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本章
37話:イケメンSランク冒険者登場
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バルドさんと再開して数日後。
最近、食事の時はバルドさんも一緒に食べる事が多くなった。
バルドさんは会うたびに旅の話や冒険の話などをしてくれる。
「うわぁ…やっぱりカッコいいですね冒険者って」
「はは。イイところだけ聞くと華やかに感じるかもしれないが実際は泥臭い仕事ばかりだがな」
俺は話を聞くだけで自分が冒険者になった気分になっていた。
大変そうだけどやっぱり憧れるなぁ…。
そう思いながら食事を終えた俺はトレーを返却しに歩いていると声をかけられる。
「そこの黒髪のキミ!ちょっと待ってくれるかい?」
何事かと思い振り返ると、サラサラと揺れる金髪の髪を肩まで伸ばし白銀の甲冑を見に纏った…まん丸ボディーの不細工な青年がキラキラした笑顔を見せながら立っていた。
「あのぉ…何か用ですか?」
「私の名はギルバート。Sランク冒険者だ。いきなりなんだが…私のパーティー『サンクチュアリ』に入ってはくれないだろうか?」
「えぇぇぇ!?お、俺がですか?」
「あぁ。どうだろう?前にキミを見かけてからずっと探していたんだ」
まさかの勧誘に俺の心は揺さぶられた。
俺…冒険者としてデビューしちゃうの?
自分が冒険者として活躍している所を妄想していると、後ろからガシッと肩を掴まれる。
誰だろう?と、後ろを振り向くとバルドさんが険しい顔をして立っていた。
「ギルバートさん。すまないがカオルは旅について行ける程の体力はない。諦めてくれ」
「誰かと思ったら…醜い奴らばかりのギルド『アトラース』のAランク冒険者か…。カオルくんと言ったかな?体力の事なんて気にしなくていいから。私達の旅は馬車で移動する事がほとんどだから安心してくれ」
ギルバートさんはバルドさんの事を蔑んだ目に嫌悪感たっぷりな顔をして見ていたかと思うと、俺に話しかける時には先程見せたキラキラ笑顔を向けてくる…。
なんだか…この人怖いかも…。
バルドさんも行くなと止めてるし…ここは一旦断ろうかな。
「あのぉ…お誘いしてもらって嬉しいんですが…俺は今の生活で精一杯で冒険者なんて出来そうもないので…ごめんなさい!!」
俺は頭を下げて誘いを断るとギルバートさんはハァ…と、ため息をつく。
「そうか…残念だな。まぁ今日は邪魔も入ったしね。また誘いに来るから…じゃあねカオルくん」
ギルバートさんはそう言うと俺の手を取り手の甲にキスをして去って行く。
俺はその行為に全身鳥肌を立てて固まった…。
「カオル大丈夫か?」
「アハハ…なんとか…」
いや。本当はあまり大丈夫じゃないです。
手の甲にはキスされた感触がまだ生々しく残っている。
多分、あの人はこの世界ではイケメンで、あんな事されたら惚れちゃうんだろうな…。
「カオルすまない…。折角パーティーに誘われたのに俺が断ってしまって…」
「いえ…いいんです。バルドさんが言ったみたいに俺体力無いですし…冒険者なんて何したらいいのか分からないですし…」
前にバルドさんと歩いて村まで行った時も俺途中でバテて迷惑かけたもんなぁ…。
「まぁそれもあるんだが、多分サンクチュアリのパーティーに誘われたのは……カオルを男娼だと思って声をかけたんだと思う」
バルドさんは申し訳なさそうに衝撃的な事を教えてくれた。
つまり、俺あのまま了承してたら…まん丸ギルバートさんのパーティーの性処理係になってたって事!!?
