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【番外編】二度目の人生番外編
二度目の人生 ー33歳ー 〜夜会編〜
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アデル様とレア様はレイル様により別室へと連れられて行った。三人がいなくなり、俺達はゲストルームへと案内される。
アルミス公爵家の邸宅は各地からやってくる来客も多い為、何十部屋とゲストルームがあるようだ。広々とした部屋へと通され、三人でキョロキョロと部屋の中を見て回る。
姿見やドレッサーが置いてあるリビングの他に、ベッドルームやシャワー室があり子供に戻った気分で部屋の中を見て回る。
「凄い広いな……」
「そうだねぇ~。ベッドも大きいし……。あ、でも3つはいらないって伝えてなかったね~」
ベッドルームを見ていたリエンは冗談を言いながらベッドへと飛び込む。
「リエン……。お前は一体何歳になったんだ? ベッドへ飛び込むなんて、そんな子供みたいな……ことを……」
ジェイドがため息を吐いてリエンに注意したと同時に……俺もリエンの真似をしてベッドへと飛び込んでしまっていた。
ジェイドの何か言いたげな視線が突き刺さり、熱くなる顔をベッドへと沈める。
「ご、ごめん……。33歳にもなって子供っぽいことして……」
「あ……いえ、シャルル兄さんはいいんですよ。いつまでも子供のような純粋な気持ちを持っているシャルル兄さんが私は大好きですから」
「ちょっとジェイド兄様! 僕だけなんでダメなの~」
「お前はデカくて可愛くないから似合わない。こういうのはシャルル兄さんのような可愛い人がするから許されるんだ」
「シャルル兄さんが可愛いのは理解できるけど、なんだか納得いかないんですけどー」
ベッドに顔を埋めたまま謝れば、リエンとジェイドが言い合いを始めてしまう。二人に可愛い可愛い言われて嫌な気はしないが……『可愛い』は兄としていいのだろうか?
「なぁ……。兄として二人に確認したいんだが……。散々可愛い可愛い言ってるが、俺は可愛い分類に入るのか?」
「「もちろん!」」
そんな質問を二人にすれば、満面の笑みで二人は即答する。恥ずかしいやらちょっぴり情けないやらで、再度顔をベッドに埋めると近くに二人がやってきて慰められる。
「シャルル兄さんは可愛いくて頼りになる私の自慢の兄さんですよ」
「そうだよ~。可愛いは正義だからね! 自信を持ってシャルル兄様!」
「……そんなんで自信が持てるわけないだろぉ」
拗ねたり笑ったりしながら三人で戯れあっていると、部屋のドアをノックされアルミス公爵家の使用人さん達が夜会の準備を始めたいと声をかけてくる。
「さぁ兄さん。機嫌を直して下さい。今日は各地の領主が集まる夜会ですからね。頑張りましょうね」
「そうだな……。よし! 父さん達の顔に泥を塗らないようにがんばらなくちゃな!」
「僕達もシャルル兄様のサポート頑張るからねぇ~」
「うん。よろしく頼むよ二人とも」
ジェイドとリエンに微笑みかけ軽く頬にキスをして俺達は夜会の準備を始めた。
アルミス家の使用人さん達は慣れた手つきでテキパキと準備を進めていく。俺達が何もせずとも着替えやヘアセットもあっという間に終わってしまう。
三人で並び大きな姿見で互いの姿を確認する。髪型は三人お揃いのアップバング、長身の二人は燕尾服もよく似合っている。
「三人でお揃いの髪型なんて初めてじゃない?」
「確かにそうだな。結構お揃いもいいもんだな」
ジェイドとリエンは髪型一つでグッと大人っぽさが増して、なんだか色気すら感じてしまう。そんな二人に見惚れていると、ジェイドとリエンに手を取られカフスボタンを付けられる。
このカフスボタンは記念日に互いにプレゼントした物で、晩餐会など出席する時は必ず付けるようにしている。俺はアメジスト色のカフスボタンで、ジェイドとリエンは水色のカフスボタンだ。
互いの瞳の色の物を送り合うようになってからは俺の周りの物はアメジスト色で染まっている。
「ふふ。今日も似合ってるよシャルル兄様」
「ありがとう、リエン、ジェイド」
二人にお礼を言って、俺もジェイドとリエンの袖に水色のカフスボタンを付ければ準備は完了だ。
部屋の窓から外の様子を伺えば辺りは暗くなり始めている。続々と馬車が到着し、正装した人々がアルミス邸へと入っていく。
