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連載
【本編番外編】 二度目の人生 ー29歳ー 〜リエンSide〜
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ダイスさんから貰ったお酒を片手にルンルン気分でジェイド兄様と一緒にシャルル兄様の部屋へと向かえば、部屋に残っている衣装に少し困惑しているシャルル兄様の姿が見える。
「あ、ジェイド、リエン。なぁ……この衣装詰め忘れていっちゃったのかな? 結構服が残ってるんだけど……」
「あぁ~。それは僕達やシャルル兄様が着た衣装だね。買い取りするか悩んでて置いてもらったんだ~」
「そうなのか。あの衣装は二人ともとても似合っていたからな」
「シャルル兄様もとっても似合ってたよぉ~」
「そうか? 服が上等すぎて俺にはなんだか不釣り合いに感じたけど……」
「そんな事ありませんよ兄さん。兄さんのあの服はとても似合っていましたし、シャルル兄さんを見た瞬間私とリエンがどれだけ兄さんに触れる事を我慢した事か……」
「えっ……。あ……そうなのか……?」
ジェイド兄様の言葉にシャルル兄様は照れ笑いを見せる。
「ほらほら! 皆も揃ったことだし、まずはお疲れ様の乾杯しよ!」
さぁさぁと、なんだかいい雰囲気の二人の間に入り急かすように三人で乾杯すると僕はシャルル兄様にお酒をグイグイと進めていく。
え? なんでこんなに急かしてるのかって?
大抵こんな時の理由は、やましい事を考えているからで……僕はお酒に酔ってなんでも許してくれるシャルル兄様にお願い事をするために酔わせている。
そんな事を考えている間に、頬を赤く染めトロンとした顔で楽しそうお酒を片手に微笑むほろ酔いシャルル兄様が出来上がる。
ここまでくれば後はおねだりして僕の願いを叶えてもらうだけだ……。
「ねぇねぇ、シャルル兄様~」
「ん? どうしたリエン?」
「今日の撮影、僕すごく頑張ったでしょ? だからご褒美欲しくて……」
「そうだなぁ~リエンもジェイドも頑張ってくれたもんな! いいよ。ご褒美は何が欲しいんだ?」
上機嫌なシャルル兄様の言葉に僕はパァァと顔を綻ばせ兄様の気が変わらないうちに……と、急いで置いていた衣装の方へと向かう。
ダイスさんに買い取りすると言って置いて貰っていた衣装達を手に持ちシャルル兄様の所へと戻って行く。
「シャルルにいさまぁ、この服を兄様に着て欲しいんだけど……」
「あ……これって……」
シャルル兄様は僕が手に持つ衣装を見て少し嫌そうな表情を見せる。
この衣装はシャルル兄様が一度着たくないと言った僕のオススメの衣装なのだが、ここはもうゴリ押しで何が何でもシャルル兄様にはこの服を着てもらう。
だってこの為にマリアンヌさんから提案された写真集の話だって受けた訳だし、この機会を逃せばきっとシャルル兄様はこんな服装をしてくれる事はないだろう。
可愛い可愛いシャルル兄様が見れるのならば僕はなんだってやる!
