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【番外編】ジェイドとリエンのやり直し
俺の義弟達 ③
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ジェイドとリエンと仲直りをした晩に部屋の扉をノックする音と父さんの声が聞こえてくる。
部屋の扉を開け父さんの顔を見上げれば、落ち込んだ顔をしていた。
「シャルル……少し話せるか?」
「……はい」
頬を打たれた後で、なんだか気まずいが父さんを部屋へと入れる。父さんがソファーへと腰掛けると俺に隣に座ってほしいのか手招きされる。
また叱られるんじゃないかと少し緊張しながら父さんの隣に座れば、眉を下げ申し訳なさそうな表情を浮かべたまま父さんが俺に謝ってきた……。
「シャルル。今日は叩いてしまいすまない……」
「大丈夫です、父さん……。あれは俺が悪い事をしたので、打たれても仕方のない事でした……」
「だが……お前をそこまでさせてしまったのは、私にも責任がある……。シャルル、すまない……」
「えっ………」
父さんが謝ってくる意味が分からなくて呆然としてしまうと、父さんはそのまま謝罪を続けてくる……。
「私がお前に何も言わずに再婚を決めてしまったのがそもそもの原因だ……。お前が寂しがらないようにと思っていたが、実際にはお前に孤独感を背負わせてしまった……。私がシャルルとちゃんと向き合っていればこんな事にはならなかったんだ……本当にすまない」
父さんは謝罪の言葉を並べて頭を下げてくる。
そんな姿を見せられたら……俺はどうしたらいいんだ……
「父さん……ずるいよ……。今になってそんな事を言ってきて……」
「シャルル……」
「俺は父さんだけがいてくれれば……それだけでよかったんだ! 死んだ母さんの代わりなんてこの世にはいない! だから父さんだけでよかったのに……。なのに……なんで俺に何も言わずに家族を作るんだ……。父さんは俺なんて本当は……いらないんだろ……?」
「違う! シャルルは私の大切な息子だ……。だから……そんな事を言わないでくれ……」
父さんは俺の言葉にショックを受けたのか、顔をくしゃりと歪めたまま抱きしめてくる。怒りで目頭が熱くなっていき、抱きしめられた腕から抜け出そうとするが父さんは強く抱きしめたまま俺を離そうとしない。
「シャルル……本当にすまない……」
「嫌いだ……。父さんなんて……大嫌いだぁ……」
父さんの胸に顔を埋め涙を流しながら何度も何度も嫌いだと呟く……。
父さんはそんな俺の言葉を受け止め「すまない……」と言い抱きしめ続けてくれた……。
しばらくすると父さんの腕が緩み、顔を上げれば不安定に揺れる父さんの瞳と目が合う。
威厳に満ちたいつもの表情と違い、一人の父親として俺とどう接したらいいのか分からず不安気な表情を浮かべる父さんを見ていると、怒りでいっぱいだった気持ちが少し落ち着く……。
「シャルル……。私はお前の事を知ったつもりでいたが……何も知らなかった。母さんにお前の事を任せきりで仕事ばかりして……。もっとシャルルと過ごす時間を取らなければいけなかったのに……」
「うん……。俺はもっと父さんと一緒に過ごしたかった……。こうやって色んな話をして……俺の気持ちを知ってもらいたい」
「分かったよ、シャルル……。これからはちゃんとシャルルと向き合う。二人で沢山話をして……決してシャルルを一人にはしない……」
「うん……。父さん……約束だよ……」
「あぁ、約束だ……」
再び父さんの腕に抱きしめられ俺はそっと父さんの大きな胸に顔を埋める。ジェイドとは違う安心感に体を預け、その晩は父さんと色んな話をして夜を過ごした……。
俺にとって長い一日が終わり、また変わらぬ朝を迎える。
……いや、色々と変わった朝なのかもしれない。
あんなに憂鬱だったダイニングへの道のりも、今は憂鬱さは減った。どちらかと言えば……皆と顔を合わせるのが恥ずかしい。
特に、ジェイドとリエンとは……。
ダイニングの扉をの前に立てば、皆の声が聞こえてくる。
以前は鬱陶しく感じた声に何故か安心感を覚え、扉を開ければ皆の視線が俺に集まる。
「シャルル兄さん。おはようございます」
「兄様~! おはよう~」
「シャルルくん。おはよう」
「おはよう。シャルル」
皆は俺に微笑みかけ声をかけてくれて……ずっと見ないようにしていた皆の笑顔に胸が締め付けられてしまう……。
俺はこの笑顔をずっと否定し続けていたんだな……。
自分の今までの行動を振り返れば、反省する事ばかりだ……。寂しさを理由に何でもしていいと思っていた頃は本当に最低だった。
でも、これからは違う。
俺は父さんの自慢の息子になって……ジェイドとリエンの兄になるんだから……。
「おはよう」
挨拶だけでもなんだか照れ臭く感じ、それを隠すように笑顔を見せるとジェイドとリエンが目を丸くしてこちらに駆け寄ってくる。
勢いよく走ってくるから思わず受け止めると二人して俺に抱きつき嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、それを見ていた父さんとフロル母さんも笑顔を見せる。
あぁ……こうやって皆と家族になっていくのか……。
