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忘れてくれない!?
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「おーい。千景~起きてっか~」
ドンドンとシャワー室のドアを叩かれて俺はビクッと体を揺らす。
「お、起きてますっ!」
「ならいいけど。二日酔いでぶっ倒れんなよ~。飯買ってきたから早く上がってこいよ~」
「はい……」
一瞬、苳也先輩がシャワー室に入ってくるんじゃないかなんて想像してしまう。また、あんないやらしいことされるんじゃないかとか考えてしまい妄想だけで顔が熱くなる。
すると下半身もなんだか疼き出して……それを治めるのに時間がかかってしまい、シャワーを終えリビングに戻れば「おせーよ」と、苳也先輩から怒られてしまう。
「昨日、あんま食ってないから腹減ってるだろ」
「あ……はい……」
そういえば、結局昨日はあまり食べずにお酒ばかり飲んでしまっていたので、自覚した途端お腹が空いてくる。
「ほら、これ食っとけ」
コンビニの袋から苳也先輩はおにぎりを一つ渡してくれる。具材は俺の大好きな海老マヨだ……。
「ありがとうございます……」
「おう」
おにぎりを食べTVを見ながら普段と変わらない雰囲気でだらだらしながら時間は過ぎていく。お昼を過ぎた位に苳也先輩はコインランドリーに俺の服を取りに行ってくれて、乾いた服を受け取り着替えを済ませる。
「千景は今日バイト何時入りだ?」
「えっと……5時からですね」
「俺は4時からだから先に出るけど、お前はどうする? 直史は今日はこっちには帰らずに直接バイトに行くって言ってるから鍵任せていいか?」
「あ……俺も苳也先輩と一緒に出ます」
「そっか」
会話が終わるとなんだか気まずい空気が流れる……。
いや、気まずいのは俺だけだ。
色んな意味でやっちゃったせいで苳也先輩と一緒にいるとドキドキして仕方ない!
ちょっとした気遣いとか……普段は気にもしてなかった事にいちいちキュンとしてしまう。
俺の汚れた服洗濯してくれたり……
風呂で倒れてないから気にしてくれたり……
俺が一番好きなおにぎりの具材知っててくれたり……
そもそも、なんで苳也先輩にキュンしてしまうのか分からん……。
あの苳也先輩だぞ?
意地悪で……
いつも俺をいじってきて……
酒癖が悪くていつも俺に面倒みさせて……
そして……昨日なんて酔った俺とエッチして……
「どうした千景? やっぱ体調悪いか……?」
そんな事を考えている時にタイミング悪く苳也先輩に顔を覗き込まれ、目が合えば恥ずかしくなって顔が熱くなる。
「だ、大丈夫です!」
「ならいいけど……。しんどかったら言えよ」
「はい……。あ、あの……苳也先輩。そのぉ……昨日は本当にすみませんでした! 俺、酔っ払って色々やらかしちゃったみたいで……迷惑かけてすみません……。そんで……昨日のことも……今日のことも忘れて下さい……」
俺は苳也先輩に頭を下げてとりあえず謝っておく。
あまり昨日の話題を出したくはなかったけど、ちゃんと謝っておかないと苳也先輩の事だからまたグチグチ言ってきそうだし……。
俺の謝罪が足りなかったのか、なんだか苳也先輩は不機嫌な表情を浮かべる。
「言っておくけど、俺は昨日のことも今日のことも忘れねーからな」
「え……? な、なんでですか?」
「お前と約束したからな」
「約束……? 俺、酔って先輩と何か約束したんですか?」
「………お前が思い出すまで教えてやんねーよ、バーカ」
額をピンと弾かれ、苳也先輩は意地悪に微笑む。
忘れないって……約束って……
一体何なんですか苳也先輩ーーー!
ドンドンとシャワー室のドアを叩かれて俺はビクッと体を揺らす。
「お、起きてますっ!」
「ならいいけど。二日酔いでぶっ倒れんなよ~。飯買ってきたから早く上がってこいよ~」
「はい……」
一瞬、苳也先輩がシャワー室に入ってくるんじゃないかなんて想像してしまう。また、あんないやらしいことされるんじゃないかとか考えてしまい妄想だけで顔が熱くなる。
すると下半身もなんだか疼き出して……それを治めるのに時間がかかってしまい、シャワーを終えリビングに戻れば「おせーよ」と、苳也先輩から怒られてしまう。
「昨日、あんま食ってないから腹減ってるだろ」
「あ……はい……」
そういえば、結局昨日はあまり食べずにお酒ばかり飲んでしまっていたので、自覚した途端お腹が空いてくる。
「ほら、これ食っとけ」
コンビニの袋から苳也先輩はおにぎりを一つ渡してくれる。具材は俺の大好きな海老マヨだ……。
「ありがとうございます……」
「おう」
おにぎりを食べTVを見ながら普段と変わらない雰囲気でだらだらしながら時間は過ぎていく。お昼を過ぎた位に苳也先輩はコインランドリーに俺の服を取りに行ってくれて、乾いた服を受け取り着替えを済ませる。
「千景は今日バイト何時入りだ?」
「えっと……5時からですね」
「俺は4時からだから先に出るけど、お前はどうする? 直史は今日はこっちには帰らずに直接バイトに行くって言ってるから鍵任せていいか?」
「あ……俺も苳也先輩と一緒に出ます」
「そっか」
会話が終わるとなんだか気まずい空気が流れる……。
いや、気まずいのは俺だけだ。
色んな意味でやっちゃったせいで苳也先輩と一緒にいるとドキドキして仕方ない!
ちょっとした気遣いとか……普段は気にもしてなかった事にいちいちキュンとしてしまう。
俺の汚れた服洗濯してくれたり……
風呂で倒れてないから気にしてくれたり……
俺が一番好きなおにぎりの具材知っててくれたり……
そもそも、なんで苳也先輩にキュンしてしまうのか分からん……。
あの苳也先輩だぞ?
意地悪で……
いつも俺をいじってきて……
酒癖が悪くていつも俺に面倒みさせて……
そして……昨日なんて酔った俺とエッチして……
「どうした千景? やっぱ体調悪いか……?」
そんな事を考えている時にタイミング悪く苳也先輩に顔を覗き込まれ、目が合えば恥ずかしくなって顔が熱くなる。
「だ、大丈夫です!」
「ならいいけど……。しんどかったら言えよ」
「はい……。あ、あの……苳也先輩。そのぉ……昨日は本当にすみませんでした! 俺、酔っ払って色々やらかしちゃったみたいで……迷惑かけてすみません……。そんで……昨日のことも……今日のことも忘れて下さい……」
俺は苳也先輩に頭を下げてとりあえず謝っておく。
あまり昨日の話題を出したくはなかったけど、ちゃんと謝っておかないと苳也先輩の事だからまたグチグチ言ってきそうだし……。
俺の謝罪が足りなかったのか、なんだか苳也先輩は不機嫌な表情を浮かべる。
「言っておくけど、俺は昨日のことも今日のことも忘れねーからな」
「え……? な、なんでですか?」
「お前と約束したからな」
「約束……? 俺、酔って先輩と何か約束したんですか?」
「………お前が思い出すまで教えてやんねーよ、バーカ」
額をピンと弾かれ、苳也先輩は意地悪に微笑む。
忘れないって……約束って……
一体何なんですか苳也先輩ーーー!
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