美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

文字の大きさ
上 下
109 / 181
本章

89話:セシリオとフィウス ① 〜Sideセシリオ〜

しおりを挟む

     ✳︎✳︎セシリオSide✳︎✳︎



あの忌まわしい場所から抜け出しフィウスを抱えて部屋へと向かう。
部屋に到着するとベッドへと向かいフィウスを寝かす。辛そうに体をよじらせフィウスの手は自然と硬くなった股間の方へと向かっていた。


「フィウス……一度出すか?」
「ん…だす…」

顔を赤らめ頷いたので俺は迷わずフィウスのペニスを直接扱きだす。

「んぁっ!セシリオ……やぁ…」
「俺に触られるの嫌かもしれないけど…我慢しろ。楽にしてやるから…」

嫌だと言っているが媚薬でおかしくなったフィウスの体は嬉しそうに俺の行為を受け入れる。
数回扱くと先走りがドロドロと溢れだしフィウスは呆気なく白濁を飛ばす。

だが媚薬を盛られているフィウスのモノはまだ出し足りないと言いたいのか硬さを保ったままピクピクと震えている。


「しんどいよなぁ…。フィウスが満足するまで何度でも出してやるから…」
「あっ…ん…ぁ……」

後ろから抱きかかえ再度フィウスのモノを触ってやれば先端からは嬉しそうに涎を垂らしだす。
俺の腕の中で体を震わせ気持ち良さそうに感じている姿を見せられると愛しさが込み上げてくる。




フィウスと出会ったのは2年前。
娼館からの依頼がきっかけでフィウスの護衛につく事になった。

初めて俺を見たフィウスは恐怖で顔を歪ませていた。

フィウスは変な客が寄り付く事が多く、見た目が醜悪な俺を護衛として近くに置いておけばそんな客も減るだろうと娼館側は思ったようだ。

娼館側の思惑通り俺がフィウスの周りをウロチョロしていると変な客は減った。
しかし、フィウス自体が俺の事を恐れ毎日暗い顔をしていた。

「なぁフィウスさん。俺をそばに置いておくのが嫌ならはっきり断った方がいいですよ」
「えっ……?」

俺から話しかけられるとフィウスは恐怖に満ちた顔を見せる。

「あ…あの…ごめん…。僕……」

フィウスはそう言うと下を向いて黙りこむ。

「フィウスさんが言えないなら俺から言っておきますから。じゃあ……」
「あ!ご、ごめん!セシリオくんの事嫌じゃないんだ…。ただ…まだ見慣れなくて…。嫌な思いさせてごめん…」


泣きそうな顔をして俺なんかに何度も謝ってくるフィウスを見ていると、こんなんだから客達も調子に乗るんだろうな…と、思ってしまう。

それからフィウスは俺に慣れようと話しかけてきたり意味もなく近づいてくるようになった。
その努力の甲斐あって数週間も経てば顔を青くする事なく俺と話せるようになる。
少しずつフィウスの口調も変わってきて、だらしない生活を送る俺を叱るようにもなった。

『セシリオくん』から『セシリオ』と呼ばれるようになると、仲が深まった気がして嬉しかった。
年上に思えないフィウスを俺もいつしか『フィウス』と呼び、最近ではフィウスの困った顔を見たくて人前では『ご主人様』と呼ぶようになった。


フィウスに付き纏う迷惑な客は少し減ったが中にはホープのように連れ去ろうとする奴もいた。
一度だけフィウスになんで危険な目にもあってまで娼夫の仕事を続けるのか聞いた事がある。


「出来損ないの僕はこんな事でしか役に立てないからね…」

その時のフィウスは笑いながら…でも、どこか苦しそうな表情で答えてくれた。

健気で優しくて…バカがつくほどお人好しなフィウスを俺が守ってやらないと…。


いつしか俺は護衛としてではなく自分の本心でフィウスを守るようになった。

しおりを挟む
感想 114

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。

とうふ
BL
題名そのままです。 クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。

ある日、人気俳優の弟になりました。

雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。 「俺の命は、君のものだよ」 初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……? 平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

処理中です...