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本章
52話:もう一人のご主人様? ③
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何故自分がこの金髪の男性を『ご主人様』と呼んでしまったのか分からないが、とにかくそう呼ばないといけない気がした。
久しぶりに響き渡る頭の中の声…
俺あの声嫌いなんだよな。ねちっこくて。
でも、何故だかあの声を聞くと声の通りにしなきゃって思ってしまう。
「ディランさん…」
俺はなんだか困ってしまいご主人様を見上げると少し心配そうな顔で見つめられ、安心しろといつものように頭を撫でてくれる。
「カオル…混乱しているんだね…私の名はギルバートだ。お前をそこにいるディランから助けたのは私だったろ?」
「助けてくれた…?」
むむむ~と考えると前は浮かんでこなかった光景が浮かび上がる。
なんか…もう一人のご主人様ことギルバートさんに変な道具を頭に付けられてて…手足縛られたような…
ん?この状況は助けてくれてたのか?
むしろ俺酷いことされてない?
でも、ギルバートさんが言ってるから正しい気がしてきたような…
でもでも、あの部屋から助け出してくれたのはご主人様だったしなぁ…
俺が首を捻り考えているとギルバートさんはさらに俺に語りかけてくる。
「ほらよーく思い出してごらん。私がカオルをコイツから助けだした事を…」
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やっぱりギルバートさんの言ってる意味はよく分からないが…
え?何?助けてもらったって言って欲しいのかな?
いや…俺はそう言わないといけないんだ…
「俺…あなたに助けてもらった…」
「うん…うんうん!そうだよカオル!ログス審判官聞きましたか?本当の犯人はディランなんです!」
ギルバートさんは興奮しながらご主人様に嫌悪感剥き出しで睨みつけてくる。
何この人…めっちゃ怖い。
思わずご主人様の袖をギュッと握りしめて見上げると…凄く悲しい顔をしていた。
あぁ…そっか…俺がギルバートさんに言われた通りに言ったからご主人様が悪者になっちゃってるんだ…
俺は訂正しようと口を開こうするとギルバートさんに止められる。
「カオル!話さなくて大丈夫だ!もうディランの言いなりになんてならなくていいんだよ」
そう言われると言葉が出なくなる。
違うのに…ご主人様全然悪くないのに…
俺は違う違うと首を横に振るが部屋の中にいた兵士は俺の肩を持つとご主人様から引き離そうとする。
嫌…嫌だ…離れたくない!
ねぇご主人様!違うって、俺を助けたのは自分だって否定して!
握りしめていた袖を離さないでいるとご主人様が俺の手を袖から離す。
…なんで?
ご主人様を見つめると酷く辛そうな顔をして目線を逸らされる。
俺…ご主人様に嫌われてしまったんだ…
そう理解すると目頭が熱くなり俺は下を向いて涙を堪えた。
久しぶりに響き渡る頭の中の声…
俺あの声嫌いなんだよな。ねちっこくて。
でも、何故だかあの声を聞くと声の通りにしなきゃって思ってしまう。
「ディランさん…」
俺はなんだか困ってしまいご主人様を見上げると少し心配そうな顔で見つめられ、安心しろといつものように頭を撫でてくれる。
「カオル…混乱しているんだね…私の名はギルバートだ。お前をそこにいるディランから助けたのは私だったろ?」
「助けてくれた…?」
むむむ~と考えると前は浮かんでこなかった光景が浮かび上がる。
なんか…もう一人のご主人様ことギルバートさんに変な道具を頭に付けられてて…手足縛られたような…
ん?この状況は助けてくれてたのか?
むしろ俺酷いことされてない?
でも、ギルバートさんが言ってるから正しい気がしてきたような…
でもでも、あの部屋から助け出してくれたのはご主人様だったしなぁ…
俺が首を捻り考えているとギルバートさんはさらに俺に語りかけてくる。
「ほらよーく思い出してごらん。私がカオルをコイツから助けだした事を…」
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やっぱりギルバートさんの言ってる意味はよく分からないが…
え?何?助けてもらったって言って欲しいのかな?
いや…俺はそう言わないといけないんだ…
「俺…あなたに助けてもらった…」
「うん…うんうん!そうだよカオル!ログス審判官聞きましたか?本当の犯人はディランなんです!」
ギルバートさんは興奮しながらご主人様に嫌悪感剥き出しで睨みつけてくる。
何この人…めっちゃ怖い。
思わずご主人様の袖をギュッと握りしめて見上げると…凄く悲しい顔をしていた。
あぁ…そっか…俺がギルバートさんに言われた通りに言ったからご主人様が悪者になっちゃってるんだ…
俺は訂正しようと口を開こうするとギルバートさんに止められる。
「カオル!話さなくて大丈夫だ!もうディランの言いなりになんてならなくていいんだよ」
そう言われると言葉が出なくなる。
違うのに…ご主人様全然悪くないのに…
俺は違う違うと首を横に振るが部屋の中にいた兵士は俺の肩を持つとご主人様から引き離そうとする。
嫌…嫌だ…離れたくない!
ねぇご主人様!違うって、俺を助けたのは自分だって否定して!
握りしめていた袖を離さないでいるとご主人様が俺の手を袖から離す。
…なんで?
ご主人様を見つめると酷く辛そうな顔をして目線を逸らされる。
俺…ご主人様に嫌われてしまったんだ…
そう理解すると目頭が熱くなり俺は下を向いて涙を堪えた。
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