うわぁ……マジで断っててよかった…。
「そ、そうなんですね…」
「あぁ…他の冒険者パーティーではそういう事はしないんだがな。あのパーティーは前から色々と問題を抱えているんだ」
バルドさんはため息をつきながら眉間にシワを寄せていた。
「カオル。またギルバートから声をかけられてもついて行ったりするなよ。何かあったら俺やディランさんを頼っていいからな」
「はい。気をつけます…」
俺はぶんぶんと頭を縦に振りながら頷き絶対にギルバートには近づくまいと誓った。
最近、食事の時はバルドさんも一緒に食べる事が多くなった。
バルドさんは会うたびに旅の話や冒険の話などをしてくれる。
「うわぁ…やっぱりカッコいいですね冒険者って」
「はは。イイところだけ聞くと華やかに感じるかもしれないが実際は泥臭い仕事ばかりだがな」
俺は話を聞くだけで自分が冒険者になった気分になっていた。
大変そうだけどやっぱり憧れるなぁ…。
そう思いながら食事を終えた俺はトレーを返却しに歩いていると声をかけられる。
「そこの黒髪のキミ!ちょっと待ってくれるかい?」
何事かと思い振り返ると、サラサラと揺れる金髪の髪を肩まで伸ばし白銀の甲冑を見に纏った…まん丸ボディーの不細工な青年がキラキラした笑顔を見せながら立っていた。
「あのぉ…何か用ですか?」
「私の名はギルバート。Sランク冒険者だ。いきなりなんだが…私のパーティー『サンクチュアリ』に入ってはくれないだろうか?」
「えぇぇぇ!?お、俺がですか?」
「あぁ。どうだろう?前にキミを見かけてからずっと探していたんだ」
まさかの勧誘に俺の心は揺さぶられた。
俺…冒険者としてデビューしちゃうの?
自分が冒険者として活躍している所を妄想していると、後ろからガシッと肩を掴まれる。
誰だろう?と、後ろを振り向くとバルドさんが険しい顔をして立っていた。
「ギルバートさん。すまないがカオルは旅について行ける程の体力はない。諦めてくれ」
「誰かと思ったら…醜い奴らばかりのギルド『アトラース』のAランク冒険者か…。カオルくんと言ったかな?体力の事なんて気にしなくていいから。私達の旅は馬車で移動する事がほとんどだから安心してくれ」
ギルバートさんはバルドさんの事を蔑んだ目に嫌悪感たっぷりな顔をして見ていたかと思うと、俺に話しかける時には先程見せたキラキラ笑顔を向けてくる…。
なんだか…この人怖いかも…。
バルドさんも行くなと止めてるし…ここは一旦断ろうかな。
「あのぉ…お誘いしてもらって嬉しいんですが…俺は今の生活で精一杯で冒険者なんて出来そうもないので…ごめんなさい!!」
俺は頭を下げて誘いを断るとギルバートさんはハァ…と、ため息をつく。
「そうか…残念だな。まぁ今日は邪魔も入ったしね。また誘いに来るから…じゃあねカオルくん」
ギルバートさんはそう言うと俺の手を取り手の甲にキスをして去って行く。
俺はその行為に全身鳥肌を立てて固まった…。
「カオル大丈夫か?」
「アハハ…なんとか…」
いや。本当はあまり大丈夫じゃないです。
手の甲にはキスされた感触がまだ生々しく残っている。
多分、あの人はこの世界ではイケメンで、あんな事されたら惚れちゃうんだろうな…。
「カオルすまない…。折角パーティーに誘われたのに俺が断ってしまって…」
「いえ…いいんです。バルドさんが言ったみたいに俺体力無いですし…冒険者なんて何したらいいのか分からないですし…」
前にバルドさんと歩いて村まで行った時も俺途中でバテて迷惑かけたもんなぁ…。
「まぁそれもあるんだが、多分サンクチュアリのパーティーに誘われたのは……カオルを男娼だと思って声をかけたんだと思う」
バルドさんは申し訳なさそうに衝撃的な事を教えてくれた。
つまり、俺あのまま了承してたら…まん丸ギルバートさんのパーティーの性処理係になってたって事!!?
うわぁ……マジで断っててよかった…。
「そ、そうなんですね…」
「あぁ…他の冒険者パーティーではそういう事はしないんだがな。あのパーティーは前から色々と問題を抱えているんだ」
バルドさんはため息をつきながら眉間にシワを寄せていた。
「カオル。またギルバートから声をかけられてもついて行ったりするなよ。何かあったら俺やディランさんを頼っていいからな」
「はい。気をつけます…」
俺はぶんぶんと頭を縦に振りながら頷き絶対にギルバートには近づくまいと誓った。
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