【完結】幼馴染みが勇者になり何故か俺は勇者の番になりました

赤牙

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番外編:片想い勇者の恋の行方

勇者と魔王のお留守番 ①

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「では2人ともあまり喧嘩はせず周りに迷惑かけないように! 分かりましたか?」
「……はい」

ぶすくれた僕の返事にミシェルさんは薄っすらと笑みを浮かべ「いい子にしてるんだぞ」と、頭を撫でてくれる。
ミシェルさんに頭を撫でられ少し気分が良くなったと思っていれば……後ろから癇に障る声が聞こえてくる。

「しっかり働いてくるんだぞ~ミシェル。さぁヨルダ。これから数日は私と二人きりだ。存分に楽しもうなぁ~」

その声の主は図々しくミシェルさんにそう言い放つと僕の背中に抱きつき不快な言葉を投げかけてくる。
僕は苛立ち「触るな!」と、体に纏わりつく真っ白で気味の悪い腕を払いのければブーブーと背後で文句を垂れる……。
ミシェルさんはそんな僕達の姿を見て深いため息をつきながら出発の準備を進める。

「ハァ……。とにかく二人で仲良く喧嘩せずに過ごして下さいね。いいですね!」

ミシェルさんはそう言うと、僕と魔王を置いて魔王城を後にした……。

数日後に開かれる毎年恒例の魔族の集まりにミシェルさんは魔王の代わりとしてその集会に参加する。
本来ならば魔族のトップである魔王は絶対に参加しなくてはいけない集会だと思うのだが……何故か魔族でもないミシェルさんがその代わりを務めている。

呑気な顔をして「さぁ~今日から何して遊ぼうかなぁ~」などと浮かれている魔王をキッと睨みつければ、魔王は俺の顔を見てニコリと笑顔を向けてくる。


「……なんで魔王のお前が集会に行かないんだよ」
「私よりミシェルの方が話をまとめるのが上手いからな。ミシェルと2人きりになれなかったからといって拗ねるなヨルダ」

僕のミシェルさんに対する気持ちに気付いている魔王は意地悪そうに笑いながら僕を見下ろしてくる。
その憎たらしい笑顔は実に魔王らしく癇に障る。
ミシェルさんが帰ってくるまでの間、コイツと二人きりだと考えるだけで僕は憂鬱な気持ちになった……。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

番外編(魔王と少年)の続編です☆


この続編のタグとしましては……

3P、無理矢理、リバ(仮)

と、いった偏ったタグとなっておりますので読まれる際にはご注意下さい(*'▽'*)←
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