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本章
34.5話:イケメン店員の事情〜リオSide〜②
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買い物当日。
俺はお気に入りの服屋へとカオルを案内していく。
色んな服を試着しながら「どうかな?」と俺に聞いてくるカオルに俺は終始頬が緩みっぱなしだった。
「似合ってる」って言うと恥ずかしそうに照れるところとか凄く可愛い!
服屋で何着か購入して、今度着てくるからと嬉しそうに話してくれて次はどこに…と言っている時だった。
「あ。おいリオ…なんでこんなところにいるんだよ」
今一番聞きたくない声が聞こえる。
何故か俺に突っ掛かってくるモウルーネ男爵兄弟。
いつものように俺を貶す言葉を言ってくるがカオルもいるので耐える。
カオルは怒った顔をして俺を見てくるが「大丈夫だから」と言って笑ってみせる。
俺が我慢すればいいだけなんだ…
こんなのいつもの事……
拳を握り締めながら相手が飽きて帰るのを待っていた時だった。
「おい!そこの2人!リオは醜くも気持ち悪くもない!カッコいいんだよ!それに…童貞でもねーんだよ!!……俺達は付き合ってるんだからな!」
カオルの言葉に俺もモウルーネ男爵の兄弟も唖然としてしまう。
驚いているとカオルの手が俺の頬へと伸びてきてカオルの方へと顔を向けると…
カオルの顔が…唇が…え?何?何が起こった?
気がつけばカオルの宿まで手を引かれ連れていかれる。
宿に着くなりカオルは申し訳なさそうにさっきの事を謝ってくるが…全然問題ない。
むしろ俺なんかとキスして…嫌じゃないの?
そう思って聞いてみると「嫌じゃないよ」と答えてくれて…嬉しくて思わず抱きしめる。
もう一度キスして欲しかてお願いするとカオルは笑顔でキスをしてくれる。
あぁ…もう…カオル好きだぁ…
カオルのキスで惚けていたが、モウルーネ男爵の事はきちんと説明しておかないといけないと思い今までの事を話す。
またアイツらが来た時の事も考えて一応付き合ったフリをすることになった。
偽の恋人同士でもカオルと付き合っていると思うと嬉しい…。
翌日、いつものように食堂で働いていると…
モウルーネ兄弟がやってきていた。
「おいリオ。昨日の黒髪の青年は何処にいる」
相変わらず傲慢な態度。
もうすぐ昼飯時…カオルが来る前追い払いたい…
「さあな。アイツはここには来ないよ。…早く帰ってくれ」
「ふん。どうだかな。今日はアイツが来るまでここにいる」
「えぇ…兄さん…こんな所早く出ようよ…」
そうだ弟。早くそいつを連れて帰れ。
帰ろう帰ろうと催促する弟を無視して居座る兄…はっきり言って迷惑だ。
俺が横を通ればグチグチといつものように文句を言ってくるが無視する。
お前に付き合っていられる程暇じゃないんだ。
そうこうしてるとカオルが店にやって来てしまった…
「あ。リオ~今日の昼飯……げっ!」
カオルは男爵兄弟を見つけてあからさまに嫌な顔を見せる。
一方兄はカオルを見つけると、いかにも嬉しそうな顔をしてカオルに詰め寄る。
「なぁ…お前はリオに脅されて付き合ってるんだろう?」
「あのなぁ…リオの事が好きで付き合ってるに決まってるだろ!」
店の中がカオルの一言で騒つく…
何人かの常連は俺を睨んでくるが…俺だって皆の前でこんな事言われてビックリしてるんだから睨まないで欲しい。
男爵兄は泣きそうな顔で何も言わずに走り去っていく。
「なんなんだよアイツ…」
「さぁ…何がしたいんだろうな…」
…多分、男爵兄はカオルの事が気になってるんだろう。
性格は最悪だが俺よりもずっといい見た目のアイツがカオルに興味を持っているのは、あまりいい状況ではない。
もし…男爵兄がカオルに手を出してきたら…
カオルを奪われてしまう事に俺は怖くなってしまっていたが…そんな考えはすぐに消える。
毎日毎日俺達の前に現れる男爵兄弟は懲りもせずカオルに
「リオの事なんて本当は嫌いなんだろう?」
「あんな醜いやつの何処がいいんだ?」
など、聞いてくるものだからカオルはいつもイライラしながら答えていた。
「だーかーらー…俺はリオが好きなんだよ!」
嘘だと分かってても毎日カオルから「好き」だと言われると凄く嬉しい気持ちになる。
カオルには悪いが……ほんの少しだけ毎日やって来るあのクソ兄弟に感謝してしまっていた。
それからカオルと恋人キスの練習や、風呂に入った時には互いに抜きあったり…
そしてついに今日はカオルと繋がってしまった。
俺の上で腰を振るカオルは本当に可愛くてやらしくて…たまらなかった。
俺とカオルの関係はきっと友達だ。
あるいはセフレか…
それ以上になりたいけれど…
身分が高い訳でもない、金持ちでもない、顔も良くない…。
臆病な俺は自分の気持ちなど伝えられなかった。
でもそれでもいいんだ。
ずっとずっとカオルの側にいられればそれでいい。
俺は親友という形でカオルを離さないから。
俺はお気に入りの服屋へとカオルを案内していく。
色んな服を試着しながら「どうかな?」と俺に聞いてくるカオルに俺は終始頬が緩みっぱなしだった。
「似合ってる」って言うと恥ずかしそうに照れるところとか凄く可愛い!