「この衣装は僕がシャルル兄様にどんな服や色が似合うかなぁ~って、沢山悩みながら選んだ衣装なんだよぉ……」
「そう、なのか……?」
「うん……。大切な人の色を服に取り入れられたら素敵だなぁ~って考えながら選んだんだ。このジャケットの色は僕達の瞳の色で、このラバリエールの色はシャルル兄様の瞳の色。シャルル兄様を僕達の色で包み込んであげたいって思いながら選んだ衣装達なんだ……」
「リエン……」
僕の言葉にシャルル兄様は瞳を潤ませ、僕が持っていた服をそっと手に取る。
「俺の事を思って選んでくれた衣装だったなんて知らなくて……キツイ言葉を言ってごめんな」
「ううん。いいんだよシャルル兄様。でも……やっぱり嫌だよね……。僕が選んだ可愛い服なんてシャルル兄様の好みじゃないから……」
「そんな事ないよ! リエンが選んでくれたんだから……」
シャルル兄様はそう言うと衣装を両手に抱えて僕達の死角になる少し離れた場所へと小走りで向かい、少し恥ずかしそうな顔をしてこちらを振り向く。
「頑張って着てみるから……ちょっとあっち向いててくれ」
「シャルル兄様……。ありがとう~! 楽しみにしてるから頑張って着替えてね!」
「う、うん……」
小さく頷くシャルル兄様は僕達に背を向け着替えを始める。僕とジェイド兄様もシャルル兄様に背を向け着替えが終わるのを待っていると、「あれ? これ、どうするんだろう……」と、シャルル兄様の困惑した声が時折聞こえてくる。
あまりにも可愛いらしい声にジェイド兄様と僕は振り返ってその様子を見たい気持ちを必死に抑えプルプルと震えながら耐え忍ぶ。
それから暫くすると「できたよ……」と、いうシャルル兄様の自信なさげな声が聞こえ振り返ればそこには…………天使がいた。
薄紫色のジャケットに可愛いフリルシャツ。
胸元の大きめのラバリエールは兄様の可愛さを強調している。
そして、膝上のパンツと可愛らしい底の厚い黒のブーツ。
パンツとブーツの間からはシャルル兄様の真っ白な細脚が見え、僕達を誘惑してくる。
シャルル兄様は恥ずかしそうに頬を赤く染め、チラチラとこちらを見てきては僕達の反応を伺っている。
「やっぱり……変じゃないか……?」
「変じゃないよ! すっっっごく似合ってるよシャルル兄様! もう可愛すぎて僕おかしくなっちゃいそうだよぉ……」
「シャルル兄さん……。これはなんと言ったらいいのか….…最高以外の言葉が見当たりませんね」
シャルル兄様の姿をもっと近くで見たくてジェイド兄様と僕はジリジリと兄様へと近づいていく。
撮影の時の大人っぽいシャルル兄様も素敵だったけど、普段の可愛さを存分に引き立ててくれる今の衣装も抜群に似合っている。
「あぁ……シャルルにいさますっごく可愛いぃぃ~。兄様ぁ、じっくり見たいからベッド行こう?」
「あ……えっと……。う、うん……」
ウットリ顔で見つめる僕とジェイド兄様に手を引かれ、シャルル兄様は言われるがままにベッドへと連れて行かれたのだった……。
「あ、ジェイド、リエン。なぁ……この衣装詰め忘れていっちゃったのかな? 結構服が残ってるんだけど……」
「あぁ~。それは僕達やシャルル兄様が着た衣装だね。買い取りするか悩んでて置いてもらったんだ~」
「そうなのか。あの衣装は二人ともとても似合っていたからな」
「シャルル兄様もとっても似合ってたよぉ~」
「そうか? 服が上等すぎて俺にはなんだか不釣り合いに感じたけど……」
「そんな事ありませんよ兄さん。兄さんのあの服はとても似合っていましたし、シャルル兄さんを見た瞬間私とリエンがどれだけ兄さんに触れる事を我慢した事か……」
「えっ……。あ……そうなのか……?」
ジェイド兄様の言葉にシャルル兄様は照れ笑いを見せる。
「ほらほら! 皆も揃ったことだし、まずはお疲れ様の乾杯しよ!」
さぁさぁと、なんだかいい雰囲気の二人の間に入り急かすように三人で乾杯すると僕はシャルル兄様にお酒をグイグイと進めていく。
え? なんでこんなに急かしてるのかって?
