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連載
【本編番外編】 二度目の人生 ⑦ー29歳ー
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二人に好き放題された後、俺は泥の様に眠り次に目を覚ました時には二人に挟まれ両側からぎゅうぎゅうに抱きしめられた状態だった。
体を動かそうにも二人の腕や足が俺の体に纏わりつき動けやしない……それに体中ギシギシと軋むように痛い。
スッキリした顔で満足そうに眠っている二人には申し訳ないが、俺を一度解放して欲しい……。
「リエン……ジェイド……。ちょっと離してくれ……」
二人に掠れた声で声をかければ「ん……」と、ゆっくり瞼が開き眠たそうな瞳と目が合う。そして、起きて早々に離して欲しいというお願いとは逆に纏わりついていた腕の力が強くなる。
「兄さん! 昨日は本当にすみませんでした!」
「シャルル兄様~ごめんね……。僕達また暴走しちゃって……」
二人は反省の言葉を呟き俺に許しを乞う。
普段なら「いいよ」と、すぐに許してしまうのだが……昨日の行為を簡単に許せばまた何をされるか分かったものではない。
流石にあれ以上の行為はないと思うのだが……ここはしっかりお説教しなきゃ……。
「………俺は怒ってるからな。二人とも反省しろ」
俺の言葉に二人は目を丸くして……口をぎゅっと結び瞳を潤ませ半ベソかいた顔で俺を見つめてくる。
「兄さん……すみません」
「ごめんなさい……兄様……」
今日一日は厳しい態度をみせようかと思っていたが……親に怒られた小さな子どものような顔で反省している二人を見ているとそんな気持ちも失せてしまう。
「もう勢いだけであんな事しないでくれよ。あんな激しい事されたら俺の体がいくつあっても足りないからな」
二人の頭をポンポンと撫でると俺の名前を呼びながら二人は再度俺に抱きついてくる。
俺はなんでこんなにも弟達に甘いんだろうかと自分自身に呆れてしまうが、惚れた欲目なのか二人の事に関しては欠点だろうが愛おしく感じてしまう。
俺はどれだけジェイドとリエンの事が好きなんだよ……。
そんな事を考えながら今日も俺は大きな弟達を甘やかしてしまうのだった。
それから数ヶ月が過ぎ……。
俺達の写真集が発売された。
何故『俺達の』と言い直したのかと言うと……写真集の方向性が少し変わったからだ。
最初は俺がメインの写真集を作成する予定だったのが、ダイスさんによると出来上がった写真を見て編集にあたった女性達やロザリーの強い強い希望で『三人の写真集』という形の方がいいと要望があったそうだ。
三人での写真は限られた枚数しか撮っていなかったのだが、それでも大丈夫なのだろうかと思っていたが……出来上がった写真集にはオフショットが数多く載せられていて思った以上のボリュームになっていた。
二人といつものように戯れあっている姿やお菓子を食べさせている姿など少し恥ずかしい場面もあったが、とても素敵な写真集になっていた。
「シャルル兄様見て見て~! この兄様の顔凄く可愛いよ~」
「兄さん。私はこっちの方も素敵だと思いますよ」
「そうかな……。ジェイドとリエンの写真だってどれも素敵なものばかりだよ」
完成した写真集が届くとジェイドとリエン、アルマンとソフィア達と一緒にリビングで鑑賞会が開かれる。
写真集を片手にジェイドとリエンは楽しそうな表情を浮かべページをめくっては俺の事を褒めてくれる。
すると、ソファーに座り俺達と一緒に写真集を見ていたアルマンとソフィアは頬を膨らませ、少し不貞腐れた顔をして俺の膝の上に乗ってくる。
「いいなぁ~。ぼくたちもにーさまとしゃしんとりたかったぁ~」
「シャルルにーさま。つぎはわたしたちもいっしょにとれる?」
「ん~……そうだね。次は一緒に撮ろうな」
「「わぁ~~い!」」
そう言って二人の頭を撫でれば嬉しそうに笑みを浮かべた。
心配していた写真集の売れ行きはというと……
俺が想像していたよりも好評で初版はすぐに完売してしまい今急いで増刷している所なのだとか……。
