18 / 181
本章
13話:スタコラサッサーのサー②
しおりを挟む
道沿いを歩き出してから1時間程経つだろうか…
村…見つからない。とゆうか家すらない。
陽が沈みだしてきたので少し気持ちが焦りがだす。
それに舗装されてない道を歩くのは結構負担がかかるようで足も限界がきていた。
「きっつ…」
思い付きでクリスから逃げ出してきた事を少しだけ後悔してしまう…
今更引き返しても森を抜ける前に夜が来てしまう。夜の森は怖くて絶対無理だ…
…今は村がある事を信じて進むしかない!
そう思いながらさらに歩くが風景はあまり変わらない。陽も落ち辺りはどんどん暗くなっていく。
ヤバイ…どうしよう…
そう思っていると先の方にポツンと灯りが見え俺は急いでその灯りの方へ向かっていく。
近づいていくと火を焚いており近くには簡易のテントが張ってあった。
恐る恐る近づいていくと人影が見える。
背の高い男の人が俺に背を向けて何か作業をしていたが、俺に気付いたのか振り向く。
その顔には目元から鼻まで覆うハーフマスクが付けられていた。
なんで仮面??…仮装?旅芸人の人とか?
ちょっと怪しいけどこの人以外に人はいないし…
俺は思い切って声をかけてみる。
「あの…すみません。一緒に火に当たってもいいですか?」
「ん?…あぁいいぞ」
仮面の男の人は剣の手入れをしていたらしく剣を鞘に収める。
おぉぉぉお!本物の剣だよ!凄い!カッコいい!
この世界に来て初めて見る片手剣に俺は興味津々。だが仮面の男性は俺を見て心配そうな態度を見せる。
「おい坊主。こんな夜遅くに子供一人か?…親はどこにいるんだ?」
「あ…いや…親はいなくて…」
「ん?あぁ…そうか。だがここは夜になると狼などの獣も出てくるからな。一人で進むのは危険だぞ」
「そ、そうなんですね…」
男性の言葉でキョロキョロと辺りを見渡すと、確かに森の茂みはガサガサと怪しく音を立てていたり遠くから何か獣のような鳴き声が聞こえてくる…
何も考えずに歩いてたけど結構危ない事やってたんだな俺…怖っ。
「まぁ火を焚いていればそうそう近づいてくる事はないから大丈夫だ」
俺が話を聞いて顔を青くしたのが分かったのか男性はさっきよりも少し優しい態度を見せてくれる。
「ところで坊主はどうしてこんなところに1人でいるんだ?」
「ちょっと村へ行こうとしたんですが見つからなくて…」
「村ねぇ…もしかしてバリスの森の西側にある村か?それだと真逆になるぞ…」
嘘…やっちまったよ。
せっかくここまで歩いて来たのに…
「あの…この辺りで村や町って他にもあるんですか?」
「そうだなぁ~近くならさっき言った村と歩いて1日位の場所に小さな村は何個かあるぞ。大きな町はこの道を進んだ東の方にある」
「そうなんですね…」
こうなったら小さな村より大きな町まで行った方がいいかな?
そっちの方が元の世界に戻る手掛かりも見つけやすいかも!
「大きな町ってここから歩いてどれくらいかかるんですか?」
「歩いてだと…1週間はかかるな。途中の村から馬車が出てるからそれに乗れば3日位で着くぞ」
それなら俺でも行けそうだな。
よし!目指す先が決まった!
「坊主1人で町まで行くのか?」
「あ…はい。そのつもりです」
「ふーん…何か訳ありな感じだな」
うっ…。
めっちゃ訳ありだけど孕まされそうになったから逃げたなんて口が裂けても言えない。
あの3週間で不安な事があると首輪を握りしめる癖がついてしまい、思わず首元に手をやってしまう。
その俺の行為に男性の鋭い目線が向けられる。
「お前……奴隷か?」
「ち、違いますよ!奴隷なんかじゃないです…」
まぁ性奴隷みたいなことやってたけど…
俺は下を向いて俯く。
「まぁ深くは聞かないでおくよ。それより…坊主名前は?」
「あ。名前言ってなかったですね。薫って言います」
「カオルねぇ…俺の名前はバルドだ」
名前を言ってからなんだか目線が怖い…
もしかしてクリスの知り合いとか?
うわぁ…どうしよう…
逃げ出したくても逃げ出せない状況に困惑していると男性は「ほら飲みな」と沸かしていたお茶を出してくれる。
「ありがとうございます」
俺はお茶を受け取りペコっと頭を下げる。
「カオルは…俺を見て怖がったりしないんだな」
「え??」
クリスに会った時にも同じ質問を聞かれたが、質問の意味がよく分からない。
男性は金髪の髪に黒色の鋭い瞳、顔は仮面で隠されてるからよく分からないが多分カッコいいのではないだろうか…
「あの前にも同じ事を聞かれたんですが、怖いって…見た目の事ですか?」
「あぁ。普通なら俺みたいな見た目の奴に、お前のような奴らは声もかけてこないし目すら合わせないからな」
えっと…よく分からん。
つまり俺の感覚はズレてるってことか?
