28 / 98
連載
【本編番外編】 二度目の人生 ⑦ー29歳ー
しおりを挟む
二人に好き放題された後、俺は泥の様に眠り次に目を覚ました時には二人に挟まれ両側からぎゅうぎゅうに抱きしめられた状態だった。
体を動かそうにも二人の腕や足が俺の体に纏わりつき動けやしない……それに体中ギシギシと軋むように痛い。
スッキリした顔で満足そうに眠っている二人には申し訳ないが、俺を一度解放して欲しい……。
「リエン……ジェイド……。ちょっと離してくれ……」
二人に掠れた声で声をかければ「ん……」と、ゆっくり瞼が開き眠たそうな瞳と目が合う。そして、起きて早々に離して欲しいというお願いとは逆に纏わりついていた腕の力が強くなる。
「兄さん! 昨日は本当にすみませんでした!」
「シャルル兄様~ごめんね……。僕達また暴走しちゃって……」
二人は反省の言葉を呟き俺に許しを乞う。
普段なら「いいよ」と、すぐに許してしまうのだが……昨日の行為を簡単に許せばまた何をされるか分かったものではない。
流石にあれ以上の行為はないと思うのだが……ここはしっかりお説教しなきゃ……。
「………俺は怒ってるからな。二人とも反省しろ」
俺の言葉に二人は目を丸くして……口をぎゅっと結び瞳を潤ませ半ベソかいた顔で俺を見つめてくる。
「兄さん……すみません」
「ごめんなさい……兄様……」
今日一日は厳しい態度をみせようかと思っていたが……親に怒られた小さな子どものような顔で反省している二人を見ているとそんな気持ちも失せてしまう。
「もう勢いだけであんな事しないでくれよ。あんな激しい事されたら俺の体がいくつあっても足りないからな」
二人の頭をポンポンと撫でると俺の名前を呼びながら二人は再度俺に抱きついてくる。
俺はなんでこんなにも弟達に甘いんだろうかと自分自身に呆れてしまうが、惚れた欲目なのか二人の事に関しては欠点だろうが愛おしく感じてしまう。
俺はどれだけジェイドとリエンの事が好きなんだよ……。
そんな事を考えながら今日も俺は大きな弟達を甘やかしてしまうのだった。
それから数ヶ月が過ぎ……。
俺達の写真集が発売された。
何故『俺達の』と言い直したのかと言うと……写真集の方向性が少し変わったからだ。
最初は俺がメインの写真集を作成する予定だったのが、ダイスさんによると出来上がった写真を見て編集にあたった女性達やロザリーの強い強い希望で『三人の写真集』という形の方がいいと要望があったそうだ。
三人での写真は限られた枚数しか撮っていなかったのだが、それでも大丈夫なのだろうかと思っていたが……出来上がった写真集にはオフショットが数多く載せられていて思った以上のボリュームになっていた。
二人といつものように戯れあっている姿やお菓子を食べさせている姿など少し恥ずかしい場面もあったが、とても素敵な写真集になっていた。
「シャルル兄様見て見て~! この兄様の顔凄く可愛いよ~」
「兄さん。私はこっちの方も素敵だと思いますよ」
「そうかな……。ジェイドとリエンの写真だってどれも素敵なものばかりだよ」
完成した写真集が届くとジェイドとリエン、アルマンとソフィア達と一緒にリビングで鑑賞会が開かれる。
写真集を片手にジェイドとリエンは楽しそうな表情を浮かべページをめくっては俺の事を褒めてくれる。
すると、ソファーに座り俺達と一緒に写真集を見ていたアルマンとソフィアは頬を膨らませ、少し不貞腐れた顔をして俺の膝の上に乗ってくる。
「いいなぁ~。ぼくたちもにーさまとしゃしんとりたかったぁ~」
「シャルルにーさま。つぎはわたしたちもいっしょにとれる?」
「ん~……そうだね。次は一緒に撮ろうな」
「「わぁ~~い!」」
そう言って二人の頭を撫でれば嬉しそうに笑みを浮かべた。
心配していた写真集の売れ行きはというと……
俺が想像していたよりも好評で初版はすぐに完売してしまい今急いで増刷している所なのだとか……。
領地だけの販売かと思いきや他の領でも販売の希望があったと聞いた時には驚いたが、写真集のおかげなのか近隣の領地の夜会などにも招かれる事が増え、繋がりが増えれば交易も盛んになり領地はさらに賑わいをみせたのだった。
