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【番外編】二度目の人生番外編
母様に似た初恋の人 〜ノアSide〜 ①
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「ノア様ノア様! これを見て下さい!」
お節介者の従兄弟が満面の笑顔で持ってきたのは、一冊の本。
あまりのテンションの高さが少し不気味に感じつつ、本を受け取りページをめくる。
そこに映っていたのは……母様にとても似た美しい人だった。
「…………母様」
「隣国にいらっしゃる、ウォールマン侯爵家のシャルル様なんだが、とてもレシス様に似ていますよね。今度の誕生祭にお呼びしてみてはどうですか?」
従兄弟の提案に小さく頷き、僕は本をじっと見つめた。
その本を持ち、小走りで父様のいる書斎に訪室する。
「どうしたんだ、ノア」
「父様……これを見て下さい」
「ん?」
父様に従兄弟からもらった本を渡し、中身を見てもらえば父様も僕と同じく目を見開いて驚いていた。
シャルル様の姿を見つめ、少し悲しい顔をして僕を見つめる。
「……とてもレシスに似ている方だな」
「はい。それで……僕の誕生祭にシャルル様をお呼びしたいんです。シャルル様に会ってみたい……シャルル様とお話がしてみたいんです。ダメでしょうか?」
「……分かった、招待状を送ってみよう」
「ありがとうございます!」
父様の許可が得られたことに喜び、僕はシャルル様を迎える準備をしていく。
シャルル様に合いそうな服を選び、素敵なお部屋を用意した。
招待状の返信がきて、シャルル様に会えると分かった時はとても嬉しかった。
この時は、母様に似た人に会える喜びの方が大きかった。
そして、僕の誕生祭当日。
僕はそわそわしながらシャルル様に会えるのを楽しみに待っていた。
パーティーの時には、招待客一人一人と顔合わせをする時間がある。
その時に、シャルル様に会ったら何を話そう。
シャルル様はいったいどんな人なんだろうか……。
なんだか気持ちが落ち着かなくて、僕は部屋を出て中庭へと向かい……椅子に座る人物を見て胸がドクンと高鳴る。
「———母様!」
気付いた時には、声を上げ駆け寄っていた。
胸に飛び込めば、驚いた顔をして僕を抱きしめてくれる。優しい腕の感触は、母様と同じだった。
でも……胸元から香る匂いは違った。
それでも、母様との思い出が蘇り僕はぎゅっとシャルル様の服を握りしめた。
後からやってきた父様もシャルル様を見て、とても驚いていた。
本当にシャルル様は母様に似ている。
澄んだ水色の瞳、艶やかな黒髪、そして綺麗なお顔も。
シャルル様の笑顔は本当に母様にそっくりだった。
中庭でシャルル様と別れ、パーティーの準備に戻る時に父様に話しかける。
「父様、シャルル様はとても母様に似ていましたね」
「あぁ……そうだな。あそこまでレシスと似ているとは思わなかったな」
父様は母様を思い出しているのか、少し遠くを見つめていた。
父様は母様のことをとても大事にしていた。
元々、体が弱く僕を産んでからはさらに体調を崩しやすい母様を、父様はいつも気遣い母様が笑顔になれるように沢山の愛情を注いでいた。
———いつか、僕にも大切にしたいって思える人が現れるのかな?
そんなことを考えながら、僕は大好きな二人の姿を見ていた。
母様が亡くなって、父様は僕が悲しまないように寂しくないように沢山愛してくれた。
そんな時に出会ったシャルル様に、僕と父様が特別な感情を抱かない理由などなかった。
シャルル様に『一緒に過ごしたい』と我儘を言って困らせてしまったが、どうしてもシャルル様と一緒にいたかった。
———母様との約束をシャルル様と一緒に叶えることができる。
約束を取り付けた僕は明日のことを考えると、胸がドキドキして、その日はシャルル様のことばかりを考えてしまった。
次の日になり、朝からシャルル様を待っていると、僕が用意した服を着て優しい笑顔でやってきてくれる。
嬉しくて大きく手を振り出迎える。朝食は、ミャーム国でよく食べられるものを準備した。
シャルル様に、ミャーム国のことを知ってもらいたくて色々と話をすれば、目を細め楽しそうに話を聞いてくれる。
その表情は母様とよく似ていたけれど……僕の心臓はドキドキと高鳴り、母様に対する思い以外のものが込み上げていた。
お節介者の従兄弟が満面の笑顔で持ってきたのは、一冊の本。
あまりのテンションの高さが少し不気味に感じつつ、本を受け取りページをめくる。
そこに映っていたのは……母様にとても似た美しい人だった。
「…………母様」
「隣国にいらっしゃる、ウォールマン侯爵家のシャルル様なんだが、とてもレシス様に似ていますよね。今度の誕生祭にお呼びしてみてはどうですか?」
従兄弟の提案に小さく頷き、僕は本をじっと見つめた。
その本を持ち、小走りで父様のいる書斎に訪室する。
「どうしたんだ、ノア」
「父様……これを見て下さい」
「ん?」
父様に従兄弟からもらった本を渡し、中身を見てもらえば父様も僕と同じく目を見開いて驚いていた。
シャルル様の姿を見つめ、少し悲しい顔をして僕を見つめる。
「……とてもレシスに似ている方だな」
「はい。それで……僕の誕生祭にシャルル様をお呼びしたいんです。シャルル様に会ってみたい……シャルル様とお話がしてみたいんです。ダメでしょうか?」
「……分かった、招待状を送ってみよう」
「ありがとうございます!」
父様の許可が得られたことに喜び、僕はシャルル様を迎える準備をしていく。
シャルル様に合いそうな服を選び、素敵なお部屋を用意した。
招待状の返信がきて、シャルル様に会えると分かった時はとても嬉しかった。
この時は、母様に似た人に会える喜びの方が大きかった。
そして、僕の誕生祭当日。
僕はそわそわしながらシャルル様に会えるのを楽しみに待っていた。
パーティーの時には、招待客一人一人と顔合わせをする時間がある。
その時に、シャルル様に会ったら何を話そう。
シャルル様はいったいどんな人なんだろうか……。
なんだか気持ちが落ち着かなくて、僕は部屋を出て中庭へと向かい……椅子に座る人物を見て胸がドクンと高鳴る。
「———母様!」
気付いた時には、声を上げ駆け寄っていた。
胸に飛び込めば、驚いた顔をして僕を抱きしめてくれる。優しい腕の感触は、母様と同じだった。
でも……胸元から香る匂いは違った。
それでも、母様との思い出が蘇り僕はぎゅっとシャルル様の服を握りしめた。
後からやってきた父様もシャルル様を見て、とても驚いていた。
本当にシャルル様は母様に似ている。
澄んだ水色の瞳、艶やかな黒髪、そして綺麗なお顔も。
シャルル様の笑顔は本当に母様にそっくりだった。
中庭でシャルル様と別れ、パーティーの準備に戻る時に父様に話しかける。
「父様、シャルル様はとても母様に似ていましたね」
「あぁ……そうだな。あそこまでレシスと似ているとは思わなかったな」
父様は母様を思い出しているのか、少し遠くを見つめていた。
父様は母様のことをとても大事にしていた。
元々、体が弱く僕を産んでからはさらに体調を崩しやすい母様を、父様はいつも気遣い母様が笑顔になれるように沢山の愛情を注いでいた。
———いつか、僕にも大切にしたいって思える人が現れるのかな?
そんなことを考えながら、僕は大好きな二人の姿を見ていた。
母様が亡くなって、父様は僕が悲しまないように寂しくないように沢山愛してくれた。
そんな時に出会ったシャルル様に、僕と父様が特別な感情を抱かない理由などなかった。
シャルル様に『一緒に過ごしたい』と我儘を言って困らせてしまったが、どうしてもシャルル様と一緒にいたかった。
———母様との約束をシャルル様と一緒に叶えることができる。
約束を取り付けた僕は明日のことを考えると、胸がドキドキして、その日はシャルル様のことばかりを考えてしまった。
次の日になり、朝からシャルル様を待っていると、僕が用意した服を着て優しい笑顔でやってきてくれる。
嬉しくて大きく手を振り出迎える。朝食は、ミャーム国でよく食べられるものを準備した。
シャルル様に、ミャーム国のことを知ってもらいたくて色々と話をすれば、目を細め楽しそうに話を聞いてくれる。
その表情は母様とよく似ていたけれど……僕の心臓はドキドキと高鳴り、母様に対する思い以外のものが込み上げていた。
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