腕の中では小さな二つの温もりを感じ、ずっと満たされなかった心の中がじんわりと優しさに包まれ……俺は本当の家族の意味を知るのだった。
部屋の扉を開け父さんの顔を見上げれば、落ち込んだ顔をしていた。
「シャルル……少し話せるか?」
「……はい」
頬を打たれた後で、なんだか気まずいが父さんを部屋へと入れる。父さんがソファーへと腰掛けると俺に隣に座ってほしいのか手招きされる。
また叱られるんじゃないかと少し緊張しながら父さんの隣に座れば、眉を下げ申し訳なさそうな表情を浮かべたまま父さんが俺に謝ってきた……。
「シャルル。今日は叩いてしまいすまない……」
「大丈夫です、父さん……。あれは俺が悪い事をしたので、打たれても仕方のない事でした……」
「だが……お前をそこまでさせてしまったのは、私にも責任がある……。シャルル、すまない……」
「えっ………」
父さんが謝ってくる意味が分からなくて呆然としてしまうと、父さんはそのまま謝罪を続けてくる……。
「私がお前に何も言わずに再婚を決めてしまったのがそもそもの原因だ……。お前が寂しがらないようにと思っていたが、実際にはお前に孤独感を背負わせてしまった……。私がシャルルとちゃんと向き合っていればこんな事にはならなかったんだ……本当にすまない」
父さんは謝罪の言葉を並べて頭を下げてくる。
そんな姿を見せられたら……俺はどうしたらいいんだ……
「父さん……ずるいよ……。今になってそんな事を言ってきて……」
「シャルル……」
「俺は父さんだけがいてくれれば……それだけでよかったんだ! 死んだ母さんの代わりなんてこの世にはいない! だから父さんだけでよかったのに……。なのに……なんで俺に何も言わずに家族を作るんだ……。父さんは俺なんて本当は……いらないんだろ……?」
「違う! シャルルは私の大切な息子だ……。だから……そんな事を言わないでくれ……」
父さんは俺の言葉にショックを受けたのか、顔をくしゃりと歪めたまま抱きしめてくる。怒りで目頭が熱くなっていき、抱きしめられた腕から抜け出そうとするが父さんは強く抱きしめたまま俺を離そうとしない。
「シャルル……本当にすまない……」
「嫌いだ……。父さんなんて……大嫌いだぁ……」
父さんの胸に顔を埋め涙を流しながら何度も何度も嫌いだと呟く……。
父さんはそんな俺の言葉を受け止め「すまない……」と言い抱きしめ続けてくれた……。
しばらくすると父さんの腕が緩み、顔を上げれば不安定に揺れる父さんの瞳と目が合う。
威厳に満ちたいつもの表情と違い、一人の父親として俺とどう接したらいいのか分からず不安気な表情を浮かべる父さんを見ていると、怒りでいっぱいだった気持ちが少し落ち着く……。
「シャルル……。私はお前の事を知ったつもりでいたが……何も知らなかった。母さんにお前の事を任せきりで仕事ばかりして……。もっとシャルルと過ごす時間を取らなければいけなかったのに……」
「うん……。俺はもっと父さんと一緒に過ごしたかった……。こうやって色んな話をして……俺の気持ちを知ってもらいたい」
「分かったよ、シャルル……。これからはちゃんとシャルルと向き合う。二人で沢山話をして……決してシャルルを一人にはしない……」
「うん……。父さん……約束だよ……」
「あぁ、約束だ……」
再び父さんの腕に抱きしめられ俺はそっと父さんの大きな胸に顔を埋める。ジェイドとは違う安心感に体を預け、その晩は父さんと色んな話をして夜を過ごした……。
俺にとって長い一日が終わり、また変わらぬ朝を迎える。
……いや、色々と変わった朝なのかもしれない。
あんなに憂鬱だったダイニングへの道のりも、今は憂鬱さは減った。どちらかと言えば……皆と顔を合わせるのが恥ずかしい。
特に、ジェイドとリエンとは……。
ダイニングの扉をの前に立てば、皆の声が聞こえてくる。
以前は鬱陶しく感じた声に何故か安心感を覚え、扉を開ければ皆の視線が俺に集まる。
「シャルル兄さん。おはようございます」
「兄様~! おはよう~」
「シャルルくん。おはよう」
「おはよう。シャルル」
皆は俺に微笑みかけ声をかけてくれて……ずっと見ないようにしていた皆の笑顔に胸が締め付けられてしまう……。
俺はこの笑顔をずっと否定し続けていたんだな……。
自分の今までの行動を振り返れば、反省する事ばかりだ……。寂しさを理由に何でもしていいと思っていた頃は本当に最低だった。
でも、これからは違う。
俺は父さんの自慢の息子になって……ジェイドとリエンの兄になるんだから……。
「おはよう」
挨拶だけでもなんだか照れ臭く感じ、それを隠すように笑顔を見せるとジェイドとリエンが目を丸くしてこちらに駆け寄ってくる。
勢いよく走ってくるから思わず受け止めると二人して俺に抱きつき嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、それを見ていた父さんとフロル母さんも笑顔を見せる。
あぁ……こうやって皆と家族になっていくのか……。
腕の中では小さな二つの温もりを感じ、ずっと満たされなかった心の中がじんわりと優しさに包まれ……俺は本当の家族の意味を知るのだった。
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