美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

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本章

40話:森のコテージ ①

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今日は朝からリオと服屋へ買い物に行く約束をしていたので着替えを済ませて食堂で朝食を取り、待ち合わせ場所には少し早めに到着した。

スリランの町の中央には大きな噴水広場があり待ち合わせの場所にする事が多い。
俺も噴水の前でリオを待っていると「すみません」声をかけられる。

声をかけてきたのは人が良さそうな青年で、村から買い物で町に来たそうだが雑貨屋の店が分からないので教えてほしいと言われた。

リオとの待ち合わせ時間まで時間もあるし…

「いいですよ!その雑貨屋の場所は分かりずらいので案内しますね!」

青年が探している雑貨屋は裏通りの奥に店がある為分かりにくい。
初見で見つけるのはなかなか難しいのだ。

青年とたわいもない話をしながら裏通りに入っていく。賑わっていた噴水広場とは違い少し薄暗く人通りもこの通りは少ない。

「この通りの奥に見える黄色の看板が雑…んんんんっ!!?」

青年の方へと振り向いた瞬間、鼻と口元を布で塞がれる。息を吸い込むと薬品臭い匂いでむせ返る…

「んんん!!んん!ん…ん………」

数秒はバタバタと押さえ付けてくる青年に抵抗したが……すぐに俺の意識は途絶えた。


◇◇◇◇◇


…ゴトっ。
………ガタっ……ガタ…


「んん……」

ガタゴトと揺れている…
頭…痛い……

痛む頭を押さえながら目を開けると…


目の前にギルバートさんがいた。

「おはようカオル。ようやく目を覚ましたね」
「え?何?え?え?」

混乱して俺は周りを見渡す。
どうやら馬車に乗せられているようだ。
でもいつの間に……

あ。俺道を聞かれた青年に薬を嗅がされたんだった!!

……もしかして俺拐われてるの?

ギルバートさんを見ると謎の微笑みを俺に向けてくる。
めっちゃ怖いよその笑顔っ!!

「もうすぐ到着するからね」
「えっと…俺状況がよく分からないんですけど…」

俺がそう言うと馬車が止まり「ほら降りるよ」と、ギルバートさんに手を引かれ馬車を降りる。
到着した場所は森の中。
目の前には一軒のコテージ…

…これ本格的にヤバイ状況じゃね?


「さぁカオル。今日からここが君の家だよ」
「え…いや…意味分からないです…」

俺はだんだん怖くなってきて後ずさるがギルバートさんに手首をぎゅっと握り締められる。

「ほら…我儘言わない」

手首痛いし…顔怖い……


俺は何も言えず恐怖に震え半ば引きずられるようにコテージへと連れられていった。




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