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本章
6話:カオルくん逃しません①
しおりを挟む朝起きてキスをして
朝飯食べて
家事して畑仕事や採取して
昼飯食べて
一緒に昼寝して
また畑仕事して
お風呂入って抜き抜かれ
夜飯食べて
キスをして寝る
そんな日々を過ごしていたらいつの間にか2か月がたっていた。
今日も昼食を済ませてクリスとソファーでまったりと過ごす。
ソファーで横になり俺の定位置になりつつあるクリスの膝の上に頭を乗せボーっとしていると父親の顔が浮かんでくる。
父さん心配してんだろな…
この世界での生活も慣れ余裕が出てくると日本にいる父親の事を考える時間が増えてきた。
俺は行方不明って事になってるんだろう…
きっと心配している父親の事を考えると胸が締め付けられた。
「なぁクリス。俺が来てもう2か月が経つだろ」
「もうそんなに経つんだね」
「だからもうそろそろ日本に帰る手がかりを探しに村や町へ行きたいんだけど…やっぱり馬車を待つしかないのかな?」
「…………。」
「…クリス?」
俺の不安をぶつけてしまうとクリスは黙りいつもの優しい表情が消える。
今までに見たことないクリスの表情に俺は戸惑ってしまう。
「カオル。前にも言ったがここから村までは歩いて行ける距離ではないし森には危険な場所もある。馬車は…いつ来るか分からないと言っただろ?」
「そうだけどさ…。他に馬車とか来る予定ないの?」
「あとは番人の交代時期が後2年後にあるからその時に交代の番人を乗せて馬車が来るくらいかな…」
「2年…」
あと2年以上も待たせなくてはいけないのか…
父親の悲しんでいる顔が浮かぶ。
「父さんに会いたい…。早く馬車来てほしい…」
「そうだね…会いたいよね。でも馬車が来ないと村にも行けないから一緒に我慢しよう。な?」
「うん…我儘言ってごめんな」
「ううん。いいんだよ。気にしないで」
泣きたくなりクリスの膝に顔を埋める。クリスはそんな俺を優しく慰めてくれる。
クリスは何も悪くないのに我儘言って困らせてしまった。
こんなにも俺を大事にしてくれているのに…
クリスに迷惑をかけちゃいけないのに…
そう思いながらクリスに甘えてしまう自分が少し嫌になった。
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