服屋で何着か購入して、今度着てくるからと嬉しそうに話してくれて次はどこに…と言っている時だった。
「あ。おいリオ…なんでこんなところにいるんだよ」
今一番聞きたくない声が聞こえる。
何故か俺に突っ掛かってくるモウルーネ男爵兄弟。
いつものように俺を貶す言葉を言ってくるがカオルもいるので耐える。
カオルは怒った顔をして俺を見てくるが「大丈夫だから」と言って笑ってみせる。
俺が我慢すればいいだけなんだ…
こんなのいつもの事……
拳を握り締めながら相手が飽きて帰るのを待っていた時だった。
「おい!そこの2人!リオは醜くも気持ち悪くもない!カッコいいんだよ!それに…童貞でもねーんだよ!!……俺達は付き合ってるんだからな!」
カオルの言葉に俺もモウルーネ男爵の兄弟も唖然としてしまう。
驚いているとカオルの手が俺の頬へと伸びてきてカオルの方へと顔を向けると…
カオルの顔が…唇が…え?何?何が起こった?
気がつけばカオルの宿まで手を引かれ連れていかれる。
宿に着くなりカオルは申し訳なさそうにさっきの事を謝ってくるが…全然問題ない。
むしろ俺なんかとキスして…嫌じゃないの?
そう思って聞いてみると「嫌じゃないよ」と答えてくれて…嬉しくて思わず抱きしめる。
もう一度キスして欲しかてお願いするとカオルは笑顔でキスをしてくれる。
あぁ…もう…カオル好きだぁ…
カオルのキスで惚けていたが、モウルーネ男爵の事はきちんと説明しておかないといけないと思い今までの事を話す。
またアイツらが来た時の事も考えて一応付き合ったフリをすることになった。
偽の恋人同士でもカオルと付き合っていると思うと嬉しい…。
翌日、いつものように食堂で働いていると…
モウルーネ兄弟がやってきていた。
「おいリオ。昨日の黒髪の青年は何処にいる」
相変わらず傲慢な態度。
もうすぐ昼飯時…カオルが来る前追い払いたい…
「さあな。アイツはここには来ないよ。…早く帰ってくれ」
「ふん。どうだかな。今日はアイツが来るまでここにいる」
「えぇ…兄さん…こんな所早く出ようよ…」
そうだ弟。早くそいつを連れて帰れ。
帰ろう帰ろうと催促する弟を無視して居座る兄…はっきり言って迷惑だ。
俺が横を通ればグチグチといつものように文句を言ってくるが無視する。
お前に付き合っていられる程暇じゃないんだ。
そうこうしてるとカオルが店にやって来てしまった…
「あ。リオ~今日の昼飯……げっ!」
カオルは男爵兄弟を見つけてあからさまに嫌な顔を見せる。
一方兄はカオルを見つけると、いかにも嬉しそうな顔をしてカオルに詰め寄る。
「なぁ…お前はリオに脅されて付き合ってるんだろう?」
「あのなぁ…リオの事が好きで付き合ってるに決まってるだろ!」
店の中がカオルの一言で騒つく…
何人かの常連は俺を睨んでくるが…俺だって皆の前でこんな事言われてビックリしてるんだから睨まないで欲しい。
男爵兄は泣きそうな顔で何も言わずに走り去っていく。
「なんなんだよアイツ…」
「さぁ…何がしたいんだろうな…」
…多分、男爵兄はカオルの事が気になってるんだろう。
性格は最悪だが俺よりもずっといい見た目のアイツがカオルに興味を持っているのは、あまりいい状況ではない。
もし…男爵兄がカオルに手を出してきたら…
カオルを奪われてしまう事に俺は怖くなってしまっていたが…そんな考えはすぐに消える。
毎日毎日俺達の前に現れる男爵兄弟は懲りもせずカオルに
「リオの事なんて本当は嫌いなんだろう?」
「あんな醜いやつの何処がいいんだ?」
など、聞いてくるものだからカオルはいつもイライラしながら答えていた。
「だーかーらー…俺はリオが好きなんだよ!」
嘘だと分かってても毎日カオルから「好き」だと言われると凄く嬉しい気持ちになる。
カオルには悪いが……ほんの少しだけ毎日やって来るあのクソ兄弟に感謝してしまっていた。
それからカオルと恋人キスの練習や、風呂に入った時には互いに抜きあったり…
そしてついに今日はカオルと繋がってしまった。
俺の上で腰を振るカオルは本当に可愛くてやらしくて…たまらなかった。
俺とカオルの関係はきっと友達だ。
あるいはセフレか…
それ以上になりたいけれど…
身分が高い訳でもない、金持ちでもない、顔も良くない…。
臆病な俺は自分の気持ちなど伝えられなかった。
でもそれでもいいんだ。
ずっとずっとカオルの側にいられればそれでいい。
俺は親友という形でカオルを離さないから。
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