を出しヘラヘラと毎日兵士さんに向けて手を振る行為は兵士さん達の間で『離れの塔の警備につけば謎の美少年に手を振ってもらえる』と、噂され今では塔の警備は取り合うくらいの人気スポットになった事など知らずに、俺は新たな日課を手に入れ少し楽しみが増えたなぁ~と、呑気に考えていた。
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