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本章
104話:再会 ③
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「んっ……」
ようやく開くようになった重い目蓋をなんとか開き俺は目を覚ます。
頭の中がまだスッキリしないが、猛烈に眠たかったあの時よりはマシだ。
まだ完全復活とは言い難いので、いつも寝ているベッドよりもふわふわでいい匂いのする布団にくるまりボーっとする。
というか…俺は今どこにいるんだ?
頭の中を整理して気を失うように眠ってしまった最後の場面を思い浮かべる。
クリスと話して、お菓子食べて、おかしい位に眠たくなって…クリスが医者に見せてくれるとか言ってたから病院とか?
布団の中から顔を出して辺りを見渡す。
部屋はロイヤルブルーで統一された家具が並び気品溢れる雰囲気を醸し出している。壁や棚にはお高そうな絵画や壺などが飾られており、病院ではない事は一目瞭然だった。
えーっと…病院じゃないならクリスの部屋?
え?クリスってもしかして金持ちなの?そーいえば、今日着てた服とか金持ちっぽかったけど…クリスの仕事って森を守る番人じゃなかったか?結構に給料高いのかな?
そんな事を考えながら体を起こしてベッドから降りる。まだ少しふらつくが、なんとか一人で歩けそうだ。
あの眠気は一体なんだったのだろうか…?何か変な病気じゃないといいけど…。
他に異変がないか体を動かし確認がてら部屋を散策する。部屋は無駄に広いし家具もアンティークっぽくて高そう…。
部屋の窓から外を見るが辺りは暗くよく分からないが、遠くの方にポツポツと灯りが見える。多分、今いる場所は大きな建物の中だということはわかった。
俺が部屋の中をウロウロしていると、コンコンとドアを叩く音がする。
「あ…はーい」
「カオル。私だ。開けるよ」
ドアの向こうからはクリスの声が聞こえ俺が返事をするとドアが開く。
「もう歩けるんだね。よかったよ」
「うん。まだ少しぼんやりするんだけどね…。お医者さん俺の体の事何か言ってた?」
「体はとくに問題はないみたいだよ。多分、疲れが溜まっていたんだね」
「そっか…俺、疲れるような事何かしたかなぁ…?」
なんとなく負に落ちないが医者がそう言うなら信じよう。
「クリス色々ありがとうな。今部屋の中を歩いてみたけど体も大丈夫みたい!」
「そう。それはよかった…」
「ここってさ、スリランから遠いの?アルクさんとエルを待たせてるから帰ろうと思うんだけど…」
俺が『帰る』と言うと、クリスの雰囲気が変わる。顔はニコニコしてんのに…なんだか怖い。
「もう夜も遅いから帰るのはオススメできないかなぁ…。それに、アルクさんとエルくんには私から連絡を入れているから大丈夫だよ。二人とも今日は帰ってこない方がいいって言っていたからね。今日は泊まっていくといいよ」
「そっか…。ありがとうなクリス!じゃあ…お言葉に甘えて…」
俺がそう答えると、クリスは嬉しそうに「カオル。お腹とか空いてない?お風呂がいい?」と、俺の世話を焼き始める。
なんだか、あの森で二人仲良く一緒に暮らしていた最初の頃を思い出し懐かしくなった。
ようやく開くようになった重い目蓋をなんとか開き俺は目を覚ます。
頭の中がまだスッキリしないが、猛烈に眠たかったあの時よりはマシだ。
まだ完全復活とは言い難いので、いつも寝ているベッドよりもふわふわでいい匂いのする布団にくるまりボーっとする。
というか…俺は今どこにいるんだ?
頭の中を整理して気を失うように眠ってしまった最後の場面を思い浮かべる。
クリスと話して、お菓子食べて、おかしい位に眠たくなって…クリスが医者に見せてくれるとか言ってたから病院とか?
布団の中から顔を出して辺りを見渡す。
部屋はロイヤルブルーで統一された家具が並び気品溢れる雰囲気を醸し出している。壁や棚にはお高そうな絵画や壺などが飾られており、病院ではない事は一目瞭然だった。
えーっと…病院じゃないならクリスの部屋?
え?クリスってもしかして金持ちなの?そーいえば、今日着てた服とか金持ちっぽかったけど…クリスの仕事って森を守る番人じゃなかったか?結構に給料高いのかな?
そんな事を考えながら体を起こしてベッドから降りる。まだ少しふらつくが、なんとか一人で歩けそうだ。
あの眠気は一体なんだったのだろうか…?何か変な病気じゃないといいけど…。
他に異変がないか体を動かし確認がてら部屋を散策する。部屋は無駄に広いし家具もアンティークっぽくて高そう…。
部屋の窓から外を見るが辺りは暗くよく分からないが、遠くの方にポツポツと灯りが見える。多分、今いる場所は大きな建物の中だということはわかった。
俺が部屋の中をウロウロしていると、コンコンとドアを叩く音がする。
「あ…はーい」
「カオル。私だ。開けるよ」
ドアの向こうからはクリスの声が聞こえ俺が返事をするとドアが開く。
「もう歩けるんだね。よかったよ」
「うん。まだ少しぼんやりするんだけどね…。お医者さん俺の体の事何か言ってた?」
「体はとくに問題はないみたいだよ。多分、疲れが溜まっていたんだね」
「そっか…俺、疲れるような事何かしたかなぁ…?」
なんとなく負に落ちないが医者がそう言うなら信じよう。
「クリス色々ありがとうな。今部屋の中を歩いてみたけど体も大丈夫みたい!」
「そう。それはよかった…」
「ここってさ、スリランから遠いの?アルクさんとエルを待たせてるから帰ろうと思うんだけど…」
俺が『帰る』と言うと、クリスの雰囲気が変わる。顔はニコニコしてんのに…なんだか怖い。
「もう夜も遅いから帰るのはオススメできないかなぁ…。それに、アルクさんとエルくんには私から連絡を入れているから大丈夫だよ。二人とも今日は帰ってこない方がいいって言っていたからね。今日は泊まっていくといいよ」
「そっか…。ありがとうなクリス!じゃあ…お言葉に甘えて…」
俺がそう答えると、クリスは嬉しそうに「カオル。お腹とか空いてない?お風呂がいい?」と、俺の世話を焼き始める。
なんだか、あの森で二人仲良く一緒に暮らしていた最初の頃を思い出し懐かしくなった。
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