「えーっと…俺はバルドさんの見た目はカッコいいと思いますよ」
「はぁ?」
俺の言葉に割とデカめの声で驚かれ…ゲラゲラと爆笑される。
「お前変わってんなぁー」
「あはは…」
「とりあえず今日は遅いから俺のテントで寝ていけ。また朝になったら途中の村まで連れてってやるから」
「え!?いいんですか?」
「あぁ。カオルのこと気に入ったよ」
バルドさんは機嫌良く俺をテントへと案内してくれた。
村…見つからない。とゆうか家すらない。
陽が沈みだしてきたので少し気持ちが焦りがだす。
それに舗装されてない道を歩くのは結構負担がかかるようで足も限界がきていた。
「きっつ…」
思い付きでクリスから逃げ出してきた事を少しだけ後悔してしまう…
今更引き返しても森を抜ける前に夜が来てしまう。夜の森は怖くて絶対無理だ…
…今は村がある事を信じて進むしかない!
そう思いながらさらに歩くが風景はあまり変わらない。陽も落ち辺りはどんどん暗くなっていく。
ヤバイ…どうしよう…
そう思っていると先の方にポツンと灯りが見え俺は急いでその灯りの方へ向かっていく。
近づいていくと火を焚いており近くには簡易のテントが張ってあった。
恐る恐る近づいていくと人影が見える。
背の高い男の人が俺に背を向けて何か作業をしていたが、俺に気付いたのか振り向く。
その顔には目元から鼻まで覆うハーフマスクが付けられていた。
なんで仮面??…仮装?旅芸人の人とか?
ちょっと怪しいけどこの人以外に人はいないし…
俺は思い切って声をかけてみる。
「あの…すみません。一緒に火に当たってもいいですか?」
「ん?…あぁいいぞ」
仮面の男の人は剣の手入れをしていたらしく剣を鞘に収める。
おぉぉぉお!本物の剣だよ!凄い!カッコいい!
この世界に来て初めて見る片手剣に俺は興味津々。だが仮面の男性は俺を見て心配そうな態度を見せる。
「おい坊主。こんな夜遅くに子供一人か?…親はどこにいるんだ?」
「あ…いや…親はいなくて…」
「ん?あぁ…そうか。だがここは夜になると狼などの獣も出てくるからな。一人で進むのは危険だぞ」
「そ、そうなんですね…」
男性の言葉でキョロキョロと辺りを見渡すと、確かに森の茂みはガサガサと怪しく音を立てていたり遠くから何か獣のような鳴き声が聞こえてくる…
何も考えずに歩いてたけど結構危ない事やってたんだな俺…怖っ。
「まぁ火を焚いていればそうそう近づいてくる事はないから大丈夫だ」
俺が話を聞いて顔を青くしたのが分かったのか男性はさっきよりも少し優しい態度を見せてくれる。
「ところで坊主はどうしてこんなところに1人でいるんだ?」
「ちょっと村へ行こうとしたんですが見つからなくて…」
「村ねぇ…もしかしてバリスの森の西側にある村か?それだと真逆になるぞ…」
嘘…やっちまったよ。
せっかくここまで歩いて来たのに…
「あの…この辺りで村や町って他にもあるんですか?」
「そうだなぁ~近くならさっき言った村と歩いて1日位の場所に小さな村は何個かあるぞ。大きな町はこの道を進んだ東の方にある」
「そうなんですね…」
こうなったら小さな村より大きな町まで行った方がいいかな?
そっちの方が元の世界に戻る手掛かりも見つけやすいかも!
「大きな町ってここから歩いてどれくらいかかるんですか?」
「歩いてだと…1週間はかかるな。途中の村から馬車が出てるからそれに乗れば3日位で着くぞ」
それなら俺でも行けそうだな。
よし!目指す先が決まった!
「坊主1人で町まで行くのか?」
「あ…はい。そのつもりです」
「ふーん…何か訳ありな感じだな」
うっ…。
めっちゃ訳ありだけど孕まされそうになったから逃げたなんて口が裂けても言えない。
あの3週間で不安な事があると首輪を握りしめる癖がついてしまい、思わず首元に手をやってしまう。
その俺の行為に男性の鋭い目線が向けられる。
「お前……奴隷か?」
「ち、違いますよ!奴隷なんかじゃないです…」
まぁ性奴隷みたいなことやってたけど…
俺は下を向いて俯く。
「まぁ深くは聞かないでおくよ。それより…坊主名前は?」
「あ。名前言ってなかったですね。薫って言います」
「カオルねぇ…俺の名前はバルドだ」
名前を言ってからなんだか目線が怖い…
もしかしてクリスの知り合いとか?
うわぁ…どうしよう…
逃げ出したくても逃げ出せない状況に困惑していると男性は「ほら飲みな」と沸かしていたお茶を出してくれる。
「ありがとうございます」
俺はお茶を受け取りペコっと頭を下げる。
「カオルは…俺を見て怖がったりしないんだな」
「え??」
クリスに会った時にも同じ質問を聞かれたが、質問の意味がよく分からない。
男性は金髪の髪に黒色の鋭い瞳、顔は仮面で隠されてるからよく分からないが多分カッコいいのではないだろうか…
「あの前にも同じ事を聞かれたんですが、怖いって…見た目の事ですか?」
「あぁ。普通なら俺みたいな見た目の奴に、お前のような奴らは声もかけてこないし目すら合わせないからな」
えっと…よく分からん。
つまり俺の感覚はズレてるってことか?
「えーっと…俺はバルドさんの見た目はカッコいいと思いますよ」
「はぁ?」
俺の言葉に割とデカめの声で驚かれ…ゲラゲラと爆笑される。
「お前変わってんなぁー」
「あはは…」
「とりあえず今日は遅いから俺のテントで寝ていけ。また朝になったら途中の村まで連れてってやるから」
「え!?いいんですか?」
「あぁ。カオルのこと気に入ったよ」
バルドさんは機嫌良く俺をテントへと案内してくれた。
50
お気に入りに追加
3,454
あなたにおすすめの小説


怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる