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【番外編】二度目の人生番外編
隣国、ミャーム国編 ①
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俺達が暮らす国よりも暖かな風が馬車の窓から入り、リエンの柔らかな銀髪が揺れる。リエンは、青々と大きな葉を揺らす大木を見つめながら「うわぁ」と声を上げる。
自国を出発してから二週間が経ち、ようやく俺達三人は招待されたミャーム国へと到着する。
温かな気候に、着ていた服では暑く襟元のボタンを一つ外す。
「暑いですか、兄さん?」
「少しな」
ジェイドは俺の開いた首元を見つめ「背を向けて下さい」と言う。
言われた通りにすると、ジェイドが俺の髪に触れる。
「髪が伸びましたね」
「そうだな。ここに来るまでにある程度仕事を終わらせておかなきゃいけなかったから、忙しくて髪も切れなかったからな」
「兄さんが頑張ってくれたおかげで、こうして長期の休暇を取ることができました」
「ハハ。俺だけじゃなくて、ジェイドとリエンも頑張ってくれたおかげだよ」
ジェイドは伸びた俺の髪を優しく一つに纏めてくれる。
「結んでくれたのか? ありがとう。首元が涼しくなったよ」
「はい。髪が長いと暑いですからね。それに、結んでおくと、シャルル兄さんの綺麗な首が見えるので……」
つー……と、うなじを指でなぞられ「ひぁっ!」とマヌケな声を上げてしまう。
「あー! 二人で何か楽しそうな事してる!」
景色を見ていたリエンが振り向き、俺とジェイドを見てふてくされた表情を見せる。
「ジェイド兄様とシャルル兄様が、お揃いの髪型になってるぅ」
リエンの言葉にジェイドを見上げると、クスッと笑みを浮かべる。
「リエンも結んでやろうか? だが、お前は髪が短いから前髪くらいしか結べないがな」
「……なんか僕だけ子供っぽいんだけど」
ジェイドに前髪を結ばれたリエンはむっと頬を膨らます。だが、前髪を上げたリエンはなんだか可愛らしく、幼い頃のリエンを思い出させる。
「ハハ。確かに子供っぽいけど凄く可愛いよリエン」
「むぅ……シャルル兄様に褒められると、ジェイド兄様を怒れないよ」
「よく似合ってるぞ、リエン」
「ジェイド兄様は黙ってて!」
ジェイドとリエンがワイワイと言い合いを始め、馬車の中は賑やかになる。
隣国であるミャーム国に招待を受けたのは遡る事三か月前になる。
突然送られてきた、ミャーム国の王室からの手紙。
内容はミャーム国の第一王子であるノア王子の生誕祭の招待状だった。
それも父ではなく俺に宛てて届いたので、受け取った俺は困惑してしまう。
ミャーム国は名は知っているものの、王室の方々とは面識もなかった。それなのに、領主でもない俺宛に招待状が届いたのか謎だったが、王室直々の招待状を断れるはずもなく今に至る。
一人での参加が不安だった俺は、招待状には同伴者の名を書く欄もあったので、ジェイドとリエンの名も書き一緒に同行してもらうことにした。
往路だけで一ヶ月以上かかる為、長期間領地を空ける事になるが父は「兄弟仲良く楽しんでおいで」と、嫌な顔せずに送り出してくれた。
父に感謝しながら、馬車は進んでいき俺達は目的であるミャーム国の首都アラビアムに到着した。
———————————
ついに『嫌われ者の俺はやり直しの世界でごまをする』が書籍化されることになりました~!
わーーーい!!
刊行日は六月十三日の予定です!
お祝いもかねて、番外編投稿していきます☆
そして、禁断の一度目ジェイドとリエンのやり直しも今後投稿予定です!
自国を出発してから二週間が経ち、ようやく俺達三人は招待されたミャーム国へと到着する。
温かな気候に、着ていた服では暑く襟元のボタンを一つ外す。
「暑いですか、兄さん?」
「少しな」
ジェイドは俺の開いた首元を見つめ「背を向けて下さい」と言う。
言われた通りにすると、ジェイドが俺の髪に触れる。
「髪が伸びましたね」
「そうだな。ここに来るまでにある程度仕事を終わらせておかなきゃいけなかったから、忙しくて髪も切れなかったからな」
「兄さんが頑張ってくれたおかげで、こうして長期の休暇を取ることができました」
「ハハ。俺だけじゃなくて、ジェイドとリエンも頑張ってくれたおかげだよ」
ジェイドは伸びた俺の髪を優しく一つに纏めてくれる。
「結んでくれたのか? ありがとう。首元が涼しくなったよ」
「はい。髪が長いと暑いですからね。それに、結んでおくと、シャルル兄さんの綺麗な首が見えるので……」
つー……と、うなじを指でなぞられ「ひぁっ!」とマヌケな声を上げてしまう。
「あー! 二人で何か楽しそうな事してる!」
景色を見ていたリエンが振り向き、俺とジェイドを見てふてくされた表情を見せる。
「ジェイド兄様とシャルル兄様が、お揃いの髪型になってるぅ」
リエンの言葉にジェイドを見上げると、クスッと笑みを浮かべる。
「リエンも結んでやろうか? だが、お前は髪が短いから前髪くらいしか結べないがな」
「……なんか僕だけ子供っぽいんだけど」
ジェイドに前髪を結ばれたリエンはむっと頬を膨らます。だが、前髪を上げたリエンはなんだか可愛らしく、幼い頃のリエンを思い出させる。
「ハハ。確かに子供っぽいけど凄く可愛いよリエン」
「むぅ……シャルル兄様に褒められると、ジェイド兄様を怒れないよ」
「よく似合ってるぞ、リエン」
「ジェイド兄様は黙ってて!」
ジェイドとリエンがワイワイと言い合いを始め、馬車の中は賑やかになる。
隣国であるミャーム国に招待を受けたのは遡る事三か月前になる。
突然送られてきた、ミャーム国の王室からの手紙。
内容はミャーム国の第一王子であるノア王子の生誕祭の招待状だった。
それも父ではなく俺に宛てて届いたので、受け取った俺は困惑してしまう。
ミャーム国は名は知っているものの、王室の方々とは面識もなかった。それなのに、領主でもない俺宛に招待状が届いたのか謎だったが、王室直々の招待状を断れるはずもなく今に至る。
一人での参加が不安だった俺は、招待状には同伴者の名を書く欄もあったので、ジェイドとリエンの名も書き一緒に同行してもらうことにした。
往路だけで一ヶ月以上かかる為、長期間領地を空ける事になるが父は「兄弟仲良く楽しんでおいで」と、嫌な顔せずに送り出してくれた。
父に感謝しながら、馬車は進んでいき俺達は目的であるミャーム国の首都アラビアムに到着した。
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そして、禁断の一度目ジェイドとリエンのやり直しも今後投稿予定です!
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