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本章
84話:イケメン騎士団長の日常 ⑤ 〜Side アルク〜
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「娼夫ばかりの失踪……?」
オドリーが調べてきた資料に目を通しながら僕達は早朝から馬車に揺られスリランに向かっていた。
ここ最近、オドリーが真面目な顔をして何か調べていたのはこれだったのか…
「あぁ。捜索願いの提出時期はバラバラだが連絡が途絶えたり見かけなくなったのは大体今の時期辺りからだ。娼夫の身内からがほとんどで娼館からの報告は無し。だが…あまりにも人数がおかしい。娼館側は客と蒸発したんだろうと言っていたがな…。」
「だが…この大人数の娼夫の失踪ならばすぐに問題になるだろう…」
あまりにも不可解な量の捜索願いの数に僕は眉間にシワを寄せる。
「そうだろ?俺でさえ気づくんだ…他の奴でもおかしな事が起こってるくらい分かるはずだよな。だからこの捜索願いの書類整理をずっとしていた奴を捕まえて優しく聞いてきたんだよ」
オドリーはニヤっと笑いながら話を続ける。
「書類整理してた奴も最初はおかしいと思って娼館に問い合わせたんだと。だが娼館の奴に脅されて金を掴まされて言い出せなかったんだとよ。娼館側から捜索願いの名簿の処分も依頼されたらしいが、さすがにそれは出来なかったみたいだ。まぁ…親族から捜索の途中経過を確認する連絡が入るから名簿が消失していたらすぐにバレるんだがな…」
「そうか…。それで失踪には娼館側が関わっているのか?」
「あぁ。どうやら娼館側が他国に娼夫を売っているようなんだ…性奴隷として」
「なっ!?そんな卑劣な事を…」
今向かっているスリランには娼館が多く立ち並ぶ。そして、カオルくんもその街で娼夫として働いている…。
僕はカオルくんがこの事件に巻き込まれていないか…とても不安になった。
もし、カオルくんが巻き込まれて酷い事されていたら…
考えただけで湧き上がる怒りにギュッと拳を握り込む。
「…どうして早くこの事件の事を僕に教えてくれなかったんだ?」
僕は少し苛立った声でオドリーに責めるような口調で質問してしまう。
「あぁ…昨日までは俺も憶測で動いてたからな。お前、スリランの娼夫に夢中になってるだろ?確証もない事で不安にさせたくなかったんだよ。すまん。」
申し訳なさそうな顔をして僕に謝ってくる。
オドリーは何も悪くないのに僕は感情的になって何を言っているんだ…
「僕こそ…ごめん。キツい言い方をしてしまった」
「はは。気にしてねーよ」
「しかし、何故急遽スリランに向かう事にしたんだ?」
「捕まえてた奴隷商が昨日の夜中やっと吐いたんだよ。今日娼館が行う講習会ってやつが、どうやら奴隷の取り引きの場になってるらしいんだ。だから、今日は急遽スリランに向かう事にしたんだ」
「そうだったのか…。だがその講習会の会場にすんなり僕達を入れてくれるだろうか?」
「入れないだろうな…。スリランに到着したらとりあえず街の門の警備強化と、街を出て行く馬車の荷台の確認を徹底させる」
「分かった」
その後もオドリーと馬車の中で今後の動きを確認し、スリランにある騎士団の詰所へと僕達は向かった。
オドリーが調べてきた資料に目を通しながら僕達は早朝から馬車に揺られスリランに向かっていた。
ここ最近、オドリーが真面目な顔をして何か調べていたのはこれだったのか…
「あぁ。捜索願いの提出時期はバラバラだが連絡が途絶えたり見かけなくなったのは大体今の時期辺りからだ。娼夫の身内からがほとんどで娼館からの報告は無し。だが…あまりにも人数がおかしい。娼館側は客と蒸発したんだろうと言っていたがな…。」
「だが…この大人数の娼夫の失踪ならばすぐに問題になるだろう…」
あまりにも不可解な量の捜索願いの数に僕は眉間にシワを寄せる。
「そうだろ?俺でさえ気づくんだ…他の奴でもおかしな事が起こってるくらい分かるはずだよな。だからこの捜索願いの書類整理をずっとしていた奴を捕まえて優しく聞いてきたんだよ」
オドリーはニヤっと笑いながら話を続ける。
「書類整理してた奴も最初はおかしいと思って娼館に問い合わせたんだと。だが娼館の奴に脅されて金を掴まされて言い出せなかったんだとよ。娼館側から捜索願いの名簿の処分も依頼されたらしいが、さすがにそれは出来なかったみたいだ。まぁ…親族から捜索の途中経過を確認する連絡が入るから名簿が消失していたらすぐにバレるんだがな…」
「そうか…。それで失踪には娼館側が関わっているのか?」
「あぁ。どうやら娼館側が他国に娼夫を売っているようなんだ…性奴隷として」
「なっ!?そんな卑劣な事を…」
今向かっているスリランには娼館が多く立ち並ぶ。そして、カオルくんもその街で娼夫として働いている…。
僕はカオルくんがこの事件に巻き込まれていないか…とても不安になった。
もし、カオルくんが巻き込まれて酷い事されていたら…
考えただけで湧き上がる怒りにギュッと拳を握り込む。
「…どうして早くこの事件の事を僕に教えてくれなかったんだ?」
僕は少し苛立った声でオドリーに責めるような口調で質問してしまう。
「あぁ…昨日までは俺も憶測で動いてたからな。お前、スリランの娼夫に夢中になってるだろ?確証もない事で不安にさせたくなかったんだよ。すまん。」
申し訳なさそうな顔をして僕に謝ってくる。
オドリーは何も悪くないのに僕は感情的になって何を言っているんだ…
「僕こそ…ごめん。キツい言い方をしてしまった」
「はは。気にしてねーよ」
「しかし、何故急遽スリランに向かう事にしたんだ?」
「捕まえてた奴隷商が昨日の夜中やっと吐いたんだよ。今日娼館が行う講習会ってやつが、どうやら奴隷の取り引きの場になってるらしいんだ。だから、今日は急遽スリランに向かう事にしたんだ」
「そうだったのか…。だがその講習会の会場にすんなり僕達を入れてくれるだろうか?」
「入れないだろうな…。スリランに到着したらとりあえず街の門の警備強化と、街を出て行く馬車の荷台の確認を徹底させる」
「分かった」
その後もオドリーと馬車の中で今後の動きを確認し、スリランにある騎士団の詰所へと僕達は向かった。
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