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本章

62話:ヤバイ奴 ②

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逃げなきゃいけないのにズルズルと引きずられるようにして到着しました俺の部屋。

てかなんで俺の部屋まで知ってるんだよ…

キースは部屋に入るなりキラキラした目で部屋中を眺めて何度も深呼吸をする。

「あぁ…カオル部屋…カオルの匂い…」

…思った以上にヤバイぞコイツ。

そんな事を思いながらキースの行動を遠目に見ていると、キースは俺の方へと振り返り嬉しそうに近づいてくる。

「さぁカオル。俺はどうすればいい?」
「えーっと…本当にするのか?」
「もちろんだ。俺はカオルの全てが知りたいんだ…まさか本当にカオルがこんな醜い姿の俺を受け入れてくれるなんて思わなかった…だから今凄く嬉しいんだ」

キースはうっとりしながら俺の頬を撫でて見つめてくる。

最初の出会いは最悪でリオに酷い事言ってきた奴だったから嫌いだったけど…少しずつコイツなりに変わろうとしてる部分が見えてくる。
それに俺に向けられる好意は真っ直ぐ過ぎて怖いくらいでキースを本気で嫌いにはなれない…

なんかもう断れないよな…。
よし!こうなったらさっさとやる事やって帰ってもらうしかないな!

俺は開き直ってキースに抱かれる覚悟を決める。


「ほら、じゃあ服脱いで…ベッド行こう」
「あぁ…分かった」

俺もキースも各自で服を脱ぎ雰囲気もクソもない。
こんなんでエッチできんのかよ…
と思っていたのは俺だけだったようで、キースの下半身は下着越しにも分かるくらいにヤル気で満ち溢れていた。

「カオルの体は本当に綺麗だな…」

そう言って頬を染めるキースは俺を抱き寄せてくる。キースの思ったよりも男らしい胸筋に涎が出そうになるのを堪えて大人しく抱きしめられておく。

「なぁ…カオルの娼夫としてのこだわりはどんなものがあるんだ?」
「へっ?あ、あぁ…こだわり…こだわり…」

そんなものねーよ!
と、言ってしまいたいがさっき説教して『誇りを持って仕事してる!』なんて言ったからちゃんと答えないといけないよなぁ…
てか、こだわりってなんだよ。
俺が人にできんのフェラくらいなんだけど。

「こだわりは…口でのご奉仕かなぁ」
「口での…ご奉仕……」

キースは俺の言葉を復唱しながら目を見開いてこっちを見てくる。
なんだよ。言った俺が恥ずかしくなるからそんな顔してこっち見んなよ!

自分で言っておきながら俺は顔を真っ赤にして下を向くと、キースに顎を掴まれて上を向かせられる。

「カオルのご奉仕見せてほしい…」


あぁ…
なんで俺はあんな事を言ってしまったんだ…

数十秒前の自分を心の中で罵りながら俺はキースに苦笑いしながら「も、もちろん…」と答えた。
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