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24話:勇者覚醒 〜Side:テオ〜
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~Side:テオ~ ✳︎一部残酷描写あります✳︎
魔王に近づいていくと瘴気も濃くなりベヌエット様とアレンさんは少しずつ体に負担がきているのが分かる。
魔王まであと少しだがこのままでは瘴気で全滅してしまう…そう思っていた時だった。
「な、なんだよこれ!」
シモンの叫び声が聞こえ振り向くと宙に浮いている。
すぐにでも駆けつけてたいのに体が思うように動かず足を踏み出そうとするが足に力が入らない。
ベヌエット様とアレンさんは倒れてしまいシモンが泣きそうな声で2人の名前を呼んでいる…
くそっ!なんで動かないんだ!
「テオ…2人が…どうしよう…」
「大丈夫だよ。シモン今行くから…待ってて…」
もう少しでシモンの元へと辿り着く…
そう思ってた時シモンの後ろにガルパス様の姿が見えた。
よかった無事だった。
そう安心しているとガルパス様が僕の方に向け手をかざす。
「重力負荷」
僕の体は勢いよく地面へ押し潰されミシミシと体の骨が軋む。必死に体を起こそうにも起こせない…
ガルパス様は僕とシモンへ話しかけてくるが…
……何を言っているんだ?
シモンを魔王に捧げる?永遠の別れ?
ドス黒い怒りが込み上げてくる。
ようやく顔を上げると僕に向かって手を伸ばすシモンが見える。
早く…シモンの所に…
そう思った瞬間だった。
シモンの体が眩く光だすと僕の目の前からシモンが消えた。
「テオ殿お前さんの役目は終わった。これで魔王様も満足され地底へとお戻りになられる。お前は王都へと戻り魔王を倒した英雄として讃えられるぞ。よかったのぉー」
ケタケタといつものように笑うガルパス様。
目の前が真っ暗になる
シモンがいない。どうして?なんで?
頭の中で同じ言葉がグルグル回る。
「…シモンは何処へ?」
「だからシモンは魔王様へ捧げたと言ったであろう。さぁ、さっさと王都へ帰るぞ」
「そうか…魔王のところか…」
僕は重たい体を起こし大剣を手にするとジリジリとガルパス様の方へと歩みよる。
「なっ!?ワシの最大威力の重力魔法じゃぞ!」
「ガルパス様…魔王の所へ案内してください」
「そんな事するわけな…」
魔王への道案内を拒否したガルパス様の首を躊躇なく刎ねる。
転がり落ちた首を拾い上げると「ひぃっ…」と叫び声をだす。
「よかった。やはり魔族だったんですね。魔族は首切り落とした位じゃ死なないから…このままでも大丈夫ですよね?連れていくのに頭だけの方が楽ですから」
「くそっ…お前を魔王様の所へは連れていかんぞ」
「そうですか…」
お願いを聞いてくれないガルパス様の首を地面へと置くと倒れている体の方へと向かう。
「魔族は神聖魔法を使って心臓を潰せば死ぬんでしたよね…」
「なっ!?や、やめ…ぎゃっ!!連れていくから!魔王様の所へ案内するから!」
大剣に神聖魔法の属性を乗せガルパス様の心臓へと突き立てると案内を承諾してくれた。
ガルパス様の体は拘束し、倒れたままのベヌエット様達は結界を張って安全な場所へと隠す。
「さぁガルパス様。早く魔王の所へ行きましょうか」
「あっ…ちょっ…そんなに振り回したら…も、もう少し優しく扱ってくれ…」
シモン今助けに行くからね…
魔王に近づいていくと瘴気も濃くなりベヌエット様とアレンさんは少しずつ体に負担がきているのが分かる。
魔王まであと少しだがこのままでは瘴気で全滅してしまう…そう思っていた時だった。
「な、なんだよこれ!」
シモンの叫び声が聞こえ振り向くと宙に浮いている。
すぐにでも駆けつけてたいのに体が思うように動かず足を踏み出そうとするが足に力が入らない。
ベヌエット様とアレンさんは倒れてしまいシモンが泣きそうな声で2人の名前を呼んでいる…
くそっ!なんで動かないんだ!
「テオ…2人が…どうしよう…」
「大丈夫だよ。シモン今行くから…待ってて…」
もう少しでシモンの元へと辿り着く…
そう思ってた時シモンの後ろにガルパス様の姿が見えた。
よかった無事だった。
そう安心しているとガルパス様が僕の方に向け手をかざす。
「重力負荷」
僕の体は勢いよく地面へ押し潰されミシミシと体の骨が軋む。必死に体を起こそうにも起こせない…
ガルパス様は僕とシモンへ話しかけてくるが…
……何を言っているんだ?
シモンを魔王に捧げる?永遠の別れ?
ドス黒い怒りが込み上げてくる。
ようやく顔を上げると僕に向かって手を伸ばすシモンが見える。
早く…シモンの所に…
そう思った瞬間だった。
シモンの体が眩く光だすと僕の目の前からシモンが消えた。
「テオ殿お前さんの役目は終わった。これで魔王様も満足され地底へとお戻りになられる。お前は王都へと戻り魔王を倒した英雄として讃えられるぞ。よかったのぉー」
ケタケタといつものように笑うガルパス様。
目の前が真っ暗になる
シモンがいない。どうして?なんで?
頭の中で同じ言葉がグルグル回る。
「…シモンは何処へ?」
「だからシモンは魔王様へ捧げたと言ったであろう。さぁ、さっさと王都へ帰るぞ」
「そうか…魔王のところか…」
僕は重たい体を起こし大剣を手にするとジリジリとガルパス様の方へと歩みよる。
「なっ!?ワシの最大威力の重力魔法じゃぞ!」
「ガルパス様…魔王の所へ案内してください」
「そんな事するわけな…」
魔王への道案内を拒否したガルパス様の首を躊躇なく刎ねる。
転がり落ちた首を拾い上げると「ひぃっ…」と叫び声をだす。
「よかった。やはり魔族だったんですね。魔族は首切り落とした位じゃ死なないから…このままでも大丈夫ですよね?連れていくのに頭だけの方が楽ですから」
「くそっ…お前を魔王様の所へは連れていかんぞ」
「そうですか…」
お願いを聞いてくれないガルパス様の首を地面へと置くと倒れている体の方へと向かう。
「魔族は神聖魔法を使って心臓を潰せば死ぬんでしたよね…」
「なっ!?や、やめ…ぎゃっ!!連れていくから!魔王様の所へ案内するから!」
大剣に神聖魔法の属性を乗せガルパス様の心臓へと突き立てると案内を承諾してくれた。
ガルパス様の体は拘束し、倒れたままのベヌエット様達は結界を張って安全な場所へと隠す。
「さぁガルパス様。早く魔王の所へ行きましょうか」
「あっ…ちょっ…そんなに振り回したら…も、もう少し優しく扱ってくれ…」
シモン今助けに行くからね…
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