大抵こんな時の理由は、やましい事を考えているからで……僕はお酒に酔ってなんでも許してくれるシャルル兄様にお願い事をするために酔わせている。
そんな事を考えている間に、頬を赤く染めトロンとした顔で楽しそうお酒を片手に微笑むほろ酔いシャルル兄様が出来上がる。
ここまでくれば後はおねだりして僕の願いを叶えてもらうだけだ……。
「ねぇねぇ、シャルル兄様~」
「ん? どうしたリエン?」
「今日の撮影、僕すごく頑張ったでしょ? だからご褒美欲しくて……」
「そうだなぁ~リエンもジェイドも頑張ってくれたもんな! いいよ。ご褒美は何が欲しいんだ?」
上機嫌なシャルル兄様の言葉に僕はパァァと顔を綻ばせ兄様の気が変わらないうちに……と、急いで置いていた衣装の方へと向かう。
ダイスさんに買い取りすると言って置いて貰っていた衣装達を手に持ちシャルル兄様の所へと戻って行く。
「シャルルにいさまぁ、この服を兄様に着て欲しいんだけど……」
「あ……これって……」
シャルル兄様は僕が手に持つ衣装を見て少し嫌そうな表情を見せる。
この衣装はシャルル兄様が一度着たくないと言った僕のオススメの衣装なのだが、ここはもうゴリ押しで何が何でもシャルル兄様にはこの服を着てもらう。
だってこの為にマリアンヌさんから提案された写真集の話だって受けた訳だし、この機会を逃せばきっとシャルル兄様はこんな服装をしてくれる事はないだろう。
可愛い可愛いシャルル兄様が見れるのならば僕はなんだってやる!
「この衣装は僕がシャルル兄様にどんな服や色が似合うかなぁ~って、沢山悩みながら選んだ衣装なんだよぉ……」
「そう、なのか……?」
「うん……。大切な人の色を服に取り入れられたら素敵だなぁ~って考えながら選んだんだ。このジャケットの色は僕達の瞳の色で、このラバリエールの色はシャルル兄様の瞳の色。シャルル兄様を僕達の色で包み込んであげたいって思いながら選んだ衣装達なんだ……」
「リエン……」
僕の言葉にシャルル兄様は瞳を潤ませ、僕が持っていた服をそっと手に取る。
「俺の事を思って選んでくれた衣装だったなんて知らなくて……キツイ言葉を言ってごめんな」
「ううん。いいんだよシャルル兄様。でも……やっぱり嫌だよね……。僕が選んだ可愛い服なんてシャルル兄様の好みじゃないから……」
「そんな事ないよ! リエンが選んでくれたんだから……」
シャルル兄様はそう言うと衣装を両手に抱えて僕達の死角になる少し離れた場所へと小走りで向かい、少し恥ずかしそうな顔をしてこちらを振り向く。
「頑張って着てみるから……ちょっとあっち向いててくれ」
「シャルル兄様……。ありがとう~! 楽しみにしてるから頑張って着替えてね!」
「う、うん……」
小さく頷くシャルル兄様は僕達に背を向け着替えを始める。僕とジェイド兄様もシャルル兄様に背を向け着替えが終わるのを待っていると、「あれ? これ、どうするんだろう……」と、シャルル兄様の困惑した声が時折聞こえてくる。
あまりにも可愛いらしい声にジェイド兄様と僕は振り返ってその様子を見たい気持ちを必死に抑えプルプルと震えながら耐え忍ぶ。
それから暫くすると「できたよ……」と、いうシャルル兄様の自信なさげな声が聞こえ振り返ればそこには…………天使がいた。
薄紫色のジャケットに可愛いフリルシャツ。
胸元の大きめのラバリエールは兄様の可愛さを強調している。
そして、膝上のパンツと可愛らしい底の厚い黒のブーツ。
パンツとブーツの間からはシャルル兄様の真っ白な細脚が見え、僕達を誘惑してくる。
シャルル兄様は恥ずかしそうに頬を赤く染め、チラチラとこちらを見てきては僕達の反応を伺っている。
「やっぱり……変じゃないか……?」
「変じゃないよ! すっっっごく似合ってるよシャルル兄様! もう可愛すぎて僕おかしくなっちゃいそうだよぉ……」
「シャルル兄さん……。これはなんと言ったらいいのか….…最高以外の言葉が見当たりませんね」
シャルル兄様の姿をもっと近くで見たくてジェイド兄様と僕はジリジリと兄様へと近づいていく。
撮影の時の大人っぽいシャルル兄様も素敵だったけど、普段の可愛さを存分に引き立ててくれる今の衣装も抜群に似合っている。
「あぁ……シャルルにいさますっごく可愛いぃぃ~。兄様ぁ、じっくり見たいからベッド行こう?」
「あ……えっと……。う、うん……」
ウットリ顔で見つめる僕とジェイド兄様に手を引かれ、シャルル兄様は言われるがままにベッドへと連れて行かれたのだった……。
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