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本章
18話:童貞VS童貞 ②
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俺の誘い文句が炸裂して数十秒経つが、お兄さんは無言。
これはドン引きされてる…?
「あ…あのぉ…お兄さん?」
「………の?」
「へ?」
「僕なんかでいいの?」
両肩をガシっと掴まれ真剣な面持ちで聞かれるが、目はギラついていて…ちょっとだけ怖い。
「うん…お兄さん悪い人じゃなさそうだから。俺売りやるの初めてで相場とか分からないし、この町にも初めて来たから宿も知らないけどいい?」
「問題ないです!全っっ然問題ないです!本当に…本当に…いいのか?」
食い気味で答えてくれるお兄さんに少し恐怖を感じたが、断られなくてよかった…と、一安心。
「はい。俺は大丈夫ですよ」
「そうか……よし!じゃあ行こう!」
「え!あ、ちょっ…」
お兄さんはさぁ早く!と言わんばかりに俺の手を引き足早に宿へと向かっていく。
途中すれ違う人からはジロジロと見られ少し恥ずかしい…
大通りから一本奥に入った通りにある宿へと到着し中へと入っていく。
「部屋を一室借りたい」
仮面をつけた受付の人にそうお兄さんが伝えると俺とお兄さんを何度も交互に見て怪訝な顔をする。
「おいあんた…この子を脅して連れ込もうとしてるなら通報するぞ」
「いや…違う…。決して無理矢理では…」
あたふたと慌てるお兄さん…逆に怪しさ増してるよ。
受付の人は、そんなお兄さんの言動にさらに胡散臭そうな顔をして警戒している。
ここはフォロー入れないとお兄さん犯罪者にされちゃいそう…
「あの…無理矢理じゃないです…俺が買ってくれとお願いして…」
「えぇっ!?君が誘ったのか??」
大声出して驚く受付さん。
驚きすぎだろ…。それより早く部屋を貸してくれ。
「はい。お兄さんは俺の大事なお客さんなので、部屋貸してもらえますか?」
「…分かった。でも何かあったらすぐに大声だすんだぞ」
そう言うと受付さんはフードのお兄さんに睨みつけていた。
え…
このフードのお兄さんヤバイ人なの?
チラッとお兄さんの方を向くと「僕のせいでゴメンね」と申し訳なさそうに謝ってくる。
悪い人には見えないけれど…
まぁ何かあったら叫べばいいか。と能天気に考える。
鍵を貰い2人で部屋へと向かう。
部屋の中はベッドと浴室とトイレだけのビジネスホテルに似た簡素な作りだ。
お兄さんは着ていたコートを脱ぎ仮面を外す。
大柄で服の上からでも分かる鍛えられた筋肉質な体にキリッとした男前な顔。その顔によく似合った顎先まで伸びた銀色の髪はサラリと揺れている。
…イケメンだ。
この世界のイケメン率はやはり高いのだろうか?
俺がお兄さんをじーっと見ていると
「やっぱり後悔してる…?顔ちゃんと見せてなかったから…」
「いや!全然まったく後悔してません!お兄さん凄くカッコいいし…筋肉ヤバイ…」
俺の言葉にお兄さんの顔はみるみる真っ赤になっていき、俺はお兄さんの体を食い入るように見つめる。
筋肉すげ~どうやったらこんな筋肉つくんだろう…
「ねぇ…お兄さんの体触ってみてもいい?」
筋肉フェチの俺はお兄さんの筋肉に見惚れていた。
ほんと男として憧れる体型だよ…。
俺もいつかはこんな体に…と貧相な体の俺は夢見る。
お兄さんは恥ずかしそうに「…触っていいよ」と言ってくれたので遠慮なく触らせてもらう。
胸筋凄いし腹筋もバッキバキ。
ペタペタと好き勝手触りまくっているとお兄さんに引き剥がされる。
「これ以上はもう…」
「あ。ごめんなさい…」
触りすぎて気持ち悪かったかな?
でも、もっと筋肉を味わいたかった…と残念に思っているとお兄さんは慌てて否定する。
「その…違うんだ…嫌とかじゃなくて」
そう言いお兄さんは目線を下げる。
ん?と思い俺も目を下に向けるとテントを張った下半身が見える。
あっ…。
「そうだった。俺買われたんだったよね。じゃあ…ヤる?」
「本当にいいのか?」
「うん。でも俺経験少ないから…上手じゃないけど…」
「全然構わないよ!」
また両肩をガシっと掴まれて少し興奮した顔をしながら言われる。
「ところで、お兄さんの事なんて呼んだらいいですか?」
「はっ!名前言ってなかったね。僕はアルクだ」
「アルクさんですね。俺はカオルって言います」
「カオルくん…そ、そうか。可愛い名前だね」
互いに名前を名乗り2人してベッドへと目線を向ける。
「じゃあ…アルクさんよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく…。あ、あと…とても言いにくい事なんだが…僕はその…こうゆう事が初めてなんだ…」
…………マジか。
童貞による童貞の筆下ろしが今始まろうとしていた。
これはドン引きされてる…?
