美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

文字の大きさ
上 下
95 / 181
本章

77話:娼夫仲間 ②

しおりを挟む
それからセシリオさんとフィウスさんに連れられて初めて行くお店へ。
リオの食堂とは違い少し落ち着いたお店で、店員さんは半獣人が多くいた。

「うわぁ…このお店初めて来ました」
「結構いいだろ?半獣人が多いから気楽に飲み食いできるんだよ」

セシリオさんはそう言うと仮面とローブを脱いで席へと座る。

「ほら。この店は仮面もローブも外して大丈夫だから脱げよ」

セシリオさんにそう言われてエルは俺の方を見てくる。「脱いでいいよ」と声をかけると頷いてエルも仮面とローブを脱いだ。

「ちょっとセシリオ…相手に許可も得ずに勝手に脱いで…」
「ご主人様大丈夫だって~!こちらさんが連れてる狼くんと一緒にいれる人なんだから…俺の外見だって大丈夫だよな?」

セシリオさんはそう言って俺に笑顔で問いかけてきたので「俺は全然大丈夫です」と答えると、フィウスさんはホッとした表情を見せる。

「すみません。セシリオはいつもこんな感じで…。あの、よければお名前を教えてもらってもいいですか?」
「あ!すみません!俺達名前言ってなかったですね…。俺はカオルです。あと隣にいるのがエルです」
「エルデス。ヨロシクオネガイシマス」

エルと俺はペコっと頭を下げて自己紹介を済ませ終わる。

「自己紹介も終わった事だし早く飯頼もう!オススメでいいか?」
「はい!お願いします」

セシリオさんは慣れた感じで店員さんに注文をしていく。
このお店は半獣人が経営しているお店で、あちらこちらにモフモフの尻尾が揺れている…

運ばれてきた料理は肉料理がメインで、どれもボリュームたっぷりだ。
腹が減っていた俺とエルは目をキラキラさせながら肉汁溢れる料理にがっつく。

「お!カオルいい食いっぷりだな~。でもそんなに食った後に仕事するなんて辛くないか?」
「へ?なんのころれふか何のことですか?」
「何って…お前娼夫だろ?満腹でヤッたら吐かねーか?」
「コ、コラ!セシリオ!食事中にそんな事を聞くな!」

フィウスさんはセシリオさんを注意して、また俺に謝ってくる。
でも…まぁ間違った事は言われてないからなぁ…

そう思っているとエルが疑問に思ったのか首を傾げながら俺を見てくる。

「アルジ…ショウフ?ナニ?」
「あぁ…ほら俺の仕事の名前だよ」
「ショウフ…アルジノシゴト…」
「なんだ~エルはご主人様の仕事を知らずに護衛してるのか?」
「ゴエイ…?」
「おいおい…。お前は護衛する為に買われたんじゃないのか?護衛ってのは、ご主人様を守る仕事だよ」

セシリオさんは不思議そうな顔をして俺を見てくる。

「あの…エルは護衛とかじゃないんです。色々あって今は一緒に生活してるんです」
「へぇ~。護衛でもないのに俺らみたいな醜い半獣連れて歩くなんて、カオルは俺のご主人様より変わり者だな」
「ちょっと…セシリオ…」

セシリオさんはケラケラと笑い、フィウスさんはさらに困って下がっていた眉がさらに下がる。

「カオルくん不快な思いにさせてしまってごめんね。セシリオには後でキツく言っておくから…。ところで、カオルくんは本当に娼夫なの?」
「はい…そうです」
「そうなんだ!実は僕も…娼夫なんだ」
「えぇ!!本当ですか?」
「うん。『ラビリンス』って娼館で働いているんだ。カオルくんはどこの娼館に勤めてるの?」
「俺はフリーでやってるんです。娼館って…なんか怖くて…」

俺はここに来た時にアルクさんから教えられた娼館の話をすると、俺の話を聞いたセシリオさんがケラケラと笑いだす。

「そんな話聞かされりゃ怖くなるな。けど、実際はそんなに怖い場所じゃないぜ。な?ご主人様」
「まぁ…そうだね。給料も最低限決まってて、お客さんを多く取ればその分追加でお給料貰えるしね。それに、お客さんとトラブルになったらお店が仲裁に入ってくれるからね…」
「うんうん。娼夫は客とのトラブルが多いからなぁ~。ご主人様は凄い巻き込まれて体質だから店側も面倒見切れなくて俺を付けるレベルだしな」

セシリオさんはそう言ってフィウスさんにニカっと笑いかけるが、フィウスさんは苦笑い…

「今日カオル達が助けに入ってくれた相手も元々は客だったんだけど、『娼夫なんてやめて俺と付き合え』ってうるさい奴だったんだよ。知らない奴に喧嘩ふっかけられて相手してたら、その隙にご主人様を連れて行かれるなんて思いもしなかったから…さすがに今日は焦ったんだがカオルとエルがいてくれて本当に助かったよ。ありがとうな!」

そう言ってセシリオさんは俺達に頭を下げてくる。

「いえ…俺は何もしてないんで…。エルは頑張ったな!あんな簡単に人を持ち上げれるなんてビックリしたぞ~」
「アルジ、マモル。オレノシゴト!」

エルは褒められると嬉しそうに笑ってパタパタと尻尾を揺らす。

「カオルくんとエルくんは仲がいいんだね。さぁ食事が冷める前に食べて食べて」
「はい!エル食べよう!」
「ウン!」

その後も食事をとりながらフィウスさん達と色々話をした。
フィウスさんは今年で娼夫をやめて地元の村へと戻る予定らしい。
元々、4人いる弟達の学費や生活費を稼ぐ為に娼夫になったらしく、末の弟の学費も払い終わり村へ帰って実家の仕事を手伝うと言っていた。

セシリオさんはその話になると「寂しい!俺はご主人様について行くからなぁ~」と毎回駄々をこねるようでフィウスさんがセシリオさんを宥めていた。


「カオルくん、エルくん!また、ご飯食べに行こうね!」
「昼間は大体暇だからいつでも連絡してこいよぉ~」

フィウスさんと連絡先を交換して俺達は別れた。

「エル。楽しかったな!」
「ウン。セシリオサン、フィウスサン、イイヒト」


俺達は今日の事を色々と話しながら宿へと帰っていった。






しおりを挟む
感想 114

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

イケメンの後輩にめちゃめちゃお願いされて、一回だけやってしまったら、大変なことになってしまった話

ゆなな
BL
タイトルどおり熱烈に年下に口説かれるお話。Twitterに載せていたものに加筆しました。Twitter→@yuna_org

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

処理中です...