美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

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26話:ご飯と友達 ②

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それから3日後。
今日はアルクさんが来る日だ。部屋で待っているとコンコンとドアを叩く音がする。

「はーい!」

ドアの方へと向かい開けるといきなりアルクさんが抱きついてきた。

「うわぁっ!」
「カオルくんー!会いたかったよぉー!」

大柄なアルクさんに抱きかかえられギュウギュウに抱きしめられる。

「アルクさん…ちょっと苦しいです…」
「はっ!ご、ごめんね…」
「もう大丈夫ですよ。俺もアルクさんに会いたかったです」

エヘヘと笑いながら挨拶がてらちゅっとキスをする。
3日間会っていなかったせいかアルクさんはキスだけで顔を赤くする。

…………………やっぱり家に連れて帰りたい。カオルくんは少し町には慣れた?」
「はい。友達ができたんですよ」
「へぇ…」

俺はアルクさんの膝の上に座り毎日通っている近所の食堂にいる『リオ』の事を話す。

「リオは俺と同じ歳なんですけど凄くしっかりしてて色々教えてくれるんです。今度遊ぶ約束もしたんですよ」
「そうなんだ…良い友達ができてよかったね」
「はい…っん…よかったです…ふぁ…」

最初は大人しく俺の話を聞いてくれていたアルクさんだったが途中から手が胸や下半身に伸びてきてイタズラしてくる。

「その友達とはどこで遊ぶの?」
「んんっ…服買い…に…ぁっ……」

胸に伸びてきた指先は胸の先端をくにくにと押しつぶし甘い刺激を与えてくれる。
その刺激だけで3日抜いてなかった俺の息子さんは頭を上げてくる。

「カオルくん友達と遊ぶのは楽しみ?」
「はぃ…。たのし…んっ…みです……。アルクさん…それきもちいぃ…」

アルクさんは俺の首筋にキスや甘噛みをしてきて、くすぐったさとゾクゾクする感じが交互にやってくる。
俺のモノはアルクさんの大きな手に包まれてゆるゆると扱かれ早くも先端からタラリと涎を垂らしている…

「カオルくんが楽しそうで僕も嬉しいよ…もっと友達の事聞かせて欲しいな…」
「ふぁっ…はっ…あぁっ……あるくさん…またあとで…話します…今はもっと擦ってほしぃ…」
「いいよ…沢山気持ちよくなってね…」

下着から俺のモノを取り出されさっきよりも強めに握られ上下に扱かれると早くも射精感が強くなってくる…

ぬっちゅぬっちゅとアルクさんの手のリズムに合わせて腰を揺らすと気持ち良さが増す。

「んッッ!あっ…あっ…もぅ…でちゃぅ…」
「いいよカオルくん…ほらイッて…」
「ふぁっ!あっ!あッッッ…ぁ……」

アルクさんの手の平にピュッと吐精し、俺は久しぶりの快感の余韻に浸りアルクさんにもたれかかる。

「カオルくんの濃いね……僕がいない間はお客さん取らなかったの?」
「はぃ…」
「そうなんだ……嬉しい」

そう言うとアルクさんはキスをしてぎゅっと抱きしめてくる。

その後はもちろんアルクさんに何度も抱かれて気が付けば夕方になっていた。
俺達は2人で毛布にくるまりイチャイチャしながら色々と話をする。

「カオルくん次に会いに来るのは一週間後くらいになりそうなんだ…」
「お仕事大変なんですか?」
「うん…なんか色々と面倒くさい事になってきててねぇ…」
「そうなんですね…俺、一週間後にアルクさんに会えるの楽しみにしてますからお仕事頑張って下さいね!」
「うぅ……かおるくぅーーん」

とても寂しそうな顔をしているアルクさんの頭をヨシヨシと撫でると今度は泣きそうな顔をして俺の胸にぐりぐりと頭を押しつけてきた。

明日も朝から仕事があるからとアルクさんは日が暮れる前に帰っていき、俺は夕食を食べに大衆食堂『ライライ』へと向かう。

「お!カオルやっと来たなぁー!」

相変わらず賑わっている店内でリオが声をかけてくれる。

「あはは。昼は人と会ってて来れなかったんだよ」

真っ昼間から抱かれてアンアン喘いでて来れなかったなんて口が裂けても言えない…

「ふーん…まぁいいや。飯食ってくだろ?」
「うん!昼飯食べてないから腹ペコなんだよ~」

いつものようにリオのオススメをトレーに乗せてもらい仕切りの奥の席へと向かう。

今日は仕切りの手前の席も空いてはいるのだが…手前の席はでっぷりと太った人達が席を占領している事が多いのと
一度手前の席で座ってご飯を食べていた時に、隣に座ってきたおじさんにハァハァと吐息を吹きかけられ尻を撫でられて……

俺はあまりの恐怖に啜り泣いた。


この数日でこの世界のヘンテコ価値観も分かってきた。
どうやら美醜の感覚が俺とは真逆のようで、醜い人ほどカッコいいと思われているようだ。
俺のような薄っぺらな顔は可愛いに位置付けされているらしい。

そして俺的にイケメンな整った顔の人達は自分の事を醜いと思い仮面を付けて顔を隠して生活している。
アルクさんやリオも同じ理由で仮面を付けているようだ。

しかも、見た目の差別は結構酷くてこの食堂のように仕切りを付けて仮面を付けている人と付けない人とで食べる場所を区切ったりするのは当たり前だったりする。
仮面無しの人は態度が傲慢な奴も多くてすれ違っただけの仮面を付けたイケメンに暴言を吐く奴もいて………正直引いた。


多分この世界はイケメンを嫌う呪いでもかかってんじゃないかと俺は勝手に思っている。


だから俺のように仮面無しの奴が奥の席で食事するのは凄く変な事らしく、初めの頃はめっちゃ注目されていたとリオから教えてもらった。

今では俺が奥の席に来ても驚く人は少なくなってきたし、リオ以外の顔見知りも一人増えた。

「今日もここ座っていいですか?」
「あぁ…どうぞ」

初日に相席した男性に声をかけ席に座る。
端の机が定位置なのか食事時には大体いるので、俺も慣れた人の方が安心してご飯が食べれるからほぼこの席に座って一緒にご飯を食べている。

名前も知らないし、簡単な挨拶くらいしか会話した事ないけど俺は勝手に親しみを感じていた。

しかし、今日の朝は席が空いていたのでたまには違う場所で食べてみるか思い席を変え食事をしていると…なんだか寂しいオーラを醸しだしながら凝視され痛いくらいの視線を感じた。

もしかして一緒の席でご飯食べたかったのかな?と、自意識過剰に考えてみる。

夕食の時も席は空いていたが今日の朝の件もあったので、その男性に相席していいか聞くと普段より嬉しそうな声で返事してくれた気がする。


今日の夕飯はステーキと魚のフライとパンにスープ。
なかなかのボリュームだが腹ペコ欠食男子の俺の敵ではない。

ガツガツと食べて口の中に頬張っていると、ふと視線を感じ向かいの男性へと目を向けると少し嬉しそうな顔してこちらを見ていた。

…やっぱり一人で食べるより誰かと一緒に食べる方が楽しいよな。

そう思いながら俺もちょっと嬉しくなった。
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