「あ…あのぉ…お兄さん?」
「………の?」
「へ?」
「僕なんかでいいの?」
両肩をガシっと掴まれ真剣な面持ちで聞かれるが、目はギラついていて…ちょっとだけ怖い。
「うん…お兄さん悪い人じゃなさそうだから。俺売りやるの初めてで相場とか分からないし、この町にも初めて来たから宿も知らないけどいい?」
「問題ないです!全っっ然問題ないです!本当に…本当に…いいのか?」
食い気味で答えてくれるお兄さんに少し恐怖を感じたが、断られなくてよかった…と、一安心。
「はい。俺は大丈夫ですよ」
「そうか……よし!じゃあ行こう!」
「え!あ、ちょっ…」
お兄さんはさぁ早く!と言わんばかりに俺の手を引き足早に宿へと向かっていく。
途中すれ違う人からはジロジロと見られ少し恥ずかしい…
大通りから一本奥に入った通りにある宿へと到着し中へと入っていく。
「部屋を一室借りたい」
仮面をつけた受付の人にそうお兄さんが伝えると俺とお兄さんを何度も交互に見て怪訝な顔をする。
「おいあんた…この子を脅して連れ込もうとしてるなら通報するぞ」
「いや…違う…。決して無理矢理では…」
あたふたと慌てるお兄さん…逆に怪しさ増してるよ。
受付の人は、そんなお兄さんの言動にさらに胡散臭そうな顔をして警戒している。
ここはフォロー入れないとお兄さん犯罪者にされちゃいそう…
「あの…無理矢理じゃないです…俺が買ってくれとお願いして…」
「えぇっ!?君が誘ったのか??」
大声出して驚く受付さん。
驚きすぎだろ…。それより早く部屋を貸してくれ。
「はい。お兄さんは俺の大事なお客さんなので、部屋貸してもらえますか?」
「…分かった。でも何かあったらすぐに大声だすんだぞ」
そう言うと受付さんはフードのお兄さんに睨みつけていた。
え…
このフードのお兄さんヤバイ人なの?
チラッとお兄さんの方を向くと「僕のせいでゴメンね」と申し訳なさそうに謝ってくる。
悪い人には見えないけれど…
まぁ何かあったら叫べばいいか。と能天気に考える。
鍵を貰い2人で部屋へと向かう。
部屋の中はベッドと浴室とトイレだけのビジネスホテルに似た簡素な作りだ。
お兄さんは着ていたコートを脱ぎ仮面を外す。
大柄で服の上からでも分かる鍛えられた筋肉質な体にキリッとした男前な顔。その顔によく似合った顎先まで伸びた銀色の髪はサラリと揺れている。
…イケメンだ。
この世界のイケメン率はやはり高いのだろうか?
俺がお兄さんをじーっと見ていると
「やっぱり後悔してる…?顔ちゃんと見せてなかったから…」
「いや!全然まったく後悔してません!お兄さん凄くカッコいいし…筋肉ヤバイ…」
俺の言葉にお兄さんの顔はみるみる真っ赤になっていき、俺はお兄さんの体を食い入るように見つめる。
筋肉すげ~どうやったらこんな筋肉つくんだろう…
「ねぇ…お兄さんの体触ってみてもいい?」
筋肉フェチの俺はお兄さんの筋肉に見惚れていた。
ほんと男として憧れる体型だよ…。
俺もいつかはこんな体に…と貧相な体の俺は夢見る。
お兄さんは恥ずかしそうに「…触っていいよ」と言ってくれたので遠慮なく触らせてもらう。
胸筋凄いし腹筋もバッキバキ。
ペタペタと好き勝手触りまくっているとお兄さんに引き剥がされる。
「これ以上はもう…」
「あ。ごめんなさい…」
触りすぎて気持ち悪かったかな?
でも、もっと筋肉を味わいたかった…と残念に思っているとお兄さんは慌てて否定する。
「その…違うんだ…嫌とかじゃなくて」
そう言いお兄さんは目線を下げる。
ん?と思い俺も目を下に向けるとテントを張った下半身が見える。
あっ…。
「そうだった。俺買われたんだったよね。じゃあ…ヤる?」
「本当にいいのか?」
「うん。でも俺経験少ないから…上手じゃないけど…」
「全然構わないよ!」
また両肩をガシっと掴まれて少し興奮した顔をしながら言われる。
「ところで、お兄さんの事なんて呼んだらいいですか?」
「はっ!名前言ってなかったね。僕はアルクだ」
「アルクさんですね。俺はカオルって言います」
「カオルくん…そ、そうか。可愛い名前だね」
互いに名前を名乗り2人してベッドへと目線を向ける。
「じゃあ…アルクさんよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく…。あ、あと…とても言いにくい事なんだが…僕はその…こうゆう事が初めてなんだ…」
…………マジか。
童貞による童貞の筆下ろしが今始まろうとしていた。
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