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本章
67.5話:イケメン騎士団長の日常〜アルクSide〜 ④+オドリーSide
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~アルクSide~
今日は待ちに待ったカオルくんが我が家にお泊まりに来る日…
部屋も片付けた。
ディナーの予約も済ませた。
ベッドの準備もバッチリだ。
カオルくんに会えるまで…あと2時間か…
ルンルン気分で苦手な書類業務を団長室でこなしていると、オドリーが大量の書類を手にして入ってくる。
「オドリー…その手に持っているのはなんだ…?」
「ん?これか?ここ10年間の行方不明者名簿だよ。整理を手伝えって押しつけられたんだよ」
オドリーはハァ…とため息をつきながらドサッと書類を机の上に置く。
山のような書類の量に僕はゴクリと唾を飲む。
「まさか…今日中に整理しろとかじゃないよな…」
「そんな無理な要求されたら俺が断ってるって。今週いっぱいまでに整理すればいいんだとさ」
「そうか。よかった…」
僕はホッと胸を撫で下ろす。
この量を今日中に…なんて言われたら残業確定だ。
「なんだ?ホッとした顔して?…もしかして今日はデートか?」
オドリーはニヤニヤしながら冷やかす様に聞いてくる。
まぁ…今回はお泊まりデートと言ってもいいよな?
「実は…デートなんだ…」
僕がエヘヘと照れながらそう言うと、オドリーはビックリした顔で僕をみてくる。
「マジかよ…。冗談…ではなさそうだな。お前がデートか…物好きもいるもんだな。じゃあ今日は早く帰れよ。残りの仕事は俺がしといてやるから」
「えっ!?い、いいのか?」
「あぁ。お前がデートだなんて二度とないかもしれないからな」
いつも僕を揶揄ってばかりのオドリーが優しいなんて…
僕は嬉しくてオドリーを抱きしめる。
「オドリー…君は最高の友人だよぉ~」
「気持ち悪いから抱きしめてくるなよ…。ほら。さっさと帰れ」
オドリーの言葉に甘えて僕はカオルくんの宿へと急いで向かった。
✳︎
~オドリーSide~
「あのアルクがデートねぇ…」
俺は静かになった団長室で一人大量の書類と向き合う。
アルクはあの見た目のせいか浮いた話など今まで聞いた事がなかった。
俺は幼少期からアルクと一緒に過ごしていたので慣れてしまったが、初対面でアルクを見る人は恐怖を感じる人も多い。
そんなアルクが最近になり童貞を卒業し、遂にはデートだと浮かれていた。
「変なのに騙されてたりしないよな…」
いつもは童貞だのと揶揄ってばかりいたが、いざそんな話を聞かされると友人として騙されていないか心配になる。
だがアルクも27歳のいい大人だ。
好きにさせておくか…
そう思いながら行方不明者の名簿を整理していく。
前回整理した者が几帳面な奴だったのか、古いものから日付け順に綺麗に綴られており俺が整理する必要がなかった。
やる事が無くなったので行方不明者名簿へと目を通す。
小さな子どもから老人まで…年間で数百件の行方不明者が届けられる。
見つかった者には『解決済』の印鑑が押されているが、押されている割合は2割程度だろうか…
パラパラと数年分を見ているとある傾向に気づく。
今の時期に届けられている行方不明者の職業の大半が『娼夫』だった。
毎年毎年、今の時期を境に娼夫の行方不明者が増えている。
そして…『解決済』の印鑑は誰も押されていない。
「なんだか面倒事に巻き込まれそうな感じだなぁ…」
気付いてしまったからには調べないといけないよな…。
俺はハァ…とため息をつきながら行方不明者の書類を見つめた。
今日は待ちに待ったカオルくんが我が家にお泊まりに来る日…
部屋も片付けた。
ディナーの予約も済ませた。
ベッドの準備もバッチリだ。
カオルくんに会えるまで…あと2時間か…
ルンルン気分で苦手な書類業務を団長室でこなしていると、オドリーが大量の書類を手にして入ってくる。
「オドリー…その手に持っているのはなんだ…?」
「ん?これか?ここ10年間の行方不明者名簿だよ。整理を手伝えって押しつけられたんだよ」
オドリーはハァ…とため息をつきながらドサッと書類を机の上に置く。
山のような書類の量に僕はゴクリと唾を飲む。
「まさか…今日中に整理しろとかじゃないよな…」
「そんな無理な要求されたら俺が断ってるって。今週いっぱいまでに整理すればいいんだとさ」
「そうか。よかった…」
僕はホッと胸を撫で下ろす。
この量を今日中に…なんて言われたら残業確定だ。
「なんだ?ホッとした顔して?…もしかして今日はデートか?」
オドリーはニヤニヤしながら冷やかす様に聞いてくる。
まぁ…今回はお泊まりデートと言ってもいいよな?
「実は…デートなんだ…」
僕がエヘヘと照れながらそう言うと、オドリーはビックリした顔で僕をみてくる。
「マジかよ…。冗談…ではなさそうだな。お前がデートか…物好きもいるもんだな。じゃあ今日は早く帰れよ。残りの仕事は俺がしといてやるから」
「えっ!?い、いいのか?」
「あぁ。お前がデートだなんて二度とないかもしれないからな」
いつも僕を揶揄ってばかりのオドリーが優しいなんて…
僕は嬉しくてオドリーを抱きしめる。
「オドリー…君は最高の友人だよぉ~」
「気持ち悪いから抱きしめてくるなよ…。ほら。さっさと帰れ」
オドリーの言葉に甘えて僕はカオルくんの宿へと急いで向かった。
✳︎
~オドリーSide~
「あのアルクがデートねぇ…」
俺は静かになった団長室で一人大量の書類と向き合う。
アルクはあの見た目のせいか浮いた話など今まで聞いた事がなかった。
俺は幼少期からアルクと一緒に過ごしていたので慣れてしまったが、初対面でアルクを見る人は恐怖を感じる人も多い。
そんなアルクが最近になり童貞を卒業し、遂にはデートだと浮かれていた。
「変なのに騙されてたりしないよな…」
いつもは童貞だのと揶揄ってばかりいたが、いざそんな話を聞かされると友人として騙されていないか心配になる。
だがアルクも27歳のいい大人だ。
好きにさせておくか…
そう思いながら行方不明者の名簿を整理していく。
前回整理した者が几帳面な奴だったのか、古いものから日付け順に綺麗に綴られており俺が整理する必要がなかった。
やる事が無くなったので行方不明者名簿へと目を通す。
小さな子どもから老人まで…年間で数百件の行方不明者が届けられる。
見つかった者には『解決済』の印鑑が押されているが、押されている割合は2割程度だろうか…
パラパラと数年分を見ているとある傾向に気づく。
今の時期に届けられている行方不明者の職業の大半が『娼夫』だった。
毎年毎年、今の時期を境に娼夫の行方不明者が増えている。
そして…『解決済』の印鑑は誰も押されていない。
「なんだか面倒事に巻き込まれそうな感じだなぁ…」
気付いてしまったからには調べないといけないよな…。
俺はハァ…とため息をつきながら行方不明者の書類を見つめた。
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