体を動かそうにも二人の腕や足が俺の体に纏わりつき動けやしない……それに体中ギシギシと軋むように痛い。
スッキリした顔で満足そうに眠っている二人には申し訳ないが、俺を一度解放して欲しい……。
「リエン……ジェイド……。ちょっと離してくれ……」
二人に掠れた声で声をかければ「ん……」と、ゆっくり瞼が開き眠たそうな瞳と目が合う。そして、起きて早々に離して欲しいというお願いとは逆に纏わりついていた腕の力が強くなる。
「兄さん! 昨日は本当にすみませんでした!」
「シャルル兄様~ごめんね……。僕達また暴走しちゃって……」
二人は反省の言葉を呟き俺に許しを乞う。
普段なら「いいよ」と、すぐに許してしまうのだが……昨日の行為を簡単に許せばまた何をされるか分かったものではない。
流石にあれ以上の行為はないと思うのだが……ここはしっかりお説教しなきゃ……。
「………俺は怒ってるからな。二人とも反省しろ」
俺の言葉に二人は目を丸くして……口をぎゅっと結び瞳を潤ませ半ベソかいた顔で俺を見つめてくる。
「兄さん……すみません」
「ごめんなさい……兄様……」
今日一日は厳しい態度をみせようかと思っていたが……親に怒られた小さな子どものような顔で反省している二人を見ているとそんな気持ちも失せてしまう。
「もう勢いだけであんな事しないでくれよ。あんな激しい事されたら俺の体がいくつあっても足りないからな」
二人の頭をポンポンと撫でると俺の名前を呼びながら二人は再度俺に抱きついてくる。
俺はなんでこんなにも弟達に甘いんだろうかと自分自身に呆れてしまうが、惚れた欲目なのか二人の事に関しては欠点だろうが愛おしく感じてしまう。
俺はどれだけジェイドとリエンの事が好きなんだよ……。
そんな事を考えながら今日も俺は大きな弟達を甘やかしてしまうのだった。
それから数ヶ月が過ぎ……。
俺達の写真集が発売された。
何故『俺達の』と言い直したのかと言うと……写真集の方向性が少し変わったからだ。
最初は俺がメインの写真集を作成する予定だったのが、ダイスさんによると出来上がった写真を見て編集にあたった女性達やロザリーの強い強い希望で『三人の写真集』という形の方がいいと要望があったそうだ。
三人での写真は限られた枚数しか撮っていなかったのだが、それでも大丈夫なのだろうかと思っていたが……出来上がった写真集にはオフショットが数多く載せられていて思った以上のボリュームになっていた。
二人といつものように戯れあっている姿やお菓子を食べさせている姿など少し恥ずかしい場面もあったが、とても素敵な写真集になっていた。
「シャルル兄様見て見て~! この兄様の顔凄く可愛いよ~」
「兄さん。私はこっちの方も素敵だと思いますよ」
「そうかな……。ジェイドとリエンの写真だってどれも素敵なものばかりだよ」
完成した写真集が届くとジェイドとリエン、アルマンとソフィア達と一緒にリビングで鑑賞会が開かれる。
写真集を片手にジェイドとリエンは楽しそうな表情を浮かべページをめくっては俺の事を褒めてくれる。
すると、ソファーに座り俺達と一緒に写真集を見ていたアルマンとソフィアは頬を膨らませ、少し不貞腐れた顔をして俺の膝の上に乗ってくる。
「いいなぁ~。ぼくたちもにーさまとしゃしんとりたかったぁ~」
「シャルルにーさま。つぎはわたしたちもいっしょにとれる?」
「ん~……そうだね。次は一緒に撮ろうな」
「「わぁ~~い!」」
そう言って二人の頭を撫でれば嬉しそうに笑みを浮かべた。
心配していた写真集の売れ行きはというと……
俺が想像していたよりも好評で初版はすぐに完売してしまい今急いで増刷している所なのだとか……。
領地だけの販売かと思いきや他の領でも販売の希望があったと聞いた時には驚いたが、写真集のおかげなのか近隣の領地の夜会などにも招かれる事が増え、繋がりが増えれば交易も盛んになり領地はさらに賑わいをみせたのだった。
83
お気に入りに追加
7,540
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。