美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

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32話:友情とカミングアウト ①

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「なぁ…リオってどんな事されたら嬉しい?」
「嬉しいって…例えば?」
「ん~エッチの時…」
「はぁ!?」


俺の部屋でリオとまったり過ごしていた午後の昼下がり。
2人でベッドの上でゴロゴロしながらたわいのない話をしている時に俺は軽い気持ちで最近の悩みをリオにぶつけてしまう。

「エッチって…この前まで誰とも付きあったこと無いとか言ってたけど、誰かと付き合いだしたのか?」

…そう言えばリオにそんな事言ったな。
俺はなんと答えていいか迷い、何も考えずに聞いてしまった事を後悔する。
俺があたふたしながら言い訳を考えていると、リオはじっと俺を怪しむような目線を向けてくる。


「なぁ……カオルって普段仕事は何してるんだ?」
「え!?あ…あのぉ……」

いきなり仕事の事を聞かれてさらに言い淀む俺に向けられるリオの真っ直ぐな視線が痛い…。


リオには正直に娼夫だって言っちゃっていいのかな?
でも……軽蔑されるかな?
そんな奴と友達なんて嫌だって言われたらどうしよう…
リオに嫌われたら俺…俺……

そんな事を考えてたらどんどん不安になり…涙が溢れてきそうになった。

「カ、カオル!?なんで泣くんだよ!?」
「ぐすっ…ごめんリオ…。俺……娼夫なんだよ…黙っててごめん…」
「なんで謝るんだよ…。泣かなくていいよカオル…」

リオは申し訳ないって顔をして優しく頭を撫でてくれる。

「俺…リオに嫌われたくなくて隠してたんだ…」
「そっか…俺こそ無理矢理聞いてごめん。実はカオルは……そうなんじゃないかなって思ってたんだ。でも俺は別にカオルが娼夫でも嫌いにならないからな!」

真っ直ぐに俺を見て嫌いにならないと言ってくれるリオを見て安心すると、さらに涙がポロポロ…

「りおぉぉ~」
「カオル泣くなって…」

リオは泣きじゃくる俺をギュッと抱きしめて優しく撫でてくれる。

「さっき聞いてきた事って仕事の事で悩んでるのか?」
「…うん。俺、経験が少ないからいつもお客さんの方が俺を気持ちよくしてくれてて…」
「う、うん…」

それから俺はリオにアルクさんとどんな感じでエッチをしているか悩みを話していく。
リオは顔を真っ赤にしながらも真剣に話を聞いてくれた。

「つまり…もっと気持ち良くなってもらう為に色んなことを試してみたいけど、お客さんで試すのは気が引けるって事?」
「うん…」
「なるほどなぁ…娼館にいたら他の娼夫に聞いたり最初の研修でそういうの教えてもらえたりしてもらえるもんな」
「そうなんだ…」

なるほど…娼館にはそんなメリットもあるのかと納得する。

「娼館に入って研修受けてすぐ辞めたりとかできないよなぁ…」
「そんな事して近場で客とってたら後で娼館側からどんな嫌がらせされるか分からないな…」

怖っっ。でも…そうだよなぁ……
ハァ…とため息を付いているとリオがじぃっと俺の事を見てポツリと呟く。


「なぁ……カオル…俺と練習するか?」





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