領地だけの販売かと思いきや他の領でも販売の希望があったと聞いた時には驚いたが、写真集のおかげなのか近隣の領地の夜会などにも招かれる事が増え、繋がりが増えれば交易も盛んになり領地はさらに賑わいをみせたのだった。
体を動かそうにも二人の腕や足が俺の体に纏わりつき動けやしない……それに体中ギシギシと軋むように痛い。
スッキリした顔で満足そうに眠っている二人には申し訳ないが、俺を一度解放して欲しい……。
「リエン……ジェイド……。ちょっと離してくれ……」
二人に掠れた声で声をかければ「ん……」と、ゆっくり瞼が開き眠たそうな瞳と目が合う。そして、起きて早々に離して欲しいというお願いとは逆に纏わりついていた腕の力が強くなる。
「兄さん! 昨日は本当にすみませんでした!」
「シャルル兄様~ごめんね……。僕達また暴走しちゃって……」
二人は反省の言葉を呟き俺に許しを乞う。
普段なら「いいよ」と、すぐに許してしまうのだが……昨日の行為を簡単に許せばまた何をされるか分かったものではない。
流石にあれ以上の行為はないと思うのだが……ここはしっかりお説教しなきゃ……。
「………俺は怒ってるからな。二人とも反省しろ」
俺の言葉に二人は目を丸くして……口をぎゅっと結び瞳を潤ませ半ベソかいた顔で俺を見つめてくる。
「兄さん……すみません」
「ごめんなさい……兄様……」
今日一日は厳しい態度をみせようかと思っていたが……親に怒られた小さな子どものような顔で反省している二人を見ているとそんな気持ちも失せてしまう。
「もう勢いだけであんな事しないでくれよ。あんな激しい事されたら俺の体がいくつあっても足りないからな」
二人の頭をポンポンと撫でると俺の名前を呼びながら二人は再度俺に抱きついてくる。
俺はなんでこんなにも弟達に甘いんだろうかと自分自身に呆れてしまうが、惚れた欲目なのか二人の事に関しては欠点だろうが愛おしく感じてしまう。
俺はどれだけジェイドとリエンの事が好きなんだよ……。
そんな事を考えながら今日も俺は大きな弟達を甘やかしてしまうのだった。
それから数ヶ月が過ぎ……。
俺達の写真集が発売された。
何故『俺達の』と言い直したのかと言うと……写真集の方向性が少し変わったからだ。
最初は俺がメインの写真集を作成する予定だったのが、ダイスさんによると出来上がった写真を見て編集にあたった女性達やロザリーの強い強い希望で『三人の写真集』という形の方がいいと要望があったそうだ。
三人での写真は限られた枚数しか撮っていなかったのだが、それでも大丈夫なのだろうかと思っていたが……出来上がった写真集にはオフショットが数多く載せられていて思った以上のボリュームになっていた。
二人といつものように戯れあっている姿やお菓子を食べさせている姿など少し恥ずかしい場面もあったが、とても素敵な写真集になっていた。
「シャルル兄様見て見て~! この兄様の顔凄く可愛いよ~」
「兄さん。私はこっちの方も素敵だと思いますよ」
「そうかな……。ジェイドとリエンの写真だってどれも素敵なものばかりだよ」
完成した写真集が届くとジェイドとリエン、アルマンとソフィア達と一緒にリビングで鑑賞会が開かれる。
写真集を片手にジェイドとリエンは楽しそうな表情を浮かべページをめくっては俺の事を褒めてくれる。
すると、ソファーに座り俺達と一緒に写真集を見ていたアルマンとソフィアは頬を膨らませ、少し不貞腐れた顔をして俺の膝の上に乗ってくる。
「いいなぁ~。ぼくたちもにーさまとしゃしんとりたかったぁ~」
「シャルルにーさま。つぎはわたしたちもいっしょにとれる?」
「ん~……そうだね。次は一緒に撮ろうな」
「「わぁ~~い!」」
そう言って二人の頭を撫でれば嬉しそうに笑みを浮かべた。
心配していた写真集の売れ行きはというと……
俺が想像していたよりも好評で初版はすぐに完売してしまい今急いで増刷している所なのだとか……。
領地だけの販売かと思いきや他の領でも販売の希望があったと聞いた時には驚いたが、写真集のおかげなのか近隣の領地の夜会などにも招かれる事が増え、繋がりが増えれば交易も盛んになり領地はさらに賑わいをみせたのだった。
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