父さんの代わりを無事に務める事ができるか少し不安だが、俺の隣にはジェイドとリエンがいてくれるからきっと大丈夫だ……。
フゥ……と小さく息を吐き、俺達は夜会が開かれる広間へと向かった。
アルミス公爵家の邸宅は各地からやってくる来客も多い為、何十部屋とゲストルームがあるようだ。広々とした部屋へと通され、三人でキョロキョロと部屋の中を見て回る。
姿見やドレッサーが置いてあるリビングの他に、ベッドルームやシャワー室があり子供に戻った気分で部屋の中を見て回る。
「凄い広いな……」
「そうだねぇ~。ベッドも大きいし……。あ、でも3つはいらないって伝えてなかったね~」
ベッドルームを見ていたリエンは冗談を言いながらベッドへと飛び込む。
「リエン……。お前は一体何歳になったんだ? ベッドへ飛び込むなんて、そんな子供みたいな……ことを……」
ジェイドがため息を吐いてリエンに注意したと同時に……俺もリエンの真似をしてベッドへと飛び込んでしまっていた。
ジェイドの何か言いたげな視線が突き刺さり、熱くなる顔をベッドへと沈める。
「ご、ごめん……。33歳にもなって子供っぽいことして……」
「あ……いえ、シャルル兄さんはいいんですよ。いつまでも子供のような純粋な気持ちを持っているシャルル兄さんが私は大好きですから」
「ちょっとジェイド兄様! 僕だけなんでダメなの~」
「お前はデカくて可愛くないから似合わない。こういうのはシャルル兄さんのような可愛い人がするから許されるんだ」
「シャルル兄さんが可愛いのは理解できるけど、なんだか納得いかないんですけどー」
ベッドに顔を埋めたまま謝れば、リエンとジェイドが言い合いを始めてしまう。二人に可愛い可愛い言われて嫌な気はしないが……『可愛い』は兄としていいのだろうか?
「なぁ……。兄として二人に確認したいんだが……。散々可愛い可愛い言ってるが、俺は可愛い分類に入るのか?」
「「もちろん!」」
そんな質問を二人にすれば、満面の笑みで二人は即答する。恥ずかしいやらちょっぴり情けないやらで、再度顔をベッドに埋めると近くに二人がやってきて慰められる。
「シャルル兄さんは可愛いくて頼りになる私の自慢の兄さんですよ」
「そうだよ~。可愛いは正義だからね! 自信を持ってシャルル兄様!」
「……そんなんで自信が持てるわけないだろぉ」
拗ねたり笑ったりしながら三人で戯れあっていると、部屋のドアをノックされアルミス公爵家の使用人さん達が夜会の準備を始めたいと声をかけてくる。
「さぁ兄さん。機嫌を直して下さい。今日は各地の領主が集まる夜会ですからね。頑張りましょうね」
「そうだな……。よし! 父さん達の顔に泥を塗らないようにがんばらなくちゃな!」
「僕達もシャルル兄様のサポート頑張るからねぇ~」
「うん。よろしく頼むよ二人とも」
ジェイドとリエンに微笑みかけ軽く頬にキスをして俺達は夜会の準備を始めた。
アルミス家の使用人さん達は慣れた手つきでテキパキと準備を進めていく。俺達が何もせずとも着替えやヘアセットもあっという間に終わってしまう。
三人で並び大きな姿見で互いの姿を確認する。髪型は三人お揃いのアップバング、長身の二人は燕尾服もよく似合っている。
「三人でお揃いの髪型なんて初めてじゃない?」
「確かにそうだな。結構お揃いもいいもんだな」
ジェイドとリエンは髪型一つでグッと大人っぽさが増して、なんだか色気すら感じてしまう。そんな二人に見惚れていると、ジェイドとリエンに手を取られカフスボタンを付けられる。
このカフスボタンは記念日に互いにプレゼントした物で、晩餐会など出席する時は必ず付けるようにしている。俺はアメジスト色のカフスボタンで、ジェイドとリエンは水色のカフスボタンだ。
互いの瞳の色の物を送り合うようになってからは俺の周りの物はアメジスト色で染まっている。
「ふふ。今日も似合ってるよシャルル兄様」
「ありがとう、リエン、ジェイド」
二人にお礼を言って、俺もジェイドとリエンの袖に水色のカフスボタンを付ければ準備は完了だ。
部屋の窓から外の様子を伺えば辺りは暗くなり始めている。続々と馬車が到着し、正装した人々がアルミス邸へと入っていく。
父さんの代わりを無事に務める事ができるか少し不安だが、俺の隣にはジェイドとリエンがいてくれるからきっと大丈夫だ……。
フゥ……と小さく息を吐き、俺達は夜会が開かれる広間へと向かった。
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