【完結】大好きな先輩に恋人ができたと知った夜、俺は大嫌いな先輩の親友に何故か抱かれていました。

赤牙

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空白の時間と現実 【✳︎R✳︎】

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一気飲みでアルコールが全身に回り始めると、頭の中がふわふわしたままゴロンと横になる。
そうなれば何もかもがどーでもよくなる。

ひんやりと冷たい床もいいけれど、硬い床じゃ頭が痛くなるので近くにあった苳也先輩の膝の上に頭を乗せる。
なんかヤーヤー言われてるけど、そんなの気にしない。
ちょうどいい場所に枕に最適な太ももがあれば酔っ払いは乗せるのだ。

しばらくゴロゴロしている間に苳也先輩と直史先輩はなんだか神妙な顔して話をしてるが、ちょっぴり眠たい俺は目を閉じたままウトウトする。
時折、「恋人が熱だした」だの「千景がなんちゃらら~」だの会話が耳に入ってくる。
うつらうつらしていると、バタバタと忙しそうな足音がしたので薄らと目を開ければ直史先輩が心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。

「チカ……ごめんな……。ちょっと行ってくるから……」

コートを着込んだ直史先輩は、どうやら何処かに出かけるようだ……。
あ、そう言えばさっき恋人のところに行くとか苳也先輩と話してたっけなぁ~。

「しぇんぱい……気をつけてぇ……」

ヘヘッと笑いながら小さく手を振れば頭を撫でられ直史先輩は部屋を出て行く。


そんで……それからの俺は……
直史先輩がいないとなんだか寂しくなってきて……
いっぱい抱きしめて欲しくておねだりして……
たくさんたくさん気持ち良くしてもらって……

って、気持ち良く!?
この部屋に居たのは苳也先輩だけだから……
つまり……その時に俺……苳也先輩とやっちゃったってこと!?

寂しくなって抱きしめて欲しくておねだりって……やっぱり苳也先輩が言ってたように俺から求めちゃったってことだよなぁぁぁ……



苳也先輩に指を挿れられたまま、走馬灯のように空白の時間を振り返った俺は一気に顔を青くする。

「す、すみません苳也先輩……。俺……酔って……いっぱい迷惑かけちゃったみたいで……んぁ!」
「ん……? なんだ、少し思い出したのか?」
「はい……ごめんなさい……。謝りますから……指……抜いて下さい……」

俺のお願いに苳也先輩は少し考え、口を開く。

「………嫌だ」
「えぇ!? なんでですか!?」
「後処理ちゃんとしないと辛いのは千景だぞ? 後で、腹下しで文句言われるのも嫌だし……」
「そんな……文句なんて言わな……あっ! そこやだ!」

俺の中に注いだ精液を掻き出されれば時折、指先が前立腺を掠める……。
いつもより敏感になっている感じがして……昨日どんだけ弄られたのか聞くのも怖い……。

「千景……力抜けって……。指食いちぎんなよ……」
「だ、だって……だって……」
「あぁ~ここ千景の大好きなとこだもんなぁ~。昨日も沢山擦ってやったから……まだ、ぷっくりと腫れてるもんな……」

そんな報告しなくていいぃぃぃい!

ぐちゅぐちゅと卑猥な音を響かせながら苳也先輩は時折グッと指を曲げ前立腺をピンポイントで押してくる。
その刺激に腰が浮き……ちんこも勃ってしまう……。

「やだ……苳也先輩……指……抜いてくださぃ……」
「だ~め。中出しした責任とってる最中なんだから……。ついでに、チンコも気持ち良くしてやるよ……」

そんな責任取らなくていいっす!
と、発言するよりも先にチンコを握られた俺は言葉を無くす。ゆるゆると扱かれるあまりの気持ちよさに声が漏れ出てしまいそうになる。

「中……すんげーぐちょぐちょだな……。掻き出してもまだ出てくるぞ……奥にだしすぎたかなぁ」
「ひぁ、あっ、やら……中もちんこもやだぁ……」

気持ちは嫌だと思っているが、体は先輩から与えられる快楽に素直で先端からはぷくりと雫が……。それを、苳也先輩の指でぬちぬちと広げられると射精感が増す……。

「せんぱい……でちゃう……でちゃうからぁ……」
「出るなら溢さないように自分で押さえとけよ。俺、両手が塞がってんだから……」
「ふぇぇ! ひど……うぅ……先輩のばかぁ……」

気持ち良くしてやるって言ったのは先輩なのに……責任持って最後まで面倒見てよ!!

お尻とチンコを扱かれ気持ち良すぎて半泣き状態の俺は、溢さないように先端を両手で包み込み自分の手の平の中に射精してしまう……。

射精すればなんだか力が抜けて、くったりと苳也先輩に寄りかかる。

「上手にイケたし、ちゃんと溢さずに出せたな」
「そんな事で褒められても嬉しくないです……」
「ハハ。そうだな」

苳也先輩はいつもの感じで話しかけてくるが……昨日の記憶があまりない俺にとってはこの状況は普通ではない。
いや、むしろ……なんだこの状況!

色々とツッコミ所満載だが何からツッコめばいいのか分からず……とりあえず何事もなかった雰囲気を装ってみる。

「あの……先輩、俺の服ってどこに……」
「あぁ、お前の服は酒溢してまだ濡れてるぞ。というかめっちゃ酒臭くて乾いても着れないけどな」
「えぇ!? ど、どうしよう……」
「服は近所のコインランドリーに突っ込んできてやるよ。お前はとりあえずシャワー浴びてこい」
「え……? いいんですか?」
「あぁ。てか、今の格好で外に出たらただの変態だろ」

変態……。
自分の格好がその通りすぎて納得する事しか出来ずに黙っていると、苳也先輩は直史先輩のクローゼットから新しいパーカーを取り出し投げ渡してくる。

「ほれ、着替え。風呂の場所は分かるよな?」
「はい……。あの……下は……」
「お前、直史のパンツ履きたいのか?」
「ち、違いますよ!」
「数時間くらい下履かずに我慢しとけ。今までずっと履いてなかったんだからいけるだろ」

苳也先輩はそういうと俺の汚れた服をビニールに突っ込んでコインランドリーへ……。
俺もパーカーを手にし浴室へ向かいシャワーを浴びる。


てか、なんで俺は苳也先輩に好き放題やられて受け入れてんだ?
普通、尻に指突っ込まれたら思いっきり抵抗するだろ!
しかも、寝てる間にちんこまで挿れられてバージン喪失なんて洒落になんないって……。

酔っ払って大嫌いなはずの先輩とやっちゃうなんて最悪なパターンなのに、何故か俺は思った以上に傷ついていなくて……

シャワーに打たれながら俺は一人頭